維新の会と「クライメートゲート」
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

維新の会と「クライメートゲート」

2015-10-19 03:02
  • 1

最近の維新の会の騒動、「給料返上しても」「削ること」しかできない橋下氏を見て
自民党に担がれて大阪府知事になって、大阪市と対立して市長になり、引退するはめになり、
石原慎太郎氏らに担がれて国政政党立ち上げたけど、乗っ取られ、顧問になるも追い出され、党自体も解体を繰り返して「おおさか」ローカル(?)政党に成り下がってしまったという
言うことは大きいけど、やることはどんどんショボくなる橋下徹という政治家の限界について書くつもりでした。

しかし、昨日、「大阪都構想」騒動で確執があった藤井聡教授について「大阪維新の会」から藤井教授の出演される番組で政治的公平に問題があるとしてBPOに調査の申し立てがあったということで、そっちの方に興味がわきました。
橋下氏は、藤井教授がらみで以前も番組に「自粛要請」をしていました
朝日放送が「自粛要請」に取り合わなかったため、今回は「BPOの調査」へとステップアップしたわけですが、これ自身は「選挙対策」の流れでしかありません。
しかし今回は、大阪維新の会が”何らかの方法で”藤井教授の私信(とされるモノ)を入手し、その内容をもって「自民側の公約が優位に放送されるよう働きかけた」と「不公平の根拠」を明示していることが異なります。

ここでまず、私信を第三者が入手し公開することは、藤井教授が指摘されているように違法であり、プライバシー権の侵害です。大阪維新の会はこれがたとえば内部告発である等の正当性を主張して、公党としてメールを入手した手続きを明らかにすべきでしょう。

で、「不公平である」根拠となるメールの内容ですが、私には「自民側の公約が優位に放送されるよう働きかけた」問題があるようには見えません。これはむしろ藤井教授が説明されているように公平な内容になるように」修正された、という話だからです。その結果、「自民側の公約が優位に放送される」ならば、それは大阪維新の力不足ということです。
力の差があるものを「差がない」ように見せることこそ「不公平」で視聴者への裏切りです
以下、パネルを修正した理由とされている部分について、それが不公平な意図によるものかをみてみます。

まず、一つ目、
「大阪会議がしょぼく見えてしまうから、出来るだけ対比させないこと」は公平です
大阪都構想というのは内容のない大風呂敷であり、大阪会議という地道な取り組みが「しょぼく見える」のは当たり前だからです。「大風呂敷」と「地道な取り組み」をそのまま並べることは「公平」ではありません。
そして二つ目、
「都構想しかないんだ、というところを白日の下にさらす必要がある」も公平です
大阪維新には都構想しかないというのは事実です。事実を晒すことは不公平ではありません。
それが結果として大阪維新に不利になったとしても、それは大阪維新の力不足です
そして三つ目、
「政権与党の強みと地域連携」を強調することも公平です
居酒屋談義ではないのです。「言うだけならタダ」では無責任です。視聴者には実現可能であるかの判断材料が提供されるべきです。特に「副首都」など全国的な設計には「おおさか維新」という国政政党が必要であり、それは橋下氏自身が認めています。しかし、「おおさか維新」は結党も延期されるなどあやふやな存在であり、現時点では党自身が存在しません。そんなものに頼らざるを得ない政策の「弱さ」は「公平な判断材料」として視聴者に知られるべきであり、それも大阪維新の会の責任です。

そして、当初スタッフが作成したというパネルですが、
「維新:副首都とIRで「国際エンターテーメント都市」&都構想」
の”副首都も統合リゾート(IR)も「実現したい」目標です。
そして、そのための手段として都構想という手段(実際には手段にならないが)があります。ただし「都構想」では手段として曖昧すぎるため、行為の主体として政党名を挙げています。
だから
「副首都とIRで「国際エンターテーメント都市」←これを都構想+おおさか維新の会で実現」
と、「目的←手段」という図式に表された、というだけのことです。
この修正は、目標と手段を明確にしているだけで、公平な修正・改善です。
公平である証左として、自民側も同じように
「自民:リニア交通網で「近畿メガリージョン」 & 大阪会議」を
「自民:リニア・交通網で「近畿メガリージョン」←これを与党の力+地域間連携で実現」
と変更されたそうです。
「都構想+おおさか維新の会」と「与党の力+地域間連携で実現」とを比較し、実現可能性についての情報を与えることは、選挙を控えた視聴者にとって必要なことです。

追記1:さらに言えば「副首都」は様々な政策と都市の発展により考慮されるべきもので、最初から「目的」とすることは過大です。また大都市間の行き来を可能にするリニア・交通網も副首都構想には必要で、目標「副首都」はむしろ自民側に設置してもいいくらいです。
追記2:実際の放送では「副首都とカジノで「国際エンターテーメント都市」←これを都構想+おおさか維新の会で実現」という表現であったという情報が出回っています
大阪維新の会が提示した、いわゆる「藤井教授の私信」では、藤井教授による修正として「カジノにした」ということは出ていません。これがネットで無責任に言われているように「藤井教授からの成果報告」であるのなら「カジノという表現に貶めた」ことを漏らすはずがありません。したがって、「カジノ」という表現にしたのは番組側の判断でしょう。そして、その表現は「不公平」とは言えません。橋下氏自身が何年も前からカジノにこだわり、「カジノを含めた統合型リゾート」と表現していました。

