11月6日の大統領選を目前に控え、米国老舗雑誌<The New Yorker>がオバマ大統領全面支持を表明し、特集記事を掲載した。
「The Choice」と題された記事は、2009年に就任式を終えた新大統領一家がホワイトハウスで初めて夜を過ごした日のことを、「新大統領と妻、そして娘は、1600ペンシルヴァニア・アヴェニューにある、西アフリカから連れてこられた黒人奴隷達が建てた白い家で初めての晩を過ごしたのである」と振り返るところから始まる。
しかし途中、就任からの4年を辿り、当初掲げていた政策を果たせなかったこと(グアンタナモ、温暖化、銃規制など)を挙げた上で「多くの者を落胆させた」とし、プレデター・ドローン(遠隔操作の軍用無人機)の使用などについても「疑問を持つ者も多い」と辛口な雑誌ならではのコメントをし、批判的見地から意見を述べている。
だが最終的には、医療保険制度の見直しや消費者保護法の立法に向けて動き出していることなどを挙げ、大統領としての力を高く評価。
「オバマ大統領は国際関係、立法、社会制度と言った面で大きな成果を挙げ、ブッシュ政権が招いた国民の苦しみを和らげ、国が背負わされた "恥" を取り払い、再び誇りを取り戻させてくれた」と氏の再選を強く希望する旨を強調している。米国では、新聞・雑誌が支持政党をEndorsementという形で明らかにする慣例があり、10月にはいってから、<Washington Post>や<The New York Times>がオバマ支持を明確にする一方、<New York Post>などがロムニー支持を明確にしている。
<The New York Times>のこちらのサイトでは、各紙の支持状況が一覧できるとともに、前回(2008年)の大統領選から支持政党を鞍替えしたのがどこかを抜き出して表示することもできる。それによれば、今回多くの新聞・雑誌がロムニー支持に鞍替えしていることも見てとれる。
投票日まであと残り約10日。いまはハリケーン被害への対応で慌ただしい米国に、再び慌ただしい一日がやってくる。
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