【ネタバレあり】劇場版アイドルマスターについて忌憚なく感想を述べようと思う。
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【ネタバレあり】劇場版アイドルマスターについて忌憚なく感想を述べようと思う。

2014-01-27 21:48
  • 29

 劇場版アイドルマスターを見て参りました。

 まぁ皆さんの反応を見る限り絶賛の嵐といいますか、まぁいつぞやのように子供を奪われた王蟲の群れの如く真っ赤になってドドド……のような狂乱とならなかったことにホッ、としております。
 この映画のどこがよかったのか、についてはそれこそ大勢のPさんが大興奮のままに書いてくれていますので語りません。多分、大体あってる。
 僕がわざわざこうしてブロマガに感想を書く理由はただ一つ。

 お前ら、本当にこれが最高の映画だって思ってるの? 正気か?


 いきなり喧嘩を売ってしまって申し訳ない。だが、僕にはどうしてもこの映画について許せない部分があるのです。
 どうぞ深呼吸して最後まで話を聞いていただきたい。
 というわけで以下、ネタバレ。
























 僕がこの映画に関して駄目だ思う最たる理由は、脚本です。
 前半の合宿終わりまでについては特にいうことはございません。
 問題は後半、順を追って語っていこうと思います。

・天海春香が走らない 

 この映画の大前提としてアニメ版アイドルマスターがある。
 そしてアニメ版において20話以降を使って天海春香とはどのようなアイドルであるかを示したのだ。
 そんな、『みんなで』『一緒に』にこだわり続ける彼女であるならば、もっと早い段階で可奈を迎えに行ったはずなのだ。センター問い合わせなんてする時間があったら、単独で(あるいは正妻と化した千早をつれて)可奈の家のチャイムを連打したはずなのだ。
 最初に志保がキレた時に、
 遅くとも可奈との電話の直後に、
 天海春香は走り出すはずなのだ。
 『ほっとけないよ!』と叫んだ天海春香とはなんだったのか。
 アニメ20話以降を使って『天海春香』を定義したのはなんだったのか。
 のらりくらりと過ごしたことに特段の理由も示されていなかった以上、この天海春香は本当に天海春香なのかと首を傾げるレベルだ。
 まぁ、この無意味で冗長なセンター問い合わせ期間は、まだ目を瞑ろうと思えば我慢できるところだ。だが、『私は、天海春香だから』という名言入りを目指したであろう決め台詞を空虚にしてしまったことは間違いないと思う。
 
・太っちゃったので、アイドル辞めます!

 この映画の後半のメインストリームであるところの、矢吹可奈の去就がこのオチである。
 このシーンを見た僕は映画館でリアルに椅子からズリ落ちそうになった。
 それは決して吉本新喜劇よろしくギャグが受けたわけでも、長いこと座りすぎて尻が痛くなったわけでもない。
 失望したからです。
 がっかりなのです。
 天海春香が水瀬伊織が、そして北沢志保が喧々囂々と主張をぶつけ合い、これ以上なく緊張感を高めた上で土手→橋の逃亡劇(正直、可奈か春香が車に轢かれるんじゃないかと心配したくらいだ)その果てにある話がこんなにもくだらない理由だなんて誰が想像するだろう。
 こんなクッソ下らない理由であるにもかかわらず、765はおろかミリマス勢すら深刻な顔をしたままだ。
 志保なんかはここでブチ切れていいはずなんですよ。
『おい、天海春香よ! これが、こんなのが、お前が求めてた理由なんか!? こんなことをほざく阿呆のために貴重な練習時間まで裂いたんかい!? あと、そこのデブ! 人に散々迷惑かけた豚! 今すぐそこから飛び降りて死ね!』
 あの初期の伊織と千早をハイブリットしたかのような堅物なら情け容赦なく言ってのけるはずだ。
 どいつもこいつも、まるでとんでもない理由が飛び出したわと謂わんばかりに戦慄して言葉を失ってるあの瞬間、笑うべきなのか息を呑むべきなのか、僕は真剣に迷った。
 こんなオチにするのであれば、事前の緊迫はもっと緩やかで短くあるべきだろう。
 こんなに緊迫感を与えるのであれば、ゴシップ紙やその広告をたびたび挟んでみせた演出を利用してそっち方面でもう少しきつめの理由を持ち出してくるべきだろう。

 お陰で決め台詞『私は、天海春香だから』は前述のことも含めて完全に破綻する。

 後輩を信じ続けた結果クズだったけれどそれでも私は間違ってない! というゴリ押し台詞に成り下がった。
 早々に可奈を引きずり出して『こいつアホなこというてるけど、すげー迷惑かけたけど、やっぱりアイドルやりたい言うてんねん。だからな、もっかい一緒にやろう。ワシが面倒見るさかい、頼むわ。ほれ、お前も頭さげんかい!』とかやればもう少しこのセリフも心に響く名言になりえただろう。

