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フルダイブのゲームで…

2015-09-20 05:53

    オーバーロード」ってアニメを観てます。外界と常識の異なる異形たちの強い仲間意識が「アダムス・ファミリー」を思い起こさせホッコリしますし、ヒドインもイイ感じです。
    主人公の「未知の世界で慎重になってる様子」とか「ゲームをやりこんでいたことの説明」も良いですね。「理詰めでいく」感じ。アインズ様のアゴの骨格からも昔読んだ「カイジ」的なモノを思い起こさせます。今週の「戦闘は始まる前に終わっている」とか、特に。

    ところで、アインズ様って「人間が転移した」のではなく、人工知能(?)なんですかね?
    サービス終了までヘロヘロさんが「ちょっと眠すぎて」と現実の肉体を引きずっていたのに、異変の後はアインズ様は睡眠も食事も必要ないなど「元の肉体」に依存しない存在
    異世界への転移を例えば「具現化を可能とする異世界の魔法の根源とゲーム世界の高密度な情報が共鳴し、超大規模な”具現化”が起きた」と説明するにしても、端末につながれたプレイヤーの肉体まで転移するのは説明が難しいのでは…まあ、小説ですけど。
    また、自分の心の中に魔法の情報をもっている、感情が制限され思考がアンデッド寄り、剣を持てない不自然な能力制限など、他のNPCがキャラ設定とゲーム当時の記憶を引き継いだ「自我」をもつ存在になったのと同様、主人公もゲームのキャラをベースに「鈴木悟」という”設定”と記憶を引き継いだ自我が生まれ、「元人間である」と思い込んだキャラであることを暗示する描写もあります。

    こういうネタでは「スワンプマン」という話が、また、「どこでもドア」とかが有名ですが、サービス終了時にプレイヤー鈴木悟が「ああ、終わっちゃった。寂しいなあ」と布団に入ったのと並行にゲーム内で鈴木悟の記憶をもったモモンガさんが「あれ?ログアウトしない?」と慌てていると考えると「自分って何だろう」って怖くなりますね。
    もし原作のネタ的にそうならば、それはいつか作中で明らかになる可能性もあるわけで、アインズ様の自我がどうなるか。異変に気が付いたときの「元の世界に帰るべきか」という自問への答えでもありそうです。原作は未読ですが、まだ半分程度ということで、楽しみです。

    それとは別に、この「フルダイブで別世界を堪能」ゲームネタ、古くからあるものの、最近になって多いようですね。バーチャルリアリティ(VR)技術の発展で創作ネタとして熟成してきたのでしょうか。専門の学会もあるようで、技術が進み、実現出来たら楽しそうですね。
    部屋の中に別な場所の映像を投影したり、ゴーグルで映し出したり、視覚的には別世界に行くことは現在の技術の延長として可能だと思われます。
    また、聴覚はヘッドホンで可能ですし、触覚味覚にもバーチャルな情報の入力は可能なようです。嗅覚は…どうでしょう?嗅覚のセンサーはかなり奥の方にあるので刺激が難しいかな?様々な香料を調合するというアイディアはあるようですが。まあ、錯覚も使えるようです。
    そうすると、「バーチャルワールドに入り込む」ことは、意外と早く実現できそうですね。

    でも、「バーチャルワールドで行動する」のはどうでしょうか?
    普通の人間(軍人や犯罪者だとしても)として行動するのは、まあ、行けそうです。
    でも、「オーバーロード」に出てくるような超人的能力の再現はどうでしょうか?
    単純な「重いものを持ち上げる」ことは簡単でしょうが、技術面の再現です。
    仮に「私はレベル100の戦士だ」という設定が与えられ、肉体のパラメーター的にはそれ相応であったとしても、プレイヤーである”私”は運動音痴、戦いの素人です。いきなりF1マシンに乗せられた運転未経験者のように、力を持て余すのがオチじゃないでしょうか?
    マトリックス」では仮想世界の学習プログラムで”I know Jujitsu.”とか言ってテクニックを高速で学んだり、現実の肉体的な制約に縛られないと説明されますが、やはり「情報を処理するのは自分の脳」という制限は付きまといます。だから主人公のような特別な人間が必要とされるわけです。
    自前の脳で処理する問題は、同じことが「天才」設定のキャラでも起こりえます。天才キャラの考えとプレイヤーの考えは速度も内容も異なります。「あなたは名探偵」という設定でも、いきなり名推理がひらめくわけではありません。

