ジェームズ・ブラウン、ヴィンス・ニール...犯罪歴のあるミュージシャン10人
先週、ジョン・メイヤーがポンジー・スキーム（ねずみ講に近い詐欺の方法。異常に高いリターンを謳って資金を募り、その資金を使って投資家に利益を分配するというもの）で50万ドル近い大金をせしめたとの疑いが発覚したのだが、過去を振り返ればこれまで犯罪歴のあるミュージシャンなんてザラである。殺人、強盗、恐喝、拷問、それらに比べたらメイヤーの犯行（有罪だとしたら、の話だが）なんてかわいいものかもしれない。
そんなわけで今回は犯罪歴のあるミュージシャン10人を挙げてみよう。
チャック・ベリー
チャック・ベリーの犯罪歴は圧巻だ。10代の頃からカンサスで仲間達と3件の強盗、銃で脅して車を強奪するなどの悪行を重ねていた彼は、2年半の間、少年用更生施設で過ごし21歳の誕生日に釈放されるが、その後もありとあらゆる犯罪で逮捕される。その30年後には脱税で捕まり4ヶ月収監されたうえ、無報酬のベネフィット・コンサート1,000時間分が課される。他にも、自身がオーナーを務めるレストランの女性トイレにカメラを仕掛けて盗撮していたことが発覚。当初本人は否認していたが、自宅から何本ものテープが見つかり（中には幼女のものまであったのだとか）有罪に。さらにはその家宅捜査で大量の大麻まで見つかっている。まさに全方位の犯罪歴だ。
GG アリン
GG アリンは、ハードコア・シーンの中でも突出した過激なパフォーマンスで知られる人物だ。毎晩のようにステージ上で身体を刻み、血を流し、排泄し、ライブが終わる頃には自分の糞尿まみれになっていたアレンは、1989年のツアー中、バンドを泊まらせてくれた女性ファンの自宅でこの彼女に暴行を加えた罪で逮捕されている。しかも、性交渉の際に手錠をかけ、女性の身体を焼き、ビールの缶で切り付け、そして血を飲んだと言うから驚きだ。15ヶ月の懲役を課された彼は獄中で、「釈放されたらステージで自殺する」という文章を残していたが、釈放された２年後にヘロインのオーバードーズで亡くなってしまった。
ジェームズ・ブラウン
ファンクのゴッドファーザーも多分に漏れずかなりの犯罪歴の持ち主だ。16歳に武装強盗で逮捕され更生施設で3年過ごすが、その後もドラッグ、銃、DVなどの問題で死ぬまでトラブルが絶えなかった。最も有名なのはショットガンを持って自分のオフィスに立てこもったという事件である。誰かが自分の許可なくトイレを使用した、と言うのが彼の怒りの原因であったそうなのだが、警察に通報されると猛然とトラックで走り去り、州を跨ぐ程のカーチェイスに発展。最終的には警官の発砲した銃弾によってタイヤがパンク、トラックが道路脇に突っ込んで幕を閉じ、その際には3年の懲役に服している。
ジム・ゴードン
聞き慣れない名前かも知れないが、彼はエリック・クラプトンも在籍したスーパーグループ、デレク＆ザ・ドミノズに参加したことのある実力派のドラマーである。しかし次第に分裂症のような症状が現れ、幻覚を見、幻聴を聞くようになっていたジムは、色んな声、特に母親の声に苦しめられるようになっていた。そして1983年、ついに彼は母親の自宅に赴き、扉が開くやいなや母親に何度もハンマを打おろし、ナイフで刺してしまう。ジムはその後終身刑を言い渡され今も服役中である
レッドベリー
伝説的ブルースマン、レッドベリーは3度逮捕されている。銃の不法所持と集団強盗、さらに女性を巡るトラブルで親戚の1人を殺害。しかし彼は7年間に及ぶ投獄生活の後、彼の歌を聴くために頻繁に刑務所を訪れていたテキサス州知事の計らいで釈放されている。なんとレッドベリーは自作の歌で知事に懇願したようだ。そして1930年、再び殺人未遂で逮捕され、再び刑務所に4年間入っている。
フィル・スペクター
有名プロデューサー、フィル・スペクターの奇行っぷりは有名だ。スタジオで銃を振り回していなどの逸話は数知れず。嫉妬が原因で、ロネッツのシンガーで妻のロニー・スペクターをロスの自宅マンションに監禁していたというエピソードもあり、極端な性格の持ち主としても知られていた。しかし2003年、女優のラナ・クラークソンがスペクターの自宅で死亡しているのが発見され、当初事故と主張していたものの結局スペクターに殺人の罪で有罪判決が。誰もが「ついにやってしまった」と思ったことだろう。現在も服役中である。
リック・ジェイムズ
「スーパー・フリーク」というナンバーで有名だが、このタイトルはまさに彼を現したものである。1991年にガールフレンドとともに24歳の女性を監禁、虐待した罪で2人とも逮捕。性的虐待、拷問、武器使用、監禁、脅迫、薬物の使用（麻薬吸引に使うパイプで女性の身体を焼いた）、コカインを強要したなど無数の罪に問われて刑務所に入っている。さらに仮釈放中、2人は音楽業界関係の女性をまたもや誘拐し、さらに暴行を加えた罪で再び逮捕されることに...彼らの極悪っぷりに驚かされてしまう。
シド・ヴィシャス
セックス・ピストルズの伝説的ベーシスト、シド・ヴィシャス。彼は1978年、ニューヨークのチェルシー・ホテルで目覚めると、恋人ナンシー・スパンゲンが腹部を刺されて倒れているのを発見した。2人はヘロインを大量に摂取した後であったらしく、シド自身もなぜそういう状況に至ったのか全く憶えていなかったようだ。彼は、口論の末ナイフに倒れ込んだとして、あくまでも殺意は無かったと主張するも、その10日後に自殺を試みる。命に別状のなかった彼はその僅か後に、パティ・スミスの弟相手に暴行を加え、結局収監。そして仮釈放された翌日、ヘロインのオーバードーズによって死亡した。
ヴァルグ・ヴィーケネス
ノルウェーのブラック・メタルバンド、メイヘムのメンバー、ヴァルグ・ヴィーケネス。1992年に複数のキリスト教会に火を放った罪で逮捕され、その犯行理由は"キリスト教信者達によるバイキングの墓の冒涜への復讐"とされている。さらに翌年バンドメイトを刺し殺し、正当防衛を主張するも有罪になり、21年の懲役が課される。2009年に釈放。
ヴィンス・ニール
ご存知、モトリー・クルーのフロントマンも、そのワイルドなイメージに違わずいくつもの逮捕歴を持っている。1984年に飲酒運転で交通事故を起こし、同乗していたハノイ・ロックスのドラマー、ニコラス "ラズル" ディングレーは死亡。さらに事故に巻き込まれた通行人２名が重傷を負っている。その後２度の飲酒運転や、複数の暴行未遂で再び逮捕。有名なバニー・ガール・ストリップパブの従業員を殴った事件も有名だ。関連ニュースの映像
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