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俳優・渋川清彦が主演した映画『下衆の愛』は、渋川演じる自主映画監督のテツオをはじめ、インディーズ映画界の底辺に巣食う下衆な人間たちの欲望や葛藤、そして爆発しそうな映画愛を描く人間ドラマ。女優を自宅に連れ込み、名ばかりの映画監督テツオが才能豊かな新人女優と出会ったことで、新作映画の撮影に向けて奔走する夢と挫折のストーリーだ。渋川自身、「男として最低だとは思いますが」というテツオだが、どこか憎めないキャラクターになっていることもポイント。その理由を含め、この映画に対する想いを聞いた。
――映画業界関係なく、普遍的なメッセージがある映画だと思いましたが、主演として本作には、どういう想いがありましたか?
作品について監督とよく話したんですけど、最初はテツオ寄りの物語だったんですよ。でももうちょっと、他の人たちのボリュームを上げていくことにしましょうと。で、完成した映画を観たら全員のキャラクターが立ちすぎちゃった印象を受けましたが(笑)、それはそれで、この映画の世界観を表しているかなって思いましたけどね。
――テツオという男は同じ男性として、どう受け止めて演じましたか?
映画監督って、自分が生きている場所では一番身近な存在で、この一個前の作品でも映画監督の役を演じているんですよ。で今回は、こういう若い女優をたらしこんでみたいな下衆な監督で(笑)。そういう人って実際にいるんでしょうけど、そういうの、一番カッコ悪いと思っていて。まあ、そういう人もいるかなって思いながら演じましたけど。
――下衆な野郎を演じる上で、何か意識していたことはありますか?
下衆に見えるようにとは、あえて意識していなかったですね。ただ、ちょっとテツオみたいな下衆なことって面白そうだなって気持ちも、どっかにあったんですよ(笑)。下衆な何か力を駆使して女とやるとか、ちょっといいなあとも正直思いましたよ。でも、自分には関係ない話だからで、男として最低だとは思いますが。
――ただ、渋川さんが演じると、下衆野郎でも、どこか救いがあるように映りますよね。
それたぶん、自分の性格も関係していると思うんですよ。自分の中で勝手に、本当に嫌な奴に見せたくないという想いがあるのかもしれない。監督に言われれば方向性は変えますけど、最低な奴んだけど本当に最低に見えるか、そうじゃなくて、ちょっと憎めないような存在にも見えるか、そういうバランス感覚はいつもありますね。
――最後になりますが、映画『下衆の愛』を待っているファンに一言お願いいたします!
ファンタジーとして観てもらったらいいと思いますね。現実にある話かもしれないし、ないかもしれない。自分は、こういう監督やプロデューサーを生で観たことないので、そういうこともあるのかなって感じで演じていましたけど、そういう感覚で観てもらえたら。ポイントで面白いキャスティングもしてるので、そこも観てほしいですね。
映画『下衆の愛』は、2016年4月2日(土)より、テアトル新宿ほか全国ロードショー!
(C)Third Window Films
■参照リンク
『下衆の愛』公式サイト
http://www.gesunoai.com/
RSSブログ情報:http://news.aol.jp/2016/04/02/gesunoai/