    キャラのハイスペックな部分はゲームシステムの一部として人工知能が代行し、プレイヤーの意思とは別に勝手に手が動いて敵を倒したりするんでしょうか?
    知能系のスキル、例えば「レベル100のシーフだから罠を見破れる」とかも、人工知能の方で「罠があるぞ」と教えてくれたり。
    現在のゲームでは、選択肢を選ぶとキャラが勝手に話を進めることは、よくあります。
    しかし、「フルダイブ」では「自分の腕が勝手に動く」ことに違和感は生じないでしょうか?「それは仕様です」と慣れるものでしょうか?
    催眠術である行動を取らされた場合(後催眠暗示)、本人は不自然な行動を正当化する口実を作り出すことはよく知られています。催眠でなくとも自分で自分に嘘をつくことはあります。
    ゲームで「腕が勝手に動く」のを「自分の意思」に記憶を改ざんすることも可能かも。
    「記憶の改ざん」では、最近「人工的な記憶の植え付け消去」が実験的に確認されました。これを利用すれば「名探偵のひらめき」を「自分で考えた」ように感じるかもしれません。
    まだネズミレベルの話ですが、やがては人間に応用可能になって「自分の脳を超えた行動」も何とかできるかもしれませんね。

    でも、ヘロヘロさんが「眠すぎて」と退場したように「肉体の制限」はリアルタイムです。
    トイレに行きたくなったり、お腹がすいたり。
    そもそも、実社会で働いている人がゲームに没頭できる時間をとることも難しいでしょうし、ゲームのストーリーでは何日間、あるいは何年間もの継続を要求されることも考えられます。逆に「加速そーち(カチッ)」とか、その極限の「時間停止の間に行動する(無駄無駄…)」のような、他のキャラとの体感時間の差もつじつまを合わせることが必要です。

    そうすると、未来の「フルダイブ」ゲームって「記憶を買う」ものになるかもしれませんね。会社から帰って「昨日の続き」と、自分の行動パターンを模した人工知能のキャラが何年間も冒険した記憶をダウンロードして、オンラインで冒険者仲間と「あの時は大変だったね」と「共通の記憶」について語り合う、そんな楽しみ方です。
    一晩の間に数年間の”記憶”が生まれたり。「マトリックス」のような高速学習が可能になればそういう使われ方をするんじゃないでしょうか?

    例えば、ゲームはこんな感じです。
    (1)最初に「トレーニンググランド」でしばらく行動し、人工知能に「自分らしさ」を記録
    (2)チームを作り「集会場」でクエストを選んで冒険スタート。プレイヤーはログアウト
    (3)冒険は、人工知能が進める。クエストが終わるとプレイヤーに連絡
    (4)現実で時間が空いたときログインして、集会場の仲間と冒険の記憶を語り合う
    (5)「時間停止中の行動」などは、該当するプレイヤーに差分の記憶として送られる
    自分の行動パターンを模す人工知能の精度が「自分らしいシステム」と売りになったり、ゲーム中の人格が本当の人格になっていく教育効果もあったり。
    そうなると、ここでもまた「現実」って何?「自分」って何?という問題が出てきます。
    「一炊の夢」とか「胡蝶の夢」とか、昔からの疑問が「哲学上の問題」ではなく普通の人の「実生活」に突き付けられます。
    向こうの世界では数百年の時を生きる不老不死の英雄、こっちではくたびれたサラリーマン。
    夢と現実の差が分からずマジに精神病む人も出てくるんじゃないかな?
    そういう問題を避けるために、ログイン時は記憶は明瞭で再現も可能だけど、ログアウト時には「明らかに虚構」と分かる曖昧なものになり「楽しさ」が残る、とか。

    うーん、難しいです。
    そういう問題を解決するために、小説とかアニメとかで「こういう世界になったら」をシミュレーションすることが必要なんでしょう。VRのように科学技術の発展は創作に新たな夢をもたらしますが、逆に「アトムへの夢がアシモを」と創作物が科学技術を引っ張っていくことも多くあります。だからこそ、科学の発展には文学が必要であり、「心を忘れた科学には幸せもたらす夢がない」ことを再認識することが必要だと思うのです。


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