18日、乙武洋匡氏が、予約したイタリアンレストランへの入店を断られたことをTwitterで店名を上げて報告し、"レストランの障害者対応について"が見直されるきっかけとなっている。
乙武氏は、"隠れ家レストラン"である銀座のレストランに予約をし、出かけるも店は2階。しかしそのビルのエレベーターは2階に止まらないため、階段を利用する必要があり、氏は「下まで降りてきて抱えてほしい」と申し出たのだが、 店主から事前にいってもらわないと難しいこと、結局忙しさなどを理由に断られてしまったのだという。
「ひどく悲しい、人としての尊厳を傷つけられるような思いをする車いすユーザーがひとりでも減るように」と、氏があえての店名公開で店側の対応を批判したことにより、この店のことはTwitter上で広く拡散。店側に非難が殺到する事態となった。
その後、非常に狭い階段であることや、少ないスタッフのため対応が難しかったことなどを店主が説明し、「お気分をがいされたと思いますが申し訳ありませんでした。もし次回タイミングが合いましたら是非宜しくお願いいたします」と改めて謝罪すると、乙武氏も「ありがとうございます。ぜひ、次回は事前に車いすである旨をご連絡してからお伺いしますね!」とツイート。氏もとりたてて争うつもりはない姿勢を明らかにしている。
なお、このレストランの店主は、同日中にホームページに一連の騒動の経緯を報告。店は店主と、これからサービスの仕事を覚えていこうとしている働き始めたばかりの子とのたった2人での営業であることや、店のつくりが"車椅子の人にやさしくないつくり"であることを詳細に説明したうえで、
「私の常識の甘さだったんですが車椅子の方は事前に連絡をしていただけると思っていた事などの事情でどうしても今のスタッフスキル、店の形状、当日の状況を考えると乙武様をスムーズに案内してサービスをさせていただくと他のお客様のサービスが滞ると判断し大変申し訳ありませんでしたが、お断りさせていただきました。
偉そうかも知れませんがお客様は皆様お客様です、来店されているお客様に事情をお話してご理解いただいて乙武様を案内すればよかったかも知れません、ただその時はそこまで頭が回りませんでした」
「決して車椅子の方をお断りするつもりはありませんし差別もしておりません。
今日中に各媒体に車椅子の方は事前にご連絡くださいと掲載いたしますので
まことに不自由ですがご連絡をお願いいたします。
ご迷惑おかけしまして申し訳ありませんでした」
と謝罪している。
店側と乙武氏のあいだのわだかまりは沈静化に向かっているが、乙武氏が「お店のスタッフやほかのお客様など『他者の善意や手助け』なしに車いすユーザーが外食できるお店が日本にどれだけあるか、少しでも気に留めていただけたら幸いです」としたとおり、ネット上の議論はおさまらない。
当初は乙武氏のツイートだけを見て、「殿様商売」「この店終わったな」など、店に対する便乗的な批判が多かったが、店主の事情説明と、「お客様は皆様お客様」という言葉を聞くと、「それもそうだ」と考える人のあげる声も大きくなってきている。
「何の準備も無く突然『抱きかかえて上までお願いします』なんて言われても
介助なんかした事無い人が大半なんだから、これは無理でしょう。
ケガさせたり迷惑かける前に『できません』って断った店側に何の落ち度も無い。
助けてもらって当たり前みたいな障害者様の驕りが見える」
「介護職に就いてる人なら慣れてるかもしれないが
抱き抱えて運べっていうのはちょっと抵抗あるな
助け合いとはいえ相手は赤ん坊や幼児ではなく見知らぬ中年男性」
と、突然の対応はやはり難しかったのではないかという声、またTwitter上では障害者、あるいは身内に障害者がいるという人から、
「俺も障害者だけど、乙武氏にはがっかりだわ。抱えて運べとかクレーマーやん(´・ω・`)」
「うちの父ちゃんは私が子供の頃から障害者だけど差別を受けたことはない。(中略)危険な介助は素人が手助けでやるようなものじゃない、障害のある人にとったら落ちたら命にかかわる問題」
という声や、なかには
「うーん、この感覚の差をどう言葉で表現すればいいんだ?
別に私は障害者だけど、誰かに無理してなんかして欲しいとは思ってない。でも障害を理由に何か阻害された時、バリアを貼られた時何かを言う権利は当然あると思うんだけど、それをどう言葉にすべきかイマイチ上手く表現できない」
とモヤモヤする人も。もちろん乙武氏は、フォロワー60万人もいる自分こそが声をあげなくてはという使命感だったのだろうが、障害者かどうかにかかわらず、どんな状態の人にも気持ちよく対応する・あるいは自分がどんな状態でも気持ちよく対応してもらうためには、そもそもの相互理解が深くないと難しい。
タリーズコーヒージャパン創業者でみんなの党所属の参議院議員・松田公太氏は、
「私はタリーズで社長兼店長だった時に、車椅子で来店された方を何度も協力しました。どんなに忙しい時でも。 しかし、それを全飲食事業者に善意で期待するのは無理。 よって障害者差別を禁止する必要がある。人権が普遍的価値だと言っている日本ならマストでしょう。」
と述べるなど、各界からもさまざまな見方が寄せられているところ。少なくとも、乙武氏の"みんなに考えさせるきっかけ"づくりとしての"作戦"は見事に的中しているといえそうだ。
参考リンク
乙武様のご来店お断りについて。(TRATTORIA GANZO)
http://ginzaganzo.com/info/444903
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