今年に入りデヴィッド・ボウイ、プリンス、イーグルスのグレン・フライなど大物アーティストの訃報が続いているが、オーストラリアの心理学者、ダイアナ・ケリー教授のチームが、「ミュージシャンたちが一般人の比べ、約25歳早死の傾向にある」という研究結果を発表した。
1950年から2014年の間に死亡した有名ミュージシャン12,655人の生活と死亡原因などから統計をとり、一般人と比べても明らかに事故、自殺、殺害される率が高いとしている。
さらに有名ミュージシャンやロックスターと言われる人たちの事故死の率は、一般人に比べ5~10倍にa
たり、平均寿命も一般人よりも20年近く低い。70年間のロック、ポップの歴史において彼らの寿命はアメリカ人の平均寿命より25年も短いことになる、としている。
特に際立つのが自殺率と殺害される率の高さで、やはり一般人の2~7倍、殺害されるのも8倍と異常な数値を示している。
ここまでの数値に肯定的なものは少ないが、一方で27歳を超えると比較的長生きだということも指摘しており、ジミ・ヘンドリックス、ジャニス・ジョップリン、カート・コバーン、ローリング・ストーンズのブライアン・ジョーンズ、ドアーズのジム・モリソンら27歳で死んだ伝説的ミュージシャンの総称「27クラブ」にも合致する。
ケニー教授は「若者にとって音楽業界は非常に危険な場所で、ストレスが多く、うつ病に苦しんでいる場合のサポートが必要であった」と指摘。「ドラッグや性の乱れなどの不安定な環境にのめり込み自殺するなど、若くして死ぬことが、ミュージシャンたちがお互いの自殺、うつ、薬物乱用などの広がりをコントロールできない状況を助長しているのかもしれない」とも説明している。