その他のメールの内容は、自民候補を応援する上のアドバイスであり、番組とは関係ありません。そして、そもそも「番組のコメンテーター」には「公平である」ことは求められません
それを求められたら政治家などの出席は不可能になりますし、討論番組も成り立ちません。
番組の構成としてバランスがとれていればいいわけです。
メールの内容からもパネルの修正は「藤井教授(とされる)個人の考え」であり「自民党候補からの依頼」とは言えません。一コメンテーターとしての「藤井教授個人の考え」は番組の中で相対化されればよく、対立候補からの依頼でもないならば、「藤井教授が大阪維新の対立候補寄り」としてBPOに申し立てるべきものでもありません。

以上、藤井教授によって番組のパネルが修正されたとされる”問題”について、その内容が”問題ではない”ことを書きました。
しかし、案の定というか、ネットでは「問題の内容」よりもそれを捻じ曲げた「個人の人格攻撃」が始まっています。そもそも「調査を依頼」である「不公平さ」が「確定したもの」とされ、そこから自民候補までの攻撃材料とされています。
著名人でも
「工作が発覚した」
「この藤井という京大教授は二度とテレビに出てはいけない男だ」
「何の覚悟もないただの大学教授がバカにするような行動を」
などと、不確かな情報をもとに酷い侮辱に当たることを断言しています
この「長谷川豊」氏(すみません、私はアナウンサーをよく知りません)の断言について藤井教授は抗議をされていますが、それ以外にもこの長谷川氏は「キャスターの立場」と「コメンテーターの立場」を混同した詭弁を使っています。これが意図的であるのなら、長谷川氏こそが「公平さを欠く」立場ではないでしょうか?

ここで私が「案の定」という表現を使ったのは、私が長年懸念している地球温暖化問題についても「クライメートゲート」と俗に呼ばれるメール流出事件の前例があったからです。
まじめな学者のメールがハッキングされ、その内容を歪められ、他の関係ない話題と結び付けられ、無責任なブログなどで騒がれた結果、学者は脅迫さえ受けました。
調査のために責任者が一時職を離れると「やはり首になった」と騒ぐありさまは、今回の出演取りやめと全く同じです。
なんというか、「大衆を扇動するパターン」なんですね…
しかし、気候学者たちはメゲませんでした。着実にデータを積み重ね、論理を重ねて自らの正当性を証明しました。
今回、維新の会というトンでも集団と無責任な大衆の攻撃に(真っ当であるがために)晒されている藤井教授に安全な立場から「めげないで」というのは、あまりにも酷な話です。せめてもの力となるべく、この記事を書きます。

なお、「クライメートゲート」で騒いだ人たちは、疑惑が晴れた後もそ知らぬふりで「デマを巻き散らかした自分の責任」を取ろうとはしません。しれっと別な話題に逃げています。
まったく「恥を知れ」と思います。しかし、責任を放棄した「大衆」にとって「知らぬふり」でいることは「権利」であり「恥」ではないのです。「悪いことはすべて他の誰かのせい」で生きているのが大衆です。逆に言えば、「その責任を明らかにすること」こそが大衆をまっとうな「市民」とするための一つの解法なのでしょう。

2015/10/20
-「メール」が実際に「藤井教授の私信」であると断言しているようにとられる可能性を考慮し、「いわゆる」や「とされる」などを補足(コメント欄参照)
-「コメンテーターの立場」のカッコ位置を修正


広告
×
念のために書きますが、この記事は大阪維新の会による申し立て書にあるメールが実際に「藤井教授のメール」であると断言するものではありません。
あくまで「大阪維新の会が提出した『藤井教授のメール』と言われるモノ」の内容について、その公平性を論じたものです。
大阪維新の会自体が「メール」について
「信頼し得る者から入手した物であり、その者の立場、入手経路、その内容からして、真実の物と考えられるが、当会の裏付け調査にも限界がある」
と、判断を保留し、調査を依頼している以上、現時点では「怪文書」です。
したがって、この内容を藤井教授と直接結びつけることは不適切であり、この記事でもそうしていません。
本文中では「藤井教授の」とカッコでくくっていますが、「維新の会の申立書にある、いわゆる~」という意味合いをもたせました。(2015/10/20 念のため「いわゆる」と記事を修正しました)
また、公党による申立書として公開された文書ではありますが、それが「私信である」という前提のものである以上、この記事での引用は藤井教授がご自身のサイトで公開されている部分に止めました。
この記事を紹介あるいは引用される方がいらっしゃいましたら、これらのことをご配慮いただければ幸いです。
56ヶ月前
コメントを書く
コメントをするには、
ログインして下さい。