柳楽優弥、菅田将暉、小松菜奈、村上虹郎という若手キャストたちが、バイオレンス全開で光輝く『ディストラクション・ベイビーズ』。AOLニュースでは、ケンカに明け暮れる狂犬のような男・芦原泰良役の柳楽にインタビュー。「遊び心を持って本気で挑める作品。そういう作品にいつも出会えるわけではないので、今回は存分に楽しませていただきました。仕事している感覚はなかったですね」という演技派が、本作に込めた想いと覚悟とは――
――強烈な映像が続く意欲作に感じましたが、撮影に入る前、俳優として何が一番楽しみでしたか?
こういう作品は最近、観ないですよね。映画を作っている時に、いろいろなキャストの方と食事などをするなかで、「こういうものを観たかったよね」って思う作品を作ろうという気持ちでいつも作っていますが、観た後に「ああ、これこれ、観たかった!」と本当に思えました。そのために頑張ろうという話はよくしていました。
――いま、最旬の若手キャストが集い、ここまで衝撃的な内容の映画が誕生するとは、予想外のファンもいたと思います。
こういう内容なので、もちろん好き嫌いがあると思うんですけど、内容に関しては監督(真利子哲也)が数年間情熱を注いだもので、僕たちがそこに関してどうこういうことはないんです。それよりも仕上がった時、これだけわかりやすい作品が多いなかで、若干のわかりづらさとともに考えなきゃいけないような映画になってほしくて。しかも豪華キャストでやるという状況は、めったにないので。
――皆を引っ張る座長として、狂犬のような存在感を映像の中で発揮していましたね。
そこは主演として、ブレずにいこうという気でいました。内容はハードなんですけど、情熱を持って、遊び心を持って本気で挑める作品。そういう作品にいつも出会えるわけではないので、今回は存分に楽しませていただきました。仕事している感覚はなかったですね。やれてよかったです。
――セリフがほぼなかったですが、監督の演出を頼りに演じましたか?
それこそ監督は、「楽しければええけん」「いままでみたことがないような立ち上がり方をしてください」「この世のものではないような」とか、ザックリなんですよ(笑)。俺のイメージ力が問われそうで、毎回挑発をしてくる。それはある意味、やりがいがありました。でも、信頼関係もあったと思います。
――ケンカのシーンの撮影前とか、どうやってテンションを上げましたか?
大変でした。朝イチでケンカをする日もあったので、ついていけないですよ。でも、アクション部さんが気合いバリバリで教えてくれので、そういう仕事を見ていると、やばい、早く起きなきゃみたいな気分にはなりました。前半は慣れなくて、でも現場でエンジンかけるのでは遅かったので、家を出る前にかけようと努力しました。
――撮影中、あるいは撮影を終えて、映画人として率直に何を感じましたか?
10年か15年かわからないですけど、定期的に衝撃的な映画って、ある気がするんです。そういう枠があるなと勝手に僕は考えてやっていて、わかりやすい内容の映画が多かったりするじゃないですか。でも、僕はそっちのほうも好きだったりして複雑なんですけど、仕事として、中途半端にやっちゃいけない枠として、腹くくって挑みたいと思っていました。
――題材自体がハードではありますが、面白い映画を撮ろうというピュアな情熱は、観る人に伝わるのではないでしょうか。
現場全体が腹をくくって撮っていて、熱い監督さんとか稀にいますけど、監督以外も全員が覚悟しているっていう本当に稀な感じがした現場でした。しかもオールロケで、順撮りで、わりと理想的な条件も揃っていた。内容に関して言うと、最後なんかサングラス上げちゃって、ターミネーターっぽいなって、おかしい部分もあるわけですよ(笑)。視点を変えて観ていただいていいので、いろいろな楽しみ方で観てほしいと思います。
映画『ディストラクション・ベイビーズ』は、テアトル新宿ほか全国公開中!
■参照リンク
映画『ディストラクション・ベイビーズ』公式サイト
distraction-babies.com
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