先日、米ユタ州プロボで、雪山の断崖で身動きが取れず遭難していた1匹の犬の救助が行われた。
ビーグル犬のメアリーが山で遭難したのは今月6日のこと。
飼い主は、郡の捜索救助隊で働く隣人に助けを求め、翌日、救助隊は、標高300メートルほどの雪山へと犬の救助に向かった。
「30から40センチほどの岩棚があるだけで他には何もない場所を、犬は右から左へとただその場でウロウロしているしかなかったようでした」と、捜索救助隊のショーン・ラウンディさんは説明する。
ラウンディさんは捜索を記録するためGoProカメラを装備していたが、そこには恐がるメアリーを安心させようとするラウンディさんの様子が映し出されている。
隊員の助けで岩場の所まで来たラウンディさんは、山肌をつたって、メアリーの近くへと進んで行った。
ラウンディさんは、食べ物でメアリーをおびき寄せようとするも、メアリーは怖々そちらを見るだけで、すぐさま元の場所へ戻ってしまう。首輪をつかもうとしたラウンディさんの手に噛みついたりもした。
「1度、指2本を首輪に引っかけることが出来たのですがすぐ逃げてしまって。そのあとはもうダメでした」。
ラウンディさんがあとになって知ったことだが、メアリーは以前、前の飼い主から虐待を受けたことがあるのだという。そのため知らない人間に対する恐怖心が強いのかもしれない、とのことだった。
「救助の間、我々が思っていたことは、1年で一番寒い季節にこの犬は一晩中、凍えていたのだろう、ということです。空腹を満たし、誰かに保護されればどんなに喜ぶか、と考えていました。ただ、この犬はとても臆病だったのです。救助は困難を極めました」、とラウンディさんはコメント。
チーム一行は、危険と隣合わせで救助に臨んでいた。数時間に及んだ救助活動の後、ラウンディさんは隊員の安全を優先し、救助を断念することにした。ただ、メアリーちゃんのために食料を残していくことは忘れなかった。
ラウンディさんは次のようにコメントしている。「ベストを尽くしましたが、いったん断念することにしました。ひとまず、大きな缶入っていたオイルサーディンやビーフジャーキー1袋、グラノーラバー1本を食べられるように用意した他、暖をとれるようにカイロも幾つか置いて山を下りたのです」
ラウンディさん一行の残した食料とカイロで体力を回復したのだろうか? 翌日、メアリーは、かすり傷を負っていたものの、何と自力で山を下り、飼い主の元に戻ってきたという。
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