1月の全米公開以来、アメリカで物議を醸しまくっているコメディー映画『ムービー43/Movie 43』。
14の短編で構成された『ムービー43』。監督は『メリーに首ったけ』『愛しのローズマリー』のピーター・ファレリー(ファレリー兄弟の兄のほう)や、女優のエリザベス・バンクス(本作では『スクービー・ドゥー』の脚本家ジェームズ・ガンが短編にも出演)、『ラッシュアワー』シリーズや『ペントハウス』のブレット・ラトナーらだ。
一方、『アメイジング・スパイダーマン』で大ブレイク中のエマ・ストーンと元カレのキーラン・カルキン(M・カルキンの弟)に、『キック・アス』のクロエ・グレース・モレッツやクリストファー・ミンツ=プラッセ(2人は短編「ミドルスクール・デート/Middleschool Date」で共演)、オスカー女優のケイト・ウィンスレットやハル・ベリー姐さん、"ウルヴァリン"ことヒュー・ジャックマンやテレンス・ハワード、『ジャッカス(jackass)』シリーズのジョニー・ノックスヴィルと、キャストも異常に豪華。MTVのリアリティー番組で人気のスヌーキーや、ドラマ『30 ROCK』のセクシーアシスタント、カトリーナ・ボウデンなど、海外ドラマファンならピンとくる人たちも出演している。
ストーリーは、イカれた脚本家(デニス・クエイド)が手ごわいお偉いさん(グレッグ・キニア)相手に奮闘する「ザ・ピッチ/The Pitch」(ファレリー監督)や、実生活のパートナーでもある"セイバートゥース(ウルヴァリンの兄)"ことリーヴ・シュレイバー&ナオミ・ワッツ演じる両親が、自宅学習の息子のため"いじめ"やパーティー込みの"高校の環境"を自宅に作ってしまう「ホームスクールド/Homeschooled」(ウィル・グラハム監督)などなど。とにかくイカレた物語ばかりを詰め込みまくった、前代未聞の作品だ。
『ムービー43』レッドバンド・トレイラー
注:放送禁止用語が連発されます
アンナ・ファリスの「私にウ○コを付けてくれない?」という衝撃的な台詞で始まるトレイラーでは、イジワルな高校生役が意外とハマっているナオミ・ワッツに(夫婦の暴走ブリは必見!)、かのリチャード・ギアの前で「チ○コ(penis)」を連発する"オサレ女優"ことケイト・ボスワース、レプラコーン(妖精)に扮したジェラルド・バトラーなど、これまで見られなかったスターの新たな面が垣間見られる。
ちなみに『ムービー43』という意味深なタイトルには、実は"何の意味もない"のだとか。息子が"ムービー43"という映画について話していたのを耳にしたファレリー監督が、その名前の映画は存在しないことを知って採用したとのこと。
豪華なキャストに一癖も二癖もありそうな監督陣、奇想天外のストーリーがてんこ盛りと、注目度抜群の『ムービー43』。だが残念なことに、アメリカではメディアと観客からフルボッコに合っている。
<Rotten Tomatoes>での支持率はわずか4%(観客のみの支持率は35%)で、中には「こんなの、見ちゃだめだ」と警告するコメントも寄せられている。
さらに米名物評論家ロジャー・イーバート御大もまさかの「☆ゼロ」評価。レビューでは「見たことを記憶から消したくなるほどの映画」「歴代の最悪な映画における『市民ケーン』的存在(=不動の存在)」「見てから5分後には早くも後悔するだろう」「ハル・ベリー最大の失敗作は(最低主演女優賞に選ばれた)『キャットウーマン』から『ムービー43』になった」と超辛口だ。
・・・ここまで辛辣な意見が並ぶこの映画、見たくなってしまうね!
『ムービー43』は全米公開。
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