広く親しまれているディズニー/ピクサー映画の中でも日本での興行収入が史上No.1の110億円を記録した人気作品『ファインディング・ニモ』(03)。子供たちのあいだでは「カクレクマノミ=ニモ」という共通のイメージが生まれるほどに社会現象となった。そんな大人気シリーズの新たな冒険と感動を描く『ファインディング・ドリー』が7月16日(土)に公開される!この度、ピクサー歴20年以上のベテラン日本人スタッフが本作の魅力を語った。
前作『ニモ』から、ピクサーではアニメーションを制作するための4つのソフトウェアのうち3つが新しくなった。技術の進歩によってキャラクターの動きや光の表現がより繊細になったその一方で、ニモやドリーが見せた愛くるしい表情は前作と変わらず楽しめるよう心掛けられたという。そう明かしてくれたのは、『トイ・ストーリー』が公開される前からピクサーで働き、今年で勤務21年目となるベテラン日本人スタッフ・小西園子さんだ。
『ファインディング・ニモ』で大冒険を繰り広げたカクレクマノミのニモ。本作はニモの親友ですぐに何でも忘れちゃう"忘れんぼう"のドリーが主人公となっている。そんなドリーはたった一つだけ忘れない《家族の思い出》を思い出し、ドリーとニモとニモの父マーリンは、ドリーの家族を探しに再び大冒険の旅に出る。そして、ドリーの小さかった頃の大切な思い出が隠される人間の世界(=水族館)へと向かうのだった。そんな人間の世界でドリーが行動を共にし、ストーリーの鍵を握るのが、新キャラクターであるタコのハンク。そして、このハンクにピクサーの新しい技術が見ることができる。
ピクサーでは、 キャラクターや彼らの動きを作る"プレスト"というシステムが使用されている。2011年から使われるようになって以来、常に改革が続き、登場人物たちのあらゆる動きを生み出している。小西さんは「"プレスト"を駆使した『ファインディング・ドリー』の注目ポイントは、何といってもハンクの触手!」と語る。実は、自由自在に動く触手のアニメーションはとても難しいと言われ、『モンスターズ・インク』(2002)の主人公サリーには元々触手がある設定だったが、それを断念した理由の一つが触手のアニメーションの難しさだった。しかし、本作ではハンクの触手がしなやかに動き、「ハンクの吸盤が水槽にくっついたり離れたりする瞬間はとても爽快なんです!」と小西さんも力説するほどの出来栄えになっているのだ。
そうしてアニメーションの質がパワーアップする一方で、キャラクターたちの豊かな表情は前作と変わらないように心掛けられているそうだ。小西さんは「『~・ニモ』で見せたキャラクターたちの表情を変えないように、アニメーターたちは昔の映像を見ながら何度も表情を確認しました」と、前作と変わらぬ魅力を届けようとしたと明かしている。ドリーのとぼけた顔やニモの可愛い笑顔は、最新作でも健在となっているのだ。
前作からパワーアップしたキャラクターの動き・水中の美しさと、変わらないドリーやニモたちの豊かな表情は、『ニモ』以上に子供も大人も魅了すること必至。今まで感じたことのない驚くべき冒険と、家族や友情の大切さを描いた感動のストーリーに要注目だ。
映画『ファインディング・ドリー』は7月16日(土) 全国ロードショー
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■参照リンク
映画『ファインディング・ドリー』公式サイト
Disney.jp/Dory
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