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マー君こと楽天・田中投手の開幕12連勝が話題を呼んでいるが、さかのぼること8年前の2005年、プロ野球タイ記録となる開幕15連勝を達成し、「絶対的エース」と呼ばれた男がいたのを覚えているだろうか。野球を知らない人には「スザンヌの旦那」と言った方が通りがいいかもしれないが、野球ファンの間では「復活を望む選手」として今も真っ先に名前が挙がる伝説の投手・斉藤和巳だ。

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1995年にドラフト1位で福岡ダイエーホークス(現・福岡ソフトバンクホークス)へ入団。期待の高卒ルーキーながら肩の故障が多く、プロ初勝利を収めたのは2000年。その後もたびたび右肩痛に悩まされ、伸び悩んでいた斉藤が突如覚醒したのが03年だった。

初の開幕投手を務めたこの年、斉藤はプロ野球新記録となる先発16連勝を記録。結局20勝をマークし、最多勝、最優秀防御率、最高勝率、ベストナイン、沢村賞などのタイトルを総ナメ。そして06年には先述のとおり開幕15連勝、最終的には18勝をマークし、パリーグ史上初となる2度目の沢村賞を獲得。同年のプレーオフでは、第2ステージ(対日本ハム戦)の第2戦に先発したもののサヨナラ負けを喫し、悔しさのあまりマウンド上で号泣。チームメイトに支えられながらマウンドを後にする姿は、球史に残る名場面として今でも語り継がれている。

その後、右肩痛との戦いが再びスタート。08年にアメリカで右肩腱板修復手術を受けて以来、現在に至るまでリハビリの日々が続いている。実質的に活躍したと言えるのがわずか4年間に対し、リハビリを開始してから早6年目。"プロリハビリスト"と(時にはブログ更新頻度の高さから"プロブロガー"とも)揶揄されながらも、地道に努力を続けてきた斉藤の姿を追った「もう一度、あのマウンドへ。斉藤和巳 復活への想い。」と題された動画が公開され、話題を呼んでいる。

【動画】「もう一度、あのマウンドへ。斉藤和巳 復活への想い。」


「僕の中では2006年の札幌(日ハム戦)の時で、何か止まっている感じはします」という本人の声とともに、斉藤がマウンド上に崩れ落ちる当時のサヨナラ映像からスタートするこの動画。続いて13年、熊本にてひとり黙々とリバビリに励む姿が映し出され、「正直何回も、もういいかなとか、アカンかなとか...それはしょっちゅうありますね」と、かつての大エースが赤裸々にリハビリの苦悩を告白。

「ここまで野球が好きだとは思っていなかった。それに気付けたときに、じゃあボロボロになるまでやっても、悔いはないやろなって」「見返したい。見返せるかどうかわからないけど、とりあえず行けるところまで行ったると」と、復帰にかける強い意志もあらわに。

最後に、「野球とは、人生の師」と言い、笑顔を見せる斉藤。野球への、復活へのアツい思いを目の当たりにしたファンからは、「番組の最後にみせたその笑顔...もう一度マウンドの上でみせて頂きたいです!」「また20勝してほしい」と彼を後押しする声が挙がっている。

ダイナミックなフォームから繰り出されるMAX152キロのストレートと、高速フォークをはじめとした圧倒的な変化球、気持ちを前面に押し出したピッチングで多くのファンを魅了し、記録にも記憶にも残った斉藤。"世界の王"こと王貞治氏に「投手の神様が降臨しているようだ」と言わしめ、投手王国・中日を作り上げた名将・落合博満氏も「斉藤こそが球界で最も優秀な投手」と大絶賛した彼が、いつかまたあの鮮烈すぎる輝きをマウンド上で見せてくれるのを信じて、"プロリハビリスト"卒業まで温かく見守りたいものだ。

【参照リンク】
・adidas baseball 野球が好きだ。
http://adidas.jp/baseball/kazumi/

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