 伊織が、『志保、春香は言いたい事を言っただけ。貴女も言いたいことがあるなら言うべきだわ』と言ったのは至極真っ当で、まともなのは彼女しかいないと喝采をしたものだ。
 あと志保ちゃん。
 君は全然謝らなくていい。
 君は正しい。

 パンフによるとシナリオについてはラフシナリオを監督が提示し、前半を高橋氏が、後半を(名言はないが)監督が書いたらしい。
 アニメ版アイドルマスターを一番知り尽くしているはずの人がこのようなシナリオを書いてしまった事が残念でならない。

 さて、ストーリー的な大問題を露呈しつつも物語は巡る。
 そう、クライマックスであるアリーナライブだ。
 
 M@STERPIECEはとんでもない名曲で、マイクを持って歌うというこれぞアニメ版アイドルマスターだと謂わんばかりのパフォーマンスは素晴らしいものだと思う。
 手書きのステージングはもはや喝采では足りない。
 だが待て、おや?

・なんだこの汚い3Dモデルは

 3Dモデルを使った事に関してはとやかくいうつもりなんてこれっぽちもない。
 3Dモデルが悪いんじゃない。
 出来の悪い3Dモデルが悪いんだ。
 出来の悪い3Dモデルの使い方が悪いんだ。
 引き(Longとかスーパーlong)でしか使わないとはいえ、その出来の悪さは手書きの出来の良さ故に悪目立ちする。
 極めつけはセンターステージに横一列になる3Dモデルを俯瞰するカット。
 お前何一つ誤摩化せる要素のない部分でこの糞モデル晒すとはどういうつもりなんだ? 輪郭がガタガタで、肩関節のおかしな、このうねうねうごく不気味の森を。
 挙げ句の果てに、ラストのメインステージでは3Dモデルのダンサー組をバックに手書きでグリグリ動く765勢が歌うのである。
 こんなもの悪夢でしかない。
 我々の愛するアイドルの後ろでいあいあはすたぁ! なのだから。
 
 アイドルマスターの一番肝心な部分であるステージがこれでは浮かばれない。
 正直、合宿ラストのGO MY WAY!!の方が感動した。
 M@STERPIECEに謝って欲しい。

 完全に余談だが、こんなステージを賞賛する皆を見て、ニコマス動画作る時もっと手を抜いておくべきだったとブルーになった。まぁ、プロとアマチュアを比べてはいけないし、そもそももう動画を作る事はないだろうからいいのだけれど、出来れば二度と足元すべってるとか囀らないで欲しいなぁとかなんとか。

 さて総括しましょう。
 ストーリーが致命的。
 ステージも駄目。
 そんな輝きの向こう側をどう評価するか?
 アイマスとして70点。
 映画として55点。
 あたりが妥当ではないだろうか。
 前半部分50点、後半5点に、アイドルとしての成長劇10点+雪歩の出番多かった5点。
 そんな感じです。
 もしも先にあげた不満点を解消しても90点だとは思います。なんせミリマス勢の名前をまともに覚えられたのが可奈と志保しかいないので。

 これだけボロクソいいましたけれど、いい所はいいアイマス映画だったとは思います。
 ストーリー的にはもうアニメ版アイドルマスター完結編と謳ってもいいくらいにやり尽くした感がある。
 もはやミリマス勢という新キャラを増やさないと話が動かない程に彼女らは完成してしまったわけで、それこそ輝きの向こう側へ走っていく彼女らの背中を見送る形で終幕……それでいいんじゃないかと僕は思っています。
 それを手放しで語れるはずの、アイマス熱をこれ以上なく燃え上がらせるはずの作品だった。
 だからこそもったいない。
 最後を飾る作品を手放しで褒められない事を僕は実に悔しく思う。



