2015年07月03日発行
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┃入江悠presents┃僕らのモテるための映画聖典    【号外】怒りのデス画伯号
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 「全国のシネコンはスクリーンの一つを恒久的に『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
 に明け渡してほしい。疲れたり元気がない時行くから」
 そう言ってのけるのは、映画・狂人画報でおなじみの佐藤圭一朗画伯。
 編集担当のミスで「世紀末映画特集号」未掲載となってしまってレビューならびに批評を、号外でお届け!
 『マッドマックス』ファンならびに狂人画報ファンのみなさま、お待たせしました!

 What a lovely day!

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映画監督・入江悠と仲間たちがすべての映画を愛する人へ贈る
「映画を観ればモテる!」を追求するメルマガですが、
号外として執筆陣のひとり、佐藤圭一朗画伯特集号をお送りします。

〓【 I N D E X 】=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=

【 01 】ボールペン画伯・佐藤圭一朗怒りのデス・ロード概論「はじめて『マッドマックス』を観る方へ」

【 02 】ボールペン画伯・佐藤圭一朗が『マッドマックス 怒りのデス・ロード』を採点「画伯の☆マッドレビュー」

【 03 】ボールペン画伯・佐藤圭一朗の1コマ劇場「映画・狂人画報」

【 04 】編集部より

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■【 01 】佐藤圭一朗怒りのデス・ロード概論「はじめて『マッドマックス』を観る方へ」

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 きっかけは僕モテPodcast「シアター野郎 劇場一番星」の収録。
 『マッドマックス 怒りのデス・ロード』をテーマに語る回に、無念の不参加となった画伯に、
 わたし・編集担当が軽い気持ちで、

 ※
 今夜の収録にあたって、「マッドマックスとはなにか?」
 を、もし可能であれば手短に教えてもらえたら、なおありがたいです。
 ※

 というメールを送ったところ、返ってきたのが今から読んでいただく文章。
 映画を読み解く一助として、ぜひ! (編集)

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 『マッドマックス 怒りのデス・ロード』は
 世界中に分布する死後の世界(黄泉の国、冥界)からの脱出の説話を文明レベルでやった映画です。
 ヒーローもまた死者です。
 子持ち女(新しい命)を脱出させるために餓鬼(ウォーボーイズの群れ)からの逃走を手伝う話です。

 冒頭、要塞から単独で脱出しようとするマックスに餓鬼がしがみつき再び黄泉に引きづり込まれますね?
 水から這い出る餓鬼の群れとクレーンに飛びつくマックスの絵ヅラで
 芥川龍之介の「蜘蛛の糸」を思い出した人は私だけでしょうか?
 黄泉の国は己だけ脱出する事はできません。
 罰として餓鬼の輸血袋にされたマックスはフュリオサとの出会い、共闘を以て初めて脱出できます。
 ネタバレになりますが黄泉の国(要塞)への再突入を決意する第三幕からはアクション映画が神話を超える瞬間です。
 神話はだいたい脱出するとこで終わります。
 しかし脱出した世界もまた人間自らが壊してしまった現代の神話はそこでは終われません。
 文明そのものを古き人間の手から取り戻す劇的行動がマッドマックスを神話以上のアクション映画に盛り上げています。