アイドルとかの囲い込みと市場縮小
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アイドルとかの囲い込みと市場縮小

2015-06-21 04:59
    なんか、ネットのニュースでは「アイドルのスキャンダル」で盛り上がってたみたいですね。
    私は昔からアイドルにはトンと関心が無く、アイドルで騒ぐような歳でもなくなった今では何のことやらサッパリなわけですが、ただ、AKB48とかいうグループの売り方に将来の不安を感じていたので、ちょっと書きます。

    秋元康氏が「一山いくら」のタレントを集めた抱き合わせ商法をするのは「おニャン子クラブ」の成功体験から理解できます。そうして「アイドルを身近なものにした」ことは文化的な裾野を広げるという意義があったんだと思います。ビジネスとしては、「モーニング娘。」とかの成功から「優秀なビジネスモデルなんだろうな」とも感じます。
    放送技術や家電の進歩により「映画スター」から「テレビタレント」と、どんどんと芸能界が「身近なもの」になっていった時代の流れもあったのでしょう。その点で「先見の明があったんだな」とも思います。

    ただ、この「身近になる」ということは、物理学的には「エントロピーが増大する」ことで、全体的な「活力」は低下することになります。売り出し方だけでなく、人材供給の面でも「アイドル」の敷居を低くしたことで人数が増えすぎ、これも「エントロピー増大」です。

    この「活力の低下」を避けるため、アイドル文化を発展させるために、
    文化の裾野を広げる一方で、山を高くする努力は十分に為されてきたのか?
    と疑問に感じます。
    「山が高い」とは、「大スター」の存在です。
    今では、Youtubeやニコニコ動画で誰でも「アイドル」になれる時代ですが、同時にどんどん忘れ去られていきます。
    誰それの区別が付かないようなアイドルが量産され、似たような歌が繰り返し流される中で、次の文化を引っ張っていくような「大スター」が出にくいのじゃあないのかな?と心配です。
    「時代の流れ」と書きましたが、「エントロピー増大」は宿命的なもので、それに逆らって「山を高くする」のは、外部からのエネルギーを必要とします。
    つまり、努力や工夫を注ぐことが必要なわけですが、それが為されてきたのか?と。

    そして、AKB48には「総選挙」というシステムがあるそうですね。
    私は、「そこそこ可愛い女の子を集めて擬似的な『学級』をつくり、その中で擬似恋愛を提供する」というモデルには今更何も言いませんが、「総選挙」というシステムを初めて聞いたときに「うわ、えげつな~」と…うんざりしました。

    「総選挙」と出すことで、
    「どのアイドルが好き?」という「芸能界の中で」という意味を
    「どのメンバーが好き?」という「AKB48の中で」に摩り替えて(矮小化して)、
    芸能業界のリソース(ファン)を囲い込む意図があからさま過ぎました。
    どの業界でも「自分のシェアを伸ばす」努力は当たり前ですが、業界を矮小化させて独占を図ることは、その文化を殺すことになるのでは?と危惧しました。

    結局、秋元氏は「アイドル文化」を食い潰していっただけではなかったのか?
    そして、アイドルたちのスキャンダルを「炎上商法」に利用するのは、食い潰した残り物をしゃぶりつくす、最終段階に入ったのではないか?と思われてなりません。
    「投票券」を大量購入させるのも、もはや「文化」として崩壊していることの現れでしょう。
    秋元氏は2020年のオリンピックの演出に関わると聞きますが、2020年までもつでしょうか?
    また、秋元氏は世界中の観客に何を提供するのでしょうか?
    心配です。

    しかし、この秋元氏のやったこと、「身近なアイドル」を作り出して文化の裾野を広げた出だしは良かったとして、その後に何も生み出せず、市場を食い潰すだけの行為に留まったのは、彼だけの失敗ではないように思われます。
    今はどの娯楽業界も「ネタ切れ」で、リメイクなどで過去の資産を食い潰していく状態です。
    しかし、私は、人類のアイディアが枯渇したとは思えません。
    技術革新は進んでおり、新たな問題も見つかっています。
    少なくともSFネタには困らないはずですし、そこから生まれる人間ドラマもあるでしょう。
    娯楽業界の停滞は、消費者の萎縮に関連しているのではないかとも思います。
    お金が無いから冒険できない、縮んでいく市場で生き残るためには「囲い込む」しかない…
    そんな生存戦略が停滞を生んでいるのかもしれない、と。

    私はエンタメ産業に関わったことはありませんが、企業の研究所で働いていたときに先輩から昔話や愚痴を聞かされました。
    バブルの時は、製品が黙っていても売れるので、研究所は好きなことにチャレンジできた。
    不景気な今は、営業からの「コストカット」で粗悪な材料でやりくりする方法を探るだけだ。
    こんな感じです。
    エンタメ業界も似たような状態になってるのではないかなあ…と思えたわけです。
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