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他19件のコメントを表示
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今さら見に行った身ですが、概ね同意です
春香が走らないってのは何も行動ではなくて感情の部分でもそうですよね。可奈ともうちょっと会話の部分でぶつかり合っても良かったと思いますし、普通に考えてスクール所属の練習生が練習に全然出てこなくなったら事務所からスクールに連絡行くだろう…っていう脇の甘さも気になりましたね
まぁ、監督自体がアイマスに関してはどうもシリアスで重すぎるところまで突っ込まずにふわっとかわすタイプの印象なので致し方ないかもですね
ライブシーンはTV版の方が尺の長さとクオリティも良かったので劇場版ではそりゃねーよ以外何も無し
69ヶ月前
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私の思ったことをすべてまとめてくださってる感想です。
前半で彼女らの活躍ぶりと成長ぶりを見て、「ああこれが見たかった!」と感激していたところへの後半のずっこけっぷり…。
グリマス要素を入れなければならないという事情があったかもしれませんが、「私は765エンジェルズの(おそらく)集大成を見に来たはずなのに何故見知らぬ女の子のイラつくエピソードをグダグダと見せられなければならないの?」とはてなが沢山浮かんでしんどかったです。
加奈ちゃんのストーリーはさっさと切り上げてコンサートシーンを「コンサートの構成」として見せてもらいたかったなぁ…と残念な気持ちでいっぱいです。
69ヶ月前
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検索から来ました。
特典目当てに今回の劇場版を3度観てきました。

3回ともモヤモヤとした気持ちで映画館を出てきたところ、こちらの記事を拝見し、「私の感じたモヤモヤした気持ちはこういうことだったんだ!」といたく共感しました。

「太ったことが直接の原因ではない」っといった趣旨で熱弁されている方もいらっしゃいますが、それならあんな演出いらなかったですよね。それまでのシリアスさをぶち壊して「椅子からズリ落ちる」のに十分なサイテーな演出でした。

あんなパっと出キャラの話をダラダラながすより、さっさと春香が話をつけてラストのライブの曲を増やして欲しかった。そもそも無断欠席する研究生をかばい続けるのも共感できませんでしたが。
と、言っても、ラストのライブであの出来の悪い3Dを観せられるのとどっちがマシかという話ですね。

何人かの方に言わせれば私も「理解力」の足りない一人なのでしょうが、映画って観る側の人間が理解力を持って臨まなければいけないものなんでしょうか。
10人いたら10とおりの感想があって良いかと思いますが。

右にならえの賞賛の記事が跋扈する中、私の思ったことを言い表してくれている記事に出会えて爽快でした。
69ヶ月前
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私も、大体の映画なら面白かったと映画を後にするすことが多いのですが、正直いって劇場版アイマスは面白くなかったです。終わった時は、これで終わりかと首をかしげました。ストーリーがあまりよくなかったし、グリマスの子達は抜きでやって欲しかった。グリマスではなくアニマスを見に来ていたので、知らないグリマスの子に時間を取られるより765プロのアイドルを見たかった。かなちゃんが練習に来なかった理由もどんな重大なことかと思ったら、自分勝手な挫折。春香のサインを返す所も自分勝手。結局は全員に迷惑をかけたことは変わらないし、モバマスのきついこと言う子の発言の方が正しい。最後に申し訳程度のライブ、そこはもっと長くやってほしかった。
69ヶ月前
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3dの件だけ同意。
他は読解力不足と言わざるを得ないが、確かに単純なシナリオに見えて非常に複雑なので仕様が無いとも言える。
シナリオが複雑なことに対する批判はアリだと思うが、王道シナリオでこれほど視聴者によってどう解釈できるかが異なるアニメも珍しく…
69ヶ月前
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どんな感想書こうが勝手だけどこの映画を最高だと思ってる人に対して喧嘩売る必要ないだろ。
69ヶ月前
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>>30
禿同
68ヶ月前
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ほぼ同意見ですが。
もう、アイマスにこだわるよりもラブライブ!辺りに移っちゃった方が、
現在のアイマスファンの為にも良いかと思います。
現時点で頭ごなしに否定してくる人はアイマスよりは少ないく、ファンにまだ心の余裕があるので。
68ヶ月前
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検索からきました。
全て同意見ですね、前半の盛り上がりからグリマス勢との”不必要な”絡みがだらだらと1時間以上も・・・
PVで見る限りではジュピターのような位置づけで主役たちの影を支えるのかと思えれば、その存在はどんどん肥大し作品そのものを壊すような形に
世代交代を描きながら成長を書きたかったようにも思えますが、あまりに粗末な出来で残念でいました。

ひとえにこの作品を貶すつもりはないですが、エコノミーP様同様に映画一つとして見る分には不出来な物と思われます。
OVAなんかで売り出すレベルとしてなら文句は出ないんじゃないかなと思います。
64ヶ月前
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監督「単純に『そんな理由だったの?』と思ってほしかった。大事なのは太ったことではなくて、可奈や新人ダンサーたちが持っている弱さ。誰もが同情できる悲惨な理由にしてしまうとそれに対するケアと対処の話にすり替わってしまうので、ここはあくまで弱さからくる“些細な理由”にしたかった。」
55ヶ月前
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