スペインの鬼才ペドロ・アルモドバルが製作、第72回ヴェネチア国際映画祭にて最優秀監督賞となる<銀獅子賞>を受賞した映画『エル・クラン』が9月17日(土)より全国公開される。


本作で描かれるのは、アルゼンチンで実際に起きた、犯罪史に残る凶悪一家の逮捕事件だ。日本ではあまり知られていないかもしれないが、アルゼンチン国内では認知度100%であるこの異様な事件を引き起こしたのは、1983年の軍事独裁政権崩壊により、無職になった元エリート一家のプッチオ家。政権の崩壊により、善悪の基準が変わりゆく中、路頭に迷った彼らがピンチの果てにたどり着いた稼業とは「身代金ビジネス」であった。

一家総出の犯罪により、息子の友人や近隣住民が次々と毒牙にかけられていったにもかかわらず、アルゼンチン全体が混乱期にあったことから、家族の犯罪はバレることなく2年間も続いたのである。


しかし、ついに12台の車両と45人の警察官がプッチオ家を取り囲む日がやってくる。短機関銃を手に突入する警察官によって、36日間監禁されていた女性実業家が救出され、一家が起こした凶行が明らかになったのだ。この犯罪を主導したのは父・アルキメデスだが、母や5人の子供たちも率先して加担しており、その異様さゆえにアルゼンチン中を震撼させる事件として名を残している。

そんな一家が逮捕されたのは、1985年8月23日、今から31年前の本日だ。この度、AOLニュースではプッチオ家によって凶行が繰り返された"恐怖の監禁部屋"が写る現場写真を独占入手した。

【プッチオ刑務所】

監禁部屋に続く12段の階段。地下室はもとは食品保管庫で、400本ほどの上質なワインが置いてあった。

【藁の塊】

監禁部屋の外に置かれた大量の干し草。被害者に匂いを送り、監禁場所が田舎だと思わせる犯人の工夫。

【不衛生な監禁部屋】

四方の壁を新聞紙で覆い、天井はテントのようなもので覆うことで部屋のレイアウトを把握できないようにしていた。掃除されることはなく、常に悪臭が漂っていた。

あまりに生々しい写真たちからは、用意周到に犯罪を遂行する狡猾さがうかがえる。この監禁部屋で実行された恐ろしすぎる一家総出の犯罪稼業を描き、「映画化にあたっての改変はなし!」とプロデューサーが断言する衝撃作『エル・クラン』は9月17日(土)より新宿シネマカリテ、YEBISU GARDEN CINEMAほかにて全国公開。


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■映画『エル・クラン』公式サイト
el-clan.jp

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