が10月12日、製作を務めたドキュメンタリー『ザ・ハウス・アイ・リヴ・イン/The House I Live In』(ユージーン・ジャレキ監督)についてインタビューに応じた。
彼はインタビューの前に、「僕がドラッグを使用していたのは昔のことだけど、(アメリカでは)どこでも、自分の欲しい"ブツ"が手に入るのは事実だ。24時間あれば、アメリカのどの州、または街にいようともブツを手に入れることができるだろうね。そんな状態にある今も、僕らは"麻薬を撲滅させるための戦争"と呼ばれる茶番劇をサポートしている。これには今まで1兆ドル(約78兆7,000億円)もの金を費やし、40年も続いているんだ。そのために実に多くの人が命を落としているけど、僕らは今も(アメリカ政府による麻薬撲滅政策を)あたかも成功しているかのように話している」とコメントし、麻薬に対する自国の政策に苦言を呈した。
『ザ・ハウス...』はリチャード・ニクソンが大統領の座にあった1972年から展開されている麻薬撲滅政策を取り扱ったドキュメンタリー。劇中では当時から現在に至るまでの動きや、政策が本当は何を意味するのかなどが描かれている。ブラッドは今回のドキュメンタリー製作にあたり、監督から麻薬撲滅政策は"貧困層を抑えつけておくためのバリアになりうるもの"で、"彼らを縛りつけておくためのもの"だと言われたとか。彼はまた、監督から今回のプロジェクトを持ちかけられた際、自分にはリベラルすぎると思ったとも告白。だがハリケーン・カトリーナの惨禍で(アメリカ)社会にはまったく見向きもされていない特定の部分があるのを目の当たりにし、考えを変えたようだ。
<Huffington Post>でのインタビューではまず、今回の大統領選で麻薬の問題がほとんど取り上げられていない(または政治家の間であまり話題になっていない)ことに対し、ブラッドは「永遠にタブー視されている話題だからだ」とコメント。さらに麻薬撲滅政策が失敗だと(認めて)話すのは、政治家にとって絶対にしてはならないことなのだとも。一方のジャレキ監督は、これが別の連邦政府の政策であったなら、ひどい失敗だとみなされるだろうと話している。監督はさらに、現在の麻薬撲滅政策は1920年代の禁酒法(※)と似ている部分があるとした。
ブラッドはさらに、利益を排除することこそが、麻薬との戦いの終息につながる唯一の方法だと明言。彼は他にもさまざまな問題がからんでいるだろうし、自分の言うことが現実に即したものかもわからないとしながらも、すべてを合法化し、人々が自分で選択できるようにすべきだとしている。「人々は(現実から)逃れようと麻薬に走る。我々は実験について話しているんじゃない。長年麻薬を使用している人は逃避しているんだ」とも。
※消費目的のアルコールの製造や販売、輸送を全面的に禁止した、アメリカ合衆国の政策。1920年代から30年代初頭まで施行されたが、結果的に秘密の酒場が登場したり、違法な酒類が出回るなどの問題があとを絶たなかった。
『ザ・ハウス・アイ・リヴ・イン』トレーラー映像
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