ネパールのとある修道院の修道女たちは、数年前から本格的なカンフー修行を行っているという。
https://www.youtube.com/watch?v=kfCj8YlYC_Y
この修道院「Druk Amitabha Mountain」(Amitabha=阿弥陀)で、道着を着た女性たちが修行する様子は、まるでかつてのカンフー映画のよう。読経・祈祷、瞑想など日々の修行に加えて毎日2時間、訓練に励んでいるそうだ。
実はこれまでネパールでは、女性は男性仏僧よりも低い位にあるとされ、修行より寺院での家事全般を優先させられてきた。武力となるカンフーの体得も当然禁止されていたため、この修道院の"あくまでも男女平等"という方針は、かなり画期的と言えるだろう。
創設者は高僧・Gyalwang Drukpaという人物で、幼い頃から社会と仏道における男女格差に違和を感じていたという。彼は従来のしきたりに背くかたちで新しい宗派を立ち上げ、26年前に「心身も社会的にも男性と同等であってほしい」という理念のもと、他の僧たちと修道院を設立。
女性たちのカンフー修行を開始したのは、2008年頃にベトナムの修道女たちが戦時中のベトコンゲリラ同様の武術訓練を行っているのを目の当たりにしたことがきっかけだとか。
もちろん、戦いではなくあくまで仏教修行の一環ではあるが、護身術としても役に立つので、女性の社会的立場の向上(の実践)にもなっているのだという(周囲の村には若い男性が大勢いるんだとか......)。
英語やチベット語などの教育全般に加え、テニスやスケート、舞踊や楽器演奏の授業もあるという同修道院。結婚して子どもを産み、畑仕事をする......というのが女性の人生だとされてきたチベットにおいて、ここでの修行は自由と可能性に満ちた人生の選択なのである。もしかしたらこの修道院の存在が、チベット社会変革への大きな一歩となるかもしれない。
近い将来、この修道院を舞台に修道女が活躍するカンフー映画なんかが作られたりしたら、かなりクールではないだろうか?
【参照リンク】
・The Kung Fu Nuns of Nepal
http://www.odditycentral.com/news/the-kung-fu-nuns-of-nepal.html