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Filed under: Spinner, ホットリスト, ポップス, ロック, Hip Hop・R&B, ダンス・エレクトロ, 音楽
ポップとは今やあまりにも広範囲に及ぶ定義だ。彼女はブリトニーとは全く違うし、世のママ達も彼女の存在は知らない(少なくとも今はまだ)。しかしグライムスには間違いなく、ある種のポップなセンシビリティが宿っており、かつてのビョークがそうであったように簡単には分類できない存在だ。そんな彼女に見えている"ビジョン"がこのアルバム。
女神のようなヴィクトリア・ルグランの声で語られる記憶の岸辺と未来の憧れ、神話や失われた愛、交わらない世界。彼女らはまだその可能性を明かし始めたばかりである。
ロック界今年最大の話題のひとつであった彼ら。草の根的なバンド活動がいつしかメインストリームのリスナーまで獲得してしまった、本当のサクセスストーリーである。何よりも、紅一点でボーカルのブリタニー・ハワードのパワフルな歌声には恐るべき説得力が宿っている。
カナダのインディ界で知らぬものいなかった夫婦デュオ、ハンサム・ファーズは離婚によって惜しくも解散したが、その代わりにダン・ベックナーがスプーンとニュー・ボム・タークスのメンバーと新たに結成したのだこのバンドだ。多様な才能が同居したメンバー達は奇跡のように組み合わさり、本当の意味でのスーパーグループが誕生した。
ナショナルのアーロン・デスナーと組んでの作品。長いツアーで各地を転々とする活動が結実し、まるで遠距離恋愛のカップルのためのロードマップのような作品が完成。過去最高に悲しい楽曲も収録されているが、彼女は確信と強さでもって深い闇へと分け入ってゆく。。
御年78歳、希代の詩人による12枚目の作品。晩年のジョニー・キャッシュのようにまるで自分の人生を総括する墓碑銘のようなアルバム...ではなく、まだまだ今日も未来も見据えた作品であったのが印象的だ。優れた芸術が総じてそうであるように、聴いた後、答えよりも疑問の方が多く残る作品。
ケンドリック・ラマーはインディで支持を獲得し、メジャーなフィールドで成功しても自分の原点である流儀を忘れなかった。自身が育った地元でのギャング達の生活、光と影を生々しく描き出したように、自分の出自を置き去りにはしなかったのである。風格すら漂うトラックと落ち着き払ったように生々しい凄みを纏ったリリックで、ラマーは現在ヒップホップ界最高の才能の持ち主であることを証明した。
青春はいつだって若いうちに無駄遣いされ、気付かないうちに終わると言われるが、それは嘘だ。若さの終焉を感じたとき(例えば就職活動しなければならなかった時とか)そういう瞬間に誰もが一瞬だけ最後の一抹の輝きを放ち、そしてついにその光を失ってしまう。誰もがそうなのだ。いつの時代も決して戻らない青春の終わりを嘆き、怒り、葛藤し、戸惑う若者がいる。その限りジャパンドロイズは支持され続けるだろう。
グラミー賞6部門へのノミネートに本人は「何事だ!? 」と驚いていたが、当のフランク以外は誰も不思議に思っていない。そのくらいに素晴らしい作品だ。カミングアウトが世間の話題をさらうその前から、このアルバムへの期待値はとんでもなかったし、彼はその期待すらをも軽々と上回ってしまった。メランコリーとクール、本当の意味でのソウルと、サイケ、オールド・スクールと先鋭性。そして何よりも圧倒的な歌。
トラブル続きの末にリリースされた前作から7年越しの新作。厳しくも美しい歌が最初から最後まで突き刺さるこのアルバムで、彼女がこの時代で最も重要なアーティストの1人であることを改めて認識させてくれる。次のリリースまで7年もかからないことを祈るばかり...。
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<Spinner>と<AOL Music>編集部が選んだ2012年の傑作アルバム・ベスト50。これまで4回に渡って50位から11位まで発表してきたが、いよいよ最終回。今回は10位から1位までを紹介します。
10.グライムス『Visions』
