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【リオ五輪記念】最速男カール・ルイスはバスケ選手になる予定だった? 54年かけてゴールしたマラソン選手がいた? 知られざる五輪トリビア
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【リオ五輪記念】最速男カール・ルイスはバスケ選手になる予定だった? 54年かけてゴールしたマラソン選手がいた? 知られざる五輪トリビア

2016-08-03 20:00

    現地時間8月5日に開幕するリオデジャネイロ五輪に向けて、各国の選手たちは最終調整に余念がなく、その様は連日様々なメディアによって伝えられている。そうした中、過去の五輪大会において活躍した選手たちの中には、実は意外と知られていない驚きのエピソードを持つ人物が数多く存在している。


    たとえば、アメリカ陸上界のヒーローとして知られるカール・ルイス。彼は、1984年のロス五輪において100m、200m、走幅跳、男子4×100メートルリレーの4種目に挑戦し、すべての種目で金メダルを手にするという驚異的な身体能力を発揮。現役生活でなんと9つものオリンピック金メダルを獲得したという、伝説のアスリートなのだ。そんな「レジェンド・オブ・陸上競技」な彼だが、実は、本格的な陸上選手となる前、1984年に行われたNBAドラフトでは、"バスケの神様"として知られるマイケル・ジョーダンを1巡目で指名したシカゴ・ブルズに、10巡目で、NFLドラフトにおいてもダラス・カウボーイズに12巡目で指名されたという経緯がある。結局、これらの誘いを断ってく陸上競技で活躍することとなった彼だが、仮にどちらかの道に進んでいたとしても、その身体能力からすれば活躍した可能性が高いだけに、どうなっていたのか興味深いところだ。

    また、カールと同様に陸上界で活躍した有名選手で言えば、時代を遡って、マラソンのアベベ・ビキラに注目するとこんな話も。彼はオリンピックのマラソン競技で史上初の2大会連続優勝を決め、2つの金メダルを獲得した名ランナーとして知られるが、1960年に行われたローマ五輪の際に靴が壊れてしまい、なんと裸足で本戦に出場。そうしたハンデをものともせずに、世界最高記録(当時)となる2時間15分16秒2で優勝を飾り、「裸足のアベベ」と呼ばれることになったが、その後に行われた東京五輪(1964)では、ちゃんと靴を履いて出場。見事に優勝を飾っている。つまり、彼の代名詞となっている「裸足の」というフレーズ通りに走った大会は、ローマ五輪1大会のみなのである。なお、東京五輪の時に履いていたのは、プーマ社の靴であったが、それ以前に行われた毎日マラソンの際に、彼を表敬訪問をした鬼塚株式会社の社長・鬼塚喜八郎が、日本のコース事情などを鑑みてオニツカ製の靴を提供。オニツカ社はその後もしばらく彼に靴を送り続けたという。

    このように、世界的に有名な選手たちにも、隠されたエピソードが隠されているオリンピックだが、彼らほどではないにせよ、その特異なパーソナリティから注目を集めた人物もいる。1912年に開催されたストックホルム五輪の射撃種目で金メダリストとなったオスカー・スパーンはその典型だ。なんと彼は当時64歳。オリンピック史上最高齢の金メダリストとなった。ちなみにその後も彼は活躍を続け、72歳の時に挑んだ1920年のアントワープ五輪においては、射撃ランニング・ディア(単発)で団体銀メダルを獲得。スウェーデンチームの躍進を牽引することとなった。

    さらに、こうした珍しい記録ということで言えば、日本における「マラソンの父」と呼ばれる金栗四三のケースも見逃せない。彼は前出の"射撃おじいちゃん"オスカー・スパーンが金メダルを獲得した1912年のストックホルム五輪に、短距離の三島弥彦と共に出場、日本人初のオリンピック選手となったが、レース途中に日射病で倒れるというアクシデントに見舞われる。彼はたまたま近くを通りかかった人によって介抱されて一命をとりとめたものの、気づいた時には既にレースが終了。はからずも「競技中に失踪し行方不明」という扱いになってしまったという。しかし1967年、ストックホルム五輪の開催55周年を記念する式典に招かれた彼は、五輪委員会のはからいで「ゴール」することに。そのタイムたるや54年8ヶ月6日5時間32分20秒3といういうもので、五輪史上"最遅タイム"記録を樹立した。ゴール後のインタビューで彼は、この54年の間に「孫が5人できました」と語っている。そのタイムはもとより、スタートからゴールの間に子供はおろか孫が5人も生まれるという珍現象は、後にも先にもこのケース以外に確認されていない。

    このように、その選手自体は有名でも、意外と知られていない驚きの事実が隠されていたり、逆に思わぬ形で有名になる選手が現れたりと、いつでも驚きと感動にあふれたオリンピック。今年はどのような選手が多くの観衆を魅了し、注目を集めるのか、その活躍をじっくりと見守りたいところだ。

    文・藤橋檎凜



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