映画の製作途中で俳優が急逝してしまった場合、製作チームはその登場人物のキャストを変更するか、もしくは登場人物の不在を説明するために脚本を書き直すかの判断を迫られ、映画の先行きがまったく見えなくなる可能性がある。しかも、それが映画史に燦然と輝く超大作SFシリーズの3部作で、そのうちの2作は既に撮影済みだったとしたらどうなるだろう?


昨年12月に女優のキャリー・フィッシャーが急逝したことを受けて、『スター・ウォーズ』シリーズのプロデューサー陣はこの問題に直面している。彼女は亡くなる前に「エピソード8」の撮影を終えていたが、シリーズ続編「エピソード9」では彼女の役がさらに重要になることが後に明かされていた。製作陣は未だに方針を検討中で、監督のコリン・トレヴォロウはディズニーの重役と解決策を話し合う会議を行ったとみられる。最近の報道によれば、他の人物よりもより重要になるシナリオがあるという。

先日、BBCの番組『ニュースナイト』は、2018年に撮影に入る予定の「エピソード9」にCGでキャラクターを登場させることについて触れ、『ローグ・ワン』で用いた技術の使用が検討されていると報じた。『ローグ・ワン』では、1994年に亡くなったピーター・カッシングが演じたターキン提督と、キャリー・フィッシャーが演じたかつての姿のレイア姫をデジタル処理で復活させたが、これと同じ方法でレイア姫が復活するということだった。この番組はイギリスのみで放送されたが、ファンサイト「スター・ウォーズ・ニュース」は、この報道を受けて、ディズニーがフィッシャーの遺産管理者と今後の『スター・ウォーズ』シリーズでフィッシャーの映像を使用し続けられるように交渉していると伝えたのだ。

こちらが「スター・ウォーズ・ニュース」による、その放送に関する引用だ。

「不適切なことに、ディズニーはこのシリーズにキャリー・フィッシャーが登場し続けられるよう、キャリー・フィッシャーの遺産管理者と交渉している。もしディズニーが許可を得ればキャリー・フィッシャーはピーター・カッシングに続くことになるでしょう...」

このニュースが世間に広まったことを受けて、ディズニーは迅速に対応を行っている。『スター・ウォーズ』の公式サイトで、CG出演に関する報道についての声明を掲載したのだ。

「我々は、通常はファンやメディアの憶測には反応しませんが、広まっている噂についてはっきりと言及したいと思います。ルーカスフィルムとしては、レイア・オーガナが姫または将軍としてキャリー・フィッシャーをデジタル処理して復活させる計画をしていないことを、ファンの皆様にはご理解いただきたいのです。

キャリー・フィッシャーは、過去も現在も、そして永遠にルーカスフィルム・ファミリーの一員です。彼女は我々にとっての姫であり、将軍であり、最も重要な友人です。我々は今でも彼女を失ったことについて心を痛めています。レイア姫としての彼女の思い出と遺産を大事にして、彼女が『スター・ウォーズ』に与えてくれたすべてを守っていきます」

『スター・ウォーズ:エピソード9』は、現地では2019年5月23日に公開予定だ。どのような方針になろうとも、フィッシャーとレイア姫の正義が貫かれた、敬意の払われた作品になることを期待したい。



■参照リンク
https://www.moviefone.com/
RSS情報:http://news.aol.jp/2017/01/17/carrie_fisher/