Filed under: 音楽ニュース, Huffington Post Entertainment, インタビュー, ロック, 音楽

ミュージシャン、クラブ・オーナー、テレビ番組司会などいくつもの顔を持つアンドリューW.K.の次なる役目はバーレーン王国文化交流大使であったのだが、直前で取りやめになってしまった。既に準備も進め、オフィシャル・サイトでも「ポジティブ・パーティの力を伝えに行く」と発表していたのにも関らず、結局は国務省の判断で "ふさわしくない" と判断されてしまったのだ。彼の掲げるパーティのパワーが、戒律の厳しい中東の国には受け入れ難いという理由によるものだと言うのだが、直前でキャンセルされてしまったアンドリューの現在の心境をどのようなものなのだろうか。<Huffington Post>(以下、HP)は彼にインタビューを試みた。

s-andrew-wk-bahrain-ambassador-large.jpg

HP:現在はロンドンにいるんですよね? そこから直接バーレーンに飛ぶ予定だった?

そう、そのとおり。土曜日の便で発つ予定だったんだ。

HP:また(バーレーンに)行く予定はありますか?
いや、すぐには無理だ。でも現在自分たちで行く計画を立てている所だよ。当初の計画がキャンセルされてからも、バーレーンの人たちから来て欲しいっていう声がたくさん届いているからね。

HP:アメリカ国務省のスポークスマンによると、現地にはあなたのファンがたくさんいるんだそうですね。どうしてだと思いますか?

一度も中東に行ったことがないのになんでそうなっているのか、オレ自身不思議に思ってるんだ。だからこそアメリカを代表して現地に行けるのを楽しみにしてたし、1年も準備していたんだぜ? だからキャンセルを知らされたときはかなりがっかりしたよ。

HP:もし自身のサイトでの公式声明を発表していなかったら、もしかしたら実現していたかもしれないと思いますか?

さあ、どうだろうね。わからないな。でもそもそも文化大使として任命されて、文化交流のイベントを予定していたんだぜ? その旅によって行く先の国に対する注目を集めることが目的なのに、今回は注目が集まったことが原因でキャンセル、って言う全く矛盾したことが起こってしまったんだ。そもそものコンセプトとずれてるように思うよ。HP:国務省のどの人物とやり取りをしていたのですか?

彼の名前は伏せておくことにするよ。彼は今回一連のことにかかりっきりになっていて、俺よりもその渦中で対応に追われているはずなんだ。彼に訊きたいことは山ほどあるけれど、それに答える立場に彼は無い。一体誰が直前キャンセルの判断を下したのか、その明確な理由も何もわからないのさ。航空会社からの最終確認をまさにもらった直後の月曜に、突然中止って言われたんだ。こっちとしても当然ちゃんとして説明は欲しいよね。 "不適切だから" とか "判断を誤った" みたいなあやふやな説明じゃなくてね。

HP:国務省がそもそもあなたを招待した理由はなんだったんだと思いますか?

はじめは俺の発言力や講義が理由ってことだった。実際俺はハーバードやイェール大学でも講義を行ったことがあるんだよ。コンサートを行うことが前提だったわけではないんだ。

HP:現地で講義を行う予定だったわけですか?

スピーチって言う程のものじゃないけど、主要な大学には行く予定だった。だけどそれよりも現地の小学校へ行ったり、レコード屋さんにいったり、現地のミュージシャン達とジャムったりするつもりだったんだ。あっちの文化を探訪するってのが目的であって、俺個人の表現や考えを布教させようって言うものでは無いんだよ。

HP:でもあなたの中に通低している哲学を表現するつもりはあったんでしょう?

そりゃね。 "人生を力の限り生き抜いてやれ" っていうのは悪くない考えだからな。

HP:バーレーンという国の現状について何かしらの考えはお持ちですか?

そうだね、実際いろいろと勉強になったよ。とても複雑な事情を抱えている国で、勿論俺はそれを解決出来ると思ってたわけじゃないけれど、でも自分が行くことによって世界中の人々にバーレーンって言う国の存在を知らしめることはできるかなと。友達の中には国名さえ聞いたことがない奴だっているし。そもそも知らせるってことがこの渡航の目的なはずなんだ。計画をキャンセルした人物は、とにかく全部なかった事にしたいんだろうけど、騒動になったおかげで全く逆効果になってしまったね。

HP:このキャンセルを受けておとなしく引き下がるか、もしくは「ちょっと待て」と立ち上がろうと思いましたか?

正直当初はどうしたら良いのかわからなかった。国を代表してバーレーンへ行くってことを誇りに思ったし、使命感を感じていたから。キャンセルと聞いたときはひたすらがっかりしていたよ。でも俺の親父は「引き下がるな、何があったのか話すべきだ。黙ってろなんて言わせておくことないぞ」って背中を押してくれたんだ。実際国務省は一連のことを、全部俺のでっち上げみたいに見せようとしてるみたいだったんだ。でも父が負けるなって言ってくれたのさ。

HP:最初から "でたらめ" や "やらせ" だったと言う人も多いみたいですが、それについてはどう思いますか?

俺自身、招待状もらった当初は信じられなかったよ。だからこそエキサイティングだったし、1年半近くかけて準備して、その間何度も"こんなの実現しっこない"って思ったもんさ。あまりにも素晴らしい話過ぎるし、誰かがプラグを引っこ抜いて「全部嘘でしたー! 」なんて言われるんじゃないかってね。でも少しずつ実現に向かっていったんだよ。それでコレならイケるって手応えが確信になって色んな人たちにこの計画のことを話し始めた途端のこの結果さ。本当にシュールだったよ。催眠でもかけられてるのかと思った。俺だって信じられなかったんだから、疑ってた人たちがいるのも無理ないよ。


HP:インタビューを終える前に、言っておきたい事はありますか?

そうだね、今はまだ気持ちを整理している所なんだ。(キャンセルされたことに関しては)なるべく個人的に受け止めないようにしている。俺個人に関わるような理由でそうなったわけじゃない、ってことはわかっているからね。俺の身の安全のためだったのかもしれないしね。でもいずれにせよ、理由を知る必要があるとは思うんだ。なぜダメになったのか、誰がその最終判断を下したのか? セキュリティの問題なのか? それとも俺の髪が長過ぎるからなのか? あるいはCDのジャケットで鼻血出しているから? もしくはテレビで変な顔したりふざけたりしているから? 自国を代表するのにふさわしいか否かを判断するのならともかく、他国にも口出しするってのは正直いただけないしね。

■関連映像


■関連リンク
クリス・ポーターフィールド、ボン・イヴェールのヴァーノンとの活動を経たその後を語る
ジャスティス、デビュー作と最新アルバムを語る
【ホットリスト】ヒット曲の盗作問題 訴訟になったものから微妙に揉めた10ケース

■関連フォトギャラリー

%VIRTUAL-Gallery-168208%

Permalink

 | Email this | Comments

RSS情報:http://www.fabloid.jp/2012/11/30/andrew-wk-the-state-department-bahrain/