米航空宇宙局(NASA)が、Systems & Materials Research Corporation(SMRC)の3D フードプリンタ開発に対し、6か月で12万5,00ドルの助成金を支給したという。
3Dプリンタとは、3次元データを読み込み、平面的に出力される材料を積み重ねていくといった方式で立体を形作るという仕組みで、昨年あたりからにわかに実現味を増してきている。今月になってからは、インターネットを媒体にした武器の開発と情報提供を目指す米国の団体「Defense Distributed」が、世界初の3D印刷による銃を製造。本体はプラスチック製で、「パン!」と実際に撃つことに成功した動画が公開されたほか、同団体は設計図もネット上に公開。これはコンピューターと3Dプリンターがあれば、誰でも銃の部品を製造することを可能にすることを意味するため、米国内外で物議をかもしたものだ。
SMRCのエンジニア、Anjan Contractor氏が語ったところによると、既にクッキーにチョコレートをプリントする装置を開発済み。動画も公開されている。
火星などに長期滞在する宇宙飛行士向けに、3Dプリンタで食事を出力するシステムのプロトタイプ開発にあたるという同氏がニュースサイト「QUARTZ」に説明したところによると、宇宙空間では炭水化物、蛋白質などすべての栄養素を粉末状にして長期保存することが望ましく、各材料ごとに独立したレイヤーでプリントできる"ピザ"が、最も3D プリントに適しているとのこと。
まだまだ開発途中だが、現段階でのピザ生成過程は、まず土台生地を印刷すると同時にプリンターの上で焼き上げながら、トマトパウダーや水、油を混ぜたソース層を重ねていき、最後に肉や乳、植物由来の"タンパク質層"をプリントするという方法。
3D食品プリンタの開発が更に進めば、性別や体調に応じて個人のニーズをプログラムし、最適な栄養価の食事をプリントできるようになるため、世界の食糧難を救うことが可能になるかもしれないと力を込める同氏だが、このニュースを受け、日本のネットユーザーの中には味を気にする人も多数。
「ドッグフードを既存食物の形に変えるようなもんか」
「単なる整形手段だろこれ」
「味はどうなんだよ」...
ちなみに最近、食糧危機に備えた昆虫食が話題となっているが、3D食品プリンタのインクのための"食品代替物"には、藻や草、昆虫なども使われるという。昆虫を食べるのは当たり前、宅配ピザを頼めば、家のプリンタからピザが出力される――なんていう日も、そう遠くないかもしれない。
参考リンク
Chocolate Printing Trial1.mp4(YouTube)
https://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=i6XASxni0I0
The audacious plan to end hunger with 3-D printed food(QUARTZ)
http://qz.com/86685/the-audacious-plan-to-end-hunger-with-3-d-printed-food/
3D printed handgun available for download after successful test-firings(arstechnica)-3D銃の紹介動画
http://arstechnica.com/gadgets/2013/05/3d-printed-handgun-available-for-download-after-successful-test-firings/
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