学校でのいじめ問題は日本でも深刻だが、世界規模で広がっているのがSNSやメールを通じて誹謗中傷を受ける"ネットでのいじめ(サイバーブリー)"。そこでウイルス対策ソフトを手掛ける<Norton>が製作したのが、「Raise Your Voice Against Cyberbullying(ネットでのいじめに対し、自ら声をあげよう)」というプロジェクト動画だ。

https://www.youtube.com/watch?v=gAGcPvygSOw


「毎年、かなり多くの子供がネットで誹謗中傷を受けるが、10人中9人はそのことを(親や先生など)大人に言わない。(大人たちが)一緒になって声をあげない限り、自分たちの子供を救うことはできません」というテロップに続き、いじめの被害者となった子供たちが次々と重い口を開く。

「お前はブス」
「意気地なし」
「アンタ、友達いないでしょ。皆、アンタのことが大嫌いだよ」
「アンタが生まれてきたこと自体が大きな間違い」
「またお前に会った時は、ブッ殺すからな」
など、いじめっ子からのメールを読む子供たち。中には思わず涙する子もいた。

さらに
「怖かった。同時に怒りも覚えた」
「自分が価値のない存在に思えた」
「部屋で一人"自分はもうここにいるべきじゃない"と思ったこともある」
と当時の心境を告白する。

自殺を考えるほどつらい思いをしながらも、どの子も親には言っていなかったという現実。だがカーテン1枚隔てたすぐ隣には、そのことに衝撃を受け、涙ぐむ親たちの姿があった。

そしてカメラは、一組の夫婦のコメントを紹介する。彼らの息子は2009年、ネットでのいじめが原因で自ら命を絶った。

「息子が部屋にいるのを見ては、安心していました。ですが、そんな彼をひどく苦しめ、追いつめている巨大な存在があるなんて、私たちにはわかりませんでした。息子は年々口数が減っていきました。それでも私たちは、息子が限界に達するまで、彼が毎日ネットでいじめを受けていることに気付かなかったんです」

動画では「言葉が人を殺すことも、生かすこともある」というテロップに続き、カーテン越しに子供の告白を聞いていた親たちが立ち上がる。彼らは子供に、自分たちが支えになること、そして一緒に声をあげていくことを告げた。それを聞いた子供たちは、「安心した」「心強く感じた」と安堵の表情を浮かべるのだった。

親は子供に「困ったことがあったら話してね」と言うが、動画を見る限り、子供にとってみれば、自分がいじめられていることは言いづらいようだ。動画は一方で、そんな子供たちの苦悩を親が知り、一緒に立ち向かうことで、事態が大きく改善する可能性も示している。
RSS情報:http://news.aol.jp/2016/12/27/cyber-bullying/