アポロ11号の月面着陸から50周年を迎えたNASAは、今さまざまな方法で祝っている。その中には、世界中どこにいようと、スマホさえあればだれでも体験できるものもある。NASAのARES(Astromaterials Research & Exploration Science=宇宙材料研究探査科学)部門は、史上初めて採取された月の土と石の詳細な3Dモデルを公開した。それは人類として初めて月面に降り立った宇宙飛行士、ニール・アームストロング氏が持ち帰ったもの。

このリンクをスマホで開けば、月の石をその場でいじってみることができる。3Dモデルがブラウザー上に表示されるので、タッチ操作で回して向きを変え、いろいろな角度から見ることができる。そのディテールは驚異的なレベルだ。ARESによれば、実際に「研究グレード」のものだという。これは、ARESが保管している大量の月と南極隕石のサンプルを、研究、教育のために、より多くの人に公開しようという大きな取り組みの一貫なのだ。

これらの3Dモデルは、超高解像度の写真から生成されたもの。現物を240通りの角度から、最大100メガピクセルのカメラで撮影し、30〜60ミクロン(人間の髪の毛の太さよりも細かい)の分解能を達成している。

そして、これはほんの入り口にすぎない。コンピューターによる画像処理によって、正確な体積と、材質に関する情報も得られる。さらに、X線を使った処理によって、実際にサンプルを切断することなく、断面の画像を生成することも可能だ。こうして、できるだけ多くの正確な情報を引き出している。

もし今スマを持っていなくても、たまたま3D赤青メガネを持っているなら、以下の画像から眼を見張るようなディテールを読み取ることができるはずだ。またNASAは、月の岩石サンプルの研究室を初めて地質学者に開放しているので、その場で直接現物を調査することができる。これまでは長年厳重に非公開で保管されてきたものだ。

原文へ

(翻訳:Fumihiko Shibata)

この記事はTechCrunch Japanからの転載です。

RSS情報:https://news.aol.jp/2019/07/21/11/