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南米で最も危険な麻薬ディーラーと言われているJarvis Chimenes Pavao(ハルビス・チメネス・パバオ)が収監されている独房が「ゴージャスすぎる」と報じられている。
2009年にマネーロンダリングの罪で逮捕され、8年の禁錮刑を言い渡されたパバオ受刑者(42歳)。1994年にもコカインの密売により逮捕されているが、その時はスゴ腕の弁護士を雇ってすぐに自由の身となったそうだ。
そんなパバオも年貢の納め時ということで、今回はパラグアイの刑務所で独房に収監された。しかし、その独房はエアコンやバスルームを完備し、キッチンには調理器具と食器、本棚にはズラリと本やDVDが並んでいたという。そのうえ会議室まで設けられていたというのだから、まるでそこそこ快適な2LDKマンションのような環境である。
本国ブラジルへと送還されて懲役年月が加算されることがほぼ確定していたパバオは、壁を爆破して脱獄計画を企てていた。しかし、その情報が漏れたことで警察が調査に入り、そこで初めて刑務所の内情が発覚。なんだかホンモノの犯罪映画みたいな話だが、彼は囚人たちはもちろん、刑務所の職員たちも賄賂(もしくは脅迫)で掌握していたのである。
他の受刑者もお金さえ払えば、この豪華な部屋に週単位で寝泊まりできたそうで、さらに部屋のネット回線なども自由に使うことができたというから驚き。ちなみに、棚のコレクションの中にはコロンビアの麻薬王パブロ・エスコバルを描いた実録シリーズ『ナルコス』のDVDもあったとか。
そんなパバオの弁護士は「6~7人の法相と刑務所監督が彼から賄賂を受け取っていた」と発表。南米における"法とシステムの腐敗"に衝撃が走ったが、この件で法務大臣は解任され、新たに着任した法相は「今後、法廷や刑務所の浄化を徹底して行っていく」との姿勢を示しているという。
さて、南米の麻薬ディーラーと聞けば"情け無用の殺戮集団"というイメージだが(実際そうなのだが)、このパバオは刑務所で最も愛された男だった。なぜなら、彼はポケットマネーで受刑者たちが利用できるサッカー場や教会などを敷地内に作らせ、図書室も改装。さらに、自腹でコックを呼び寄せて刑務所の食事を改善し、自分のボディガードとして他の受刑者を雇っていた。しかも、看守たちの宿泊寮やトイレなどの費用も出していたというのだから、もはや受刑者どころか"刑務所のパトロン"と言っても過言ではない存在だったのだ。
とはいえ、今回の件が発覚したことで豪華な独房は取り壊され、今度こそブラジルへ移送されてしまったパバオ。受刑者はもちろん、刑務所内の全員が彼との別れを惜しんだそうだが、笑えないブラックジョークのような顛末である。
https://www.youtube.com/watch?v=EI0K82bmp94
弁護士は「彼は決して自分を聖人君子だとは言わなかったが、仲間から合法的に得ていたお金で、みんなのためになることをしようとしていた。そして刑期を全うしようとしていた」と証言している。悲惨な最後を迎えた歴々のパイセン麻薬ディーラーたちを彷彿とさせる男だが、南米社会の貧困や格差、社会システムの問題がほとんど改善されていないことがよく分かる事件だ。
【参照リンク】
http://www.dailymail.co.uk/news/article-3715667/Brazilian-drug-lord-living-VIP-cell-library-plasma-TV-three-rooms-en-suite-bathroom-Paraguayan-prison.html
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RSSブログ情報:http://news.aol.jp/2016/08/14/brazilian-drug-lord/