10月某日 晴れ 午前10時 都内公園
芝生の広場が見渡せるベンチで、かれこれ15分くらい何もせずダラダラしている。コラムを書かねばならない。
秋の太陽は程よく燦々と輝き、照らされた身体は衣服越しでも、しっかり熱を帯びてきている。
日光をきちんと浴びるのはいつぶりだろう。
家を出て、ひとたび電車に乗ってしまえば、そのまま、窓もない劇場で1日中過ごす事になる。昼公演の後は太陽が沈んでいるし、休演日に良い天気だった記憶もあまりない。
という事で、エリザベートが無事に開幕し、日々、公演を積み重ねる事が出来ております。皆様の応援あってこそです。どうもありがとうございます。
ここまで書いたところで出勤の時間となりました。
行ってきます。
ーーー本番ーーー
行ってきました。
公演が終わり、同じ日の17時 同じ公園に来てみた。
コラムを書かねばならない。
何も浮かばない。
お腹がすきすぎて何も考えられないことがわかった。
ご飯を食べてみる。
ーーー食事ーーー
今度は、お腹がいっぱいになり、眠すぎて何も考えられない。
コーヒーを飲もう。
さて、やっと頭がはっきりし始めた所で、再開する。
まずはこの「エリザベート」という大変な作品を開幕できてほっとしている。
稽古期間中は、2020年版のクオリティを求められる瞬間が多かった気がするが、今となっては確実に2022年版の方が優れた面が多い様に感じる。
皆、日々、それぞれの課題を見つけ、向き合っている。
「エリザベート」は普通のミュージカルでは無くて「祝祭空間」であると、かつて言っていたのは井上芳雄さんだっただろうか。
今ではその意味がよく分かる。
毎公演、帝国劇場の空間を満たす言いようの無い圧力は独特のうねりを持っている。
作品を観るというより、浴びにきているお客様が多いような雰囲気だ。
さながら、インドのガンジス川のように感じる。(行ったことないけど)
ガンジス川に沐浴に来て、その日の川のオーラを全身に浴びて、何かを心で掴み取って帰って行く。ガンジスの民はガンジス川自身よりガンジス川の事を知っているのだろう。
実際のガンジス川も生と死を静かに見守る。
奇遇にもエリザベートの持つテーマと似ている所があるのかも知れない。
初日公演の話をしよう。