都構想の対案って
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都構想の対案って

2015-05-08 13:56
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大阪都構想に賛成する人たちからは「反対ならば対案を出せ」という声がよく上がります。
これに対し「大阪都構想の危険性を明らかにする」学者有志の記者会見は「賛成/反対ではなく、事前に危険性を知らせる」インフォームド・コンセントという立場をとりました。
有権者たる住民が大阪都構想の危険性を知った上で賛成/反対すれば良い、ということです。
学術的には「問題外」であっても、価値判断の基準は人それぞれです。強制はできません。

「対案を出せ」という主張の無茶苦茶さも、ここにあります。
大阪の抱える問題は多岐に渡り、「個々の住民が何を問題とするか」は人それぞれです。
以前も書いたように、「大阪都構想」は漠然とした「ユメ」のようなものです。
橋下氏の説明もコロコロ変わり、人によって「何がどう良くなる」イメージは異なります。
「問題と解決策」の設定が曖昧なモノにたいして「対案を出せ」というのは無意味です。
曖昧なものに対する対案は「バカは止めろ」という歯切れの悪いものにしかなりません。
明確な議論のためには、「対案」とは「何についての対案か」を具体的に問うべきです。

「二重行政が問題」ならば、個々の案件を精査して役割分担を決めれば解決します。
「市職員の腐敗が問題」ならば、それこそ橋下市長が戦えばいいことです。
「市民の声が聞けない」ならば、意見を聞く仕組みを作ることができるでしょう。
「市の経済圏が狭い」ならば、市域の周辺に投資すべきであり、それは成功しつつあります。

様々な問題には、それに相応しい解決策があります。
そして、その対策が互いに矛盾しないよう、時間を掛けてすり合わせていくべきものです。
今回、行政学にとどまらず広い分野から集まった多くの専門家がそれぞれの立場で「大阪都構想」に対する問題意識を表明したのは、その第一歩としての意味がありました。

あまりに漠然とした「大阪都構想」では、個々の問題への対応が全く不十分だったり、逆に悪化させてしまいます。河田教授が防災面で「未熟だ」と評したとおりです。
今回の学者の指摘に対し、推進派からは「デマだ」という「漠然とした」反論しか出ないのは、彼らが個々の問題を詳しく考えていないからです。「大阪都構想」は範囲や区割りなどで迷走し、もはや明確な目的を見失っています。
そんな状態で、多種多様の問題に対する「相応しい解決策」を無視し(または「隠し」)、「都構想が通ればなんでも解決」するかのように有権者を"騙す"ことが問題なのです。

インフォームドコンセントという医療での言葉に合わせるならば、せっかく病気に適した薬があるのに、大して効かない万能薬(副作用も多い)を勧める医者は怠慢、あるいは詐欺です。

葛根湯医者」という小話があります。
これは「実は大したことの無い”万能薬”を一つ覚えで勧める藪医者」をネタにしたものです。橋下市長は「都構想」という効かない薬を「万能薬」のように市民に勧める「藪医者」です。
大阪市が特別区になっても一向に解決しない問題を前に、彼はこういうでしょう
「そりゃ、他の市が特別区になってないからだ。堺も特別区になったらどうだい?」
いつまでこの薮医者の言うことに耳を傾けますか?

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もし大阪都構想をやらないのならば、今の大阪で行くということです。
市民は大阪都構想をやった場合と今の大阪で行った場合のどちらの方が大阪の問題を解決できるのかを比べなければ、賛否の判断は出来ません。
だから大阪都構想の批判だけではだめで、今の大阪でいった場合にどうやって大阪の問題を解決するかという対案が必要なんです。
それがなければ市民は判断ができないんです。

もし大阪の問題が現状でも解決できるのなら、私も都構想は必ずしも必要はないと思います。
しかしながら、自公共産が民営化等の改革案に全て反対している状況で、どのように大阪の問題を解決しようとしているのかがわかりません。
総合区等の案もこれまで殆ど耳にしてこなかったので突貫工事の印象が否めません。

都構想の賛否はともかく、対案を出さないことを正当化するような姿勢は良しとされるべきではないと思いますし、そうしたことを主張されるような方々が本当に大阪を良く出来るのかは疑念を抱かざるをえません。
61ヶ月前
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コメントありがとうございます。
「今の大阪」ということですが、「大阪市」と「大阪府」で分けて考える必要があります。
また、それらの主体に対して「何が問題か」を明確にする必要があります。
これらが明確でなければ「何を、どうする」という対案は示しようがありません。
実際、大阪市の現状を一番良く知っているはずの橋下市長が、「大阪市の問題」を明確に提示できず「二重行政」などの曖昧な問題提起しか出来ていません。
ですから、少なくとも「大阪都構想は無用な混乱と税金の浪費だから止めるべき」という「マイナスを止める」後ろ向きの対案になってしまいます。

「大阪市」の「財政」や「衰退」を問題とした場合、橋下氏以前から財政は改善しています。人口も、平成17年以降は増加し、中央部では若者も増えています。
したがって、「大阪の問題が現状でも解決できる」ことを疑わせる格段の理由は無いと考えられます。

「大阪府」の場合、「問題がある」ことは橋下氏の「優良企業の社員です」を否定することになります。
実際、大阪府の「財政」は非常にキビシイ状態にあり、確かに「問題」です。
これは、「大阪都構想」では解決しません。
現在健全化しつつある大阪市を解体することで、都市圏全体の再建の核を失わせることになるからです。
仮に「特別区が大阪市と同等の成長力をもつ」とした場合(学者たちは否定していますが)でも、初期投資や移行期間の"無駄"を取り戻すのに多大な労力を要します。

また、「民営化」ですが、鉄道などの資産の売却は一時的な収入になっても「タコが脚を食う」だけで衰退を早めます。
「非効率なハコモノの売却」は現状でも可能ですし、「大阪都構想でそれが必要」ならばそれは「大阪"都"では効率化はしない」と、都構想の意義の自己否定です。

その他の「大阪市/大阪府」の「問題」について、橋下市長が具体的な問題点を提示できない一方で、今回の学者たちの指摘は具体的です。
河田教授の示された「防災が遅れている」などの問題点をまとめ、公共投資等で地元経済を活性化していくべきです。
その実行は、財政に余裕がある「大阪市」で牽引すべきでしょう。これらも「対案」となりえます。
61ヶ月前
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