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『とと姉ちゃん』唐沢寿明扮する花山伊佐次のモデル「多才すぎる編集者・花森安治」の生涯とは
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『とと姉ちゃん』唐沢寿明扮する花山伊佐次のモデル「多才すぎる編集者・花森安治」の生涯とは

2016-06-24 12:30

    高畑充希主演のNHK朝の連続テレビ小説『とと姉ちゃん』で、人気俳優・唐沢寿明が好演している花山伊佐次。彼のモデルとなった花森安治(1911~1978)といえば、ヒロイン・常子のモデルである大橋鎭子の人生と、彼女がその創刊に参加した女性誌「暮しの手帖」に、多大な影響を与えた人物として知られている。


    鎭子よりも9つ年上で、明治44(1911)年生まれの安治は、旧制松江高校時代に携わった同人誌の制作がキッカケで編集者を志し、その後、東京帝国大学に進学すると、同大が発行する「帝国大学新聞」の編集に携わることとなる。この時、同紙は発行部数6万部を誇る媒体で、ここでの本格的な編集作業が、彼に編集者としての貴重な実務経験を与えることとなった。

    卒業後、安治は化粧品メーカーへと就職。そこで広告デザインを学び、才能を少しずつ開花させると、第二次世界大戦で召集されて復員した後、鎭子と出会ったことで一念発起。彼女と共に、暮しの手帖社の前身となる「衣裳研究所」を設立し、雑誌「スタイルブック」を創刊。これが後の「美しい暮しの手帖」および「暮しの手帖」になるのだが、彼はそこで編集長になると、その生涯を同誌に捧げ、現場での編集作業は、なんと亡くなる数日前まで続けていたという、筋金入りの雑誌人であった。

    ちなみに、花森は編集者としてのみならず、コピーライターやジャーナリストなど、あふれんばかりの才能を遺憾なく発揮し続けてその生涯を終えたが、そんな花森の作品として最も知られているのは、やはり、創刊から彼が亡くなる直前まですべて手がけていたという表紙絵。1点1点が、必ずしも個別に読者の印象に残っているというわけではないかもしれないが、それは文字通り、同誌の「顔」として活躍し続け、その生涯を制作に捧げた彼の生き様を、まさに象徴するかのような、素晴らしい作品群であったと言えるだろう。




    ■参照リンク
    『とと姉ちゃん』公式サイト
    www.nhk.or.jp/totone-chan/
    『とと姉ちゃん』Instagram
    https://www.instagram.com/nhk_totonechan/

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