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9月24日(土)、クリント・イーストウッド監督の最新作『ハドソン川の奇跡』がいよいよ日本でも公開され、初週に引き続き、10月1日(土)、2日(日)の週末興行成績で2位をキープする(1位は『君の名は。』)など2週目もなお好調な数字を維持し大ヒットしている。鑑賞者たちからは、「完全に見入ってしまった」「面白かった!」「驚きと感動がある」「今まで観た映画の中で一番泣いた」と称賛の声がネット上などで続出する感動作だ。
主演のオスカー俳優トム・ハンクスが演じるのは、奇跡と呼ばれた航空機事故の当事者でベテランパイロットのチェズレイ"サリー"サレンバーガー機長。サリー機長は、乗員乗客155人全員の命を救った英雄として称賛されるが、一転疑惑の目を向けられ容疑者にされてしまう...。本作は、"奇跡"について、今まで報道されなかった知られざる真実を描いている。
物語の中心人物、"奇跡"を引き起こし、主人公のモデルとなったサリー機長とは一体どんな人物なのか?
1951年、アメリカのテキサス州に生まれたチェズレイ"サリー"サレンバーガーは、空軍士官学校を経て、戦闘機パイロットとして米空軍基地に従事。1980年に退役すると、航空機のパイロットに転身し、パイロットとして働きながら、航空機の重大事故の調査にも携わってきた。
そして、2009年1月15日、操縦する航空機の全エンジンが停止し、ハドソン川へ不時着する「ハドソン川の奇跡」と呼ばれた航空機事故を経験する。その後、59歳で引退し長いパイロット人生に幕を閉じる。彼の人生における飛行時間はなんと2万時間以上!年数に換算すると、約3年弱という長い時間フライトを経験している大ベテランなのだ。
そんなサリー機長は、この航空機事故について手記を執筆しているが、巨匠イーストウッドは、手記には描かれていない事故後の真実までをも暴く。
映画化が決定した際、イーストウッド監督がサリー機長の家を訪ね、2人は3時間にも及び話し合ったそうだ。当時のことを機長は、「イーストウッドが家に来て一緒にランチをして、ストーリーや映画のプロジェクトについて話したんだ。彼は礼儀正しくて静かな人だったけど、映画作りや物語についてとても情熱を持っていた。彼は脚本をとても気に入っていて、この映画をどう作りたいかとても明確なコンセプトを持っていたんだ」とイーストウッドの熱意を感じたと振り返る。監督だけでなく、主演のトム・ハンクスも家に来たそうで、「トムと僕ら家族は4時間くらい一緒に過ごした。脚本を見ながら、トムは実在に生きているリアルな人を演じる機会やその難しさについて話していた。トムが僕を演じてくれてとても嬉しいよ」と当時の様子や喜びを明かす。
『ハドソン川の奇跡』NYプレミア時 (左から2番目がサリー機長本人)
監督も俳優も、わざわざサリー機長の家を訪れ、時間をかけて機長のことを理解しようとした。それは、彼の身に実際に起きた真実をリアルに忠実に描くためだった。映画は、事故発生時から不時着までの208秒間の出来事や、事故後、機長が何に悩まされどんな心境で日々を過ごしたのか、離れ離れの家族の心情など、どのシーンを切り取っても現実にリアルなシーンばかりだ。
サリー機長は事故について「42年間飛行機で飛んでいたけれど飛行中に機体が故障したことは一度もなかった。だから僕の人生で最大のショックな出来事だったんだ」と語る。事故後、悪夢を見たり不眠に悩まされたりしたというサリー機長。壮絶な体験をしたにもかかわらず、自身の内面が赤裸々に描かれる本作を鑑賞して、いったいどんな気持ちだったのだろうか?
「家族で映画を観たよ。とても感動的な経験だった。劇中で描かれていることは僕ら家族にとってとても身近なものだったから、映画を見ている感じがしなかったんだ」と率直に感想を語るサリー機長。嘘偽りなく自分を信じ意見を述べるその姿はまさに劇中で描かれる様子と同じだ。英雄から一転、容疑者にされてしまうという真実の物語は、誰もが胸を打たれる結末が待っているが、サリー機長の人柄を知ってから見るとより映画を楽しめるかもしれない。
『ハドソン川の奇跡』は大ヒット公開中!
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■『ハドソン川の奇跡』公式サイト
hudson-kiseki.jp
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