ポップとは今やあまりにも広範囲に及ぶ定義だ。彼女はブリトニーとは全く違うし、世のママ達も彼女の存在は知らない(少なくとも今はまだ)。しかしグライムスには間違いなく、ある種のポップなセンシビリティが宿っており、かつてのビョークがそうであったように簡単には分類できない存在だ。そんな彼女に見えている"ビジョン"がこのアルバム。
9.ビーチ・ハウス『Bloom』
女神のようなヴィクトリア・ルグランの声で語られる記憶の岸辺と未来の憧れ、神話や失われた愛、交わらない世界。彼女らはまだその可能性を明かし始めたばかりである。
8. アラバマ・シェイクス『Boys & Girls』
ロック界今年最大の話題のひとつであった彼ら。草の根的なバンド活動がいつしかメインストリームのリスナーまで獲得してしまった、本当のサクセスストーリーである。何よりも、紅一点でボーカルのブリタニー・ハワードのパワフルな歌声には恐るべき説得力が宿っている。
7.ディヴァイン・フィッツ『A Thing Called Divine Fits』
カナダのインディ界で知らぬものいなかった夫婦デュオ、ハンサム・ファーズは離婚によって惜しくも解散したが、その代わりにダン・ベックナーがスプーンとニュー・ボム・タークスのメンバーと新たに結成したのだこのバンドだ。多様な才能が同居したメンバー達は奇跡のように組み合わさり、本当の意味でのスーパーグループが誕生した。
6. シャロン・ヴァン・エッテン『Tramp』
ナショナルのアーロン・デスナーと組んでの作品。長いツアーで各地を転々とする活動が結実し、まるで遠距離恋愛のカップルのためのロードマップのような作品が完成。過去最高に悲しい楽曲も収録されているが、彼女は確信と強さでもって深い闇へと分け入ってゆく。。
5.レナード・コーエン『Old Ideas』
御年78歳、希代の詩人による12枚目の作品。晩年のジョニー・キャッシュのようにまるで自分の人生を総括する墓碑銘のようなアルバム...ではなく、まだまだ今日も未来も見据えた作品であったのが印象的だ。優れた芸術が総じてそうであるように、聴いた後、答えよりも疑問の方が多く残る作品。
4.ケンドリック・ラマー『good kid m.A.A.d city』
ケンドリック・ラマーはインディで支持を獲得し、メジャーなフィールドで成功しても自分の原点である流儀を忘れなかった。自身が育った地元でのギャング達の生活、光と影を生々しく描き出したように、自分の出自を置き去りにはしなかったのである。風格すら漂うトラックと落ち着き払ったように生々しい凄みを纏ったリリックで、ラマーは現在ヒップホップ界最高の才能の持ち主であることを証明した。
3. ジャパンドロイズ『Celebration Rock』
青春はいつだって若いうちに無駄遣いされ、気付かないうちに終わると言われるが、それは嘘だ。若さの終焉を感じたとき(例えば就職活動しなければならなかった時とか)そういう瞬間に誰もが一瞬だけ最後の一抹の輝きを放ち、そしてついにその光を失ってしまう。誰もがそうなのだ。いつの時代も決して戻らない青春の終わりを嘆き、怒り、葛藤し、戸惑う若者がいる。その限りジャパンドロイズは支持され続けるだろう。
2. フランク・オーシャン『Channel Orange』
グラミー賞6部門へのノミネートに本人は「何事だ!? 」と驚いていたが、当のフランク以外は誰も不思議に思っていない。そのくらいに素晴らしい作品だ。カミングアウトが世間の話題をさらうその前から、このアルバムへの期待値はとんでもなかったし、彼はその期待すらをも軽々と上回ってしまった。メランコリーとクール、本当の意味でのソウルと、サイケ、オールド・スクールと先鋭性。そして何よりも圧倒的な歌。
1. フィオナ・アップル『The Idler Wheel...』
トラブル続きの末にリリースされた前作から7年越しの新作。厳しくも美しい歌が最初から最後まで突き刺さるこのアルバムで、彼女がこの時代で最も重要なアーティストの1人であることを改めて認識させてくれる。次のリリースまで7年もかからないことを祈るばかり...。
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