12月6日、太平洋沿岸の街アトランティック・シティにあるボルガタ・ホテルで、ハリケーンサンディのベネフィット・コンサートを開催したニール・ヤング御大。アルバム『Psychedelic Pill』に伴うツアーの最終日であったこのコンサートの収益は赤十字に寄付されることとなった。

今回のインタビューでは、地球温暖化に関すること、先日マディソン・スクエア・ガーデンで行われた盛大なチャリティイベントに参加するのではなく、何故自らイベントを行ったのかという理由について語ってもらった。

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-まずイベントを開催した理由について教えてください。

ニューヨークの盛大なイベントに参加するよりも、自分のツアー終盤にアトランティック・シティでチャリティを行った方が、実際に現地で何が起こったかってことを強く意識したコンサートになるって考えたからだ。誰もがニュースにばかり気を取られてしまう。そして人間なんて皆すぐに忘れてしまうんだよ。何が起こったのかってことに目を向けて光を向けてやることが大切なんだ。

1番大事なのはどれほどの支援金を集めることが出来るかって話さ。マディソン・スクエア・ガーデンでのコンサートは素晴らしい試みだっただろう。でも俺は俺で別にチャリティの機会を設けることによって、もっと金が集められるんじゃないかと考えた。それに俺らは災害が本当に直撃した場所へ行ってコンサートを行ったんだよ。コンサートを訪れた人々は、それをきっかけに街の様相を知り、片付けにかかりっきりになっている人々の姿、皆が戦っている姿を目の当たりにするだろう。大事なのは忘れないってことなんだ。テレビの報道の全てが悪いとは言わないが、オンエアされた話題なんてどんどん過去へ追いやられてしまうだろう? カーダシアン家のあれこれを取りざたすることよりも、災害地のその後の姿とか、もっと大事なことってあると思うんだよ。-今回の災害が地球温暖化と関連づけられて語られていることについてどう思いますか?

どの専門家に話を聞くかによって答えは違うと思うけど、俺個人は二酸化炭素や大気汚染が気候変動や災害に関連あろうがなかろうが、空気を綺麗にすること自体良いことに決まっている。悪いことと言ったら化石燃料で利益を上げる人々に経済的なダメージあるってことくらいさ。でもこのまま行くと、2050年には1年間の電力消費量が今の倍にはね上がる計算だ。誰もが別の方法をそろそろ考えなくてはならない時期にきていると思う。

反骨精神と激情の塊のようなニールだが、それと同時に理知的に物事を判断するという人物としても知られている。今回の災害に関する彼の意見も例外ではなかったようだ。「むやみに煽ったり声高にチャリティを叫んだりするよりもありのままの状況を伝えるべき」という彼の姿勢。アメリカのミュージシャン達の間でも彼は希有な存在なのかもしれない。

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