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【レビュー】『ウルヴァリン:SAMURAI』は旧X−MENの復活、新シリーズへの鍵を握る(杉山すぴ豊)
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【レビュー】『ウルヴァリン:SAMURAI』は旧X−MENの復活、新シリーズへの鍵を握る(杉山すぴ豊)

2013-08-21 13:30
    Filed under: 国内, AOL限定, カルチャー, 映画, アフター5, トピックス

    SNIKT!(原作コミックで ウルヴァリンの拳から爪がとびだすときの擬音)
    『アイアンマン3』『マン オブ スティール』の後、2013年のアメコミ系スーパーヒーロー映画の大トリを務める『ウルヴァリン:SAMURAI』!皆さん、安心してください!!"鉄の男たち"の大活躍をうけ、我らが"アダマンチウム男"は、ビシっと決めてくれました!以下、極力、ネタバレのないようにレビューです!

    wol.jpg
    まず、この作品は、
    ①X-MEN映画ではない
    ②これからの、X-MEN映画サーガの重要なパートを担う映画である

    ということです!

    ウルヴァリンのスピンオフ第二弾ですが、前作「ウルヴァリン:X-MEN ZERO」(09)とは大きく異なる作品です。「ウルヴァリン:X-MEN ZERO」は、やはり"X-MEN ZERO"部分に、やや重きがおかれていて、X-MEN映画の1バリエーションという感じでした。

    しかし、本作「ウルヴァリン:SAMURAI」は、あくまで、ウルヴァリンというキャラクターの魅力・面白さが反映されたアクション映画であり、とても良く出来た"スピンオフ"なのですね!
    その意味において、X-MEN映画ではないわけです。

    というのも、09年版では、というか、今までのX-MEN映画では、ウルヴァリンが戦うのはミュータントであり、愛する女性もミュータントでした。
    従ってアクションの見せ場も、ミュータントVSミュータントの超人バトルだったし、恋愛部分も、男と女というより、ミュータント同士の共感性が根底にあったように思います。

    wol1.jpg


    しかし、「ウルヴァリン:SAMURAI」は、戦う相手も、愛する女性たちも、ミュータントではなく、普通の人間なのです。なので、
    "超能力をもったヒーローが活躍する、近未来SF・アクション"ではなく
    "特異なスキルを持ったタフガイが活躍する、男気系バイオレンス・アクション"として仕上がっています。

    なによりも僕らが観たかった、ワイルドでハードなウルヴァリンの肉弾戦をタップリ見せてくれます。
    そう!ミュータントと戦うウルヴァリンよりも、「X-MEN2」(03)で、エグゼビアの学園に、特殊部隊が突入して、それをバッサ バッサとウルヴァリンが倒していく、あのテンションが好きな方なら、
    とにかくウルヴァリンと、日本の武装集団との、増上寺 アキハバラ 新幹線 までの市街戦に燃えます!

    この新幹線までの壮絶アクションのあと、日本人マリコとウルヴァリンの心のふれあいのドラマになります。
    日本ロケ=鞆の浦(とものうら)の風景が、きいていてちょっと微笑ましい2人の逃亡生活が描かれます。(映画の設定では"長崎"の港町です)

    今回、マリコ役のTAOさんは、女優初挑戦だそうですが、このマリコ素敵です。
    大変失礼な言い方なのですが、観ているうちに、ドンドン彼女のことが好きになってしまいました。
    雰囲気があるんですね。そして、ウルヴァリンを守る「くの一」ユキオ!
    福島リラさんが、クールかつキュートな女忍者をつくりだしてくれました!
    アクションもかっこいいし、ウルヴァリンのパートナーとして大活躍するのです。
    ユキオに、絶体絶命のピンチがおちいったときに、ウルヴァリンが「俺の友だちに手を出すんじゃねえ!」とユキオを助けます!
    このシーン、心からしびれました!

    wol2.jpg



    というのも、ウルヴァリンの、そのコトバ、その気持ちに、まさに「意義なし!」
    それくらい、ユキオは、ウルヴァリンのために、けなげに そして 頼もしく戦うのです!
    彼女のフィギュアが欲しい!

    この映画は、構成もよくできていて、この鞆の浦(とものうら)のシーンのあと、ノンストップ・アクション展開!
    真田広之さん、忍者、妖艶なミュータント、お待たせしましたシルバーサムライとのバトルが展開されます!
    このあたりは、いわゆるザッツ スーパーヒーロー映画なのですが、この映画のトーンを壊すこともなく、盛り上がります!

    シルバーサムライの設定は、原作コミックと大きく変えてあるのですが、「アイアンマン3」のマンダリンほど極端ではなく、またちゃんと"強敵"しているのでご安心ください!

    今までのX-MEN映画が、いずれも "ミュータントと人類との確執"というテーマから逃げていなかったので、SFアクションでありながらも、ディスカッション映画的な要素があったわけですが(=そこが、このシリーズの魅力なのですけど)、本作は、その呪縛からぬけ、ウルヴァリンという素材の良さを活かしきっていると思います。

    では、X-MEN映画の伝統を、本作が断ち切っているのか?
    というとそうでもない!

    wol3.jpg



    むしろ、06年に一度終わった、旧X-MEN映画三部作を復活させる役割を本作は担っているのです!
    まず、この作品が、06年の「X-MEN:ファイナル・ディシジョン」のストレートな"続編"である、ということです。

    「X-MEN:ファイナル・ディシジョン」で、最愛の女性ジーンを殺したことで、完全な世捨て人となったウルヴァリンが、自分を取り戻す物語なのです。
    僕は「X-MEN:ファイナル・ディシジョン」を、高く評価しているので、「ウルヴァリン:SAMURAI」が、その流れを引き継いでいることが素直にうれしかった。

    そしてエンド・クレジットの途中に、お楽しみシーンが挿入されているのですが、これは来年公開予定の次回作「X-MEN:デイズ オブ フューチャーパスト(原題)」につながるのです!
    センチネルズへの伏線もお見逃しなく!

    「X-MEN:ファイナル・ディシジョン」で心が折れたウルヴァリンが、
    「ウルヴァリン:SAMURAI」で立ち直り、そして
    「X-MEN:デイズ オブ フューチャーパスト(原題)」の戦いに向けて立ちあがる・・・

    そういう意味で、「ウルヴァリン:SAMURAI」は、
    これからのX-MEN映画サーガの重要なパートを担う映画
    なのです。

    4年ぶりの、ウルヴァリンとの再会!心から楽しんでください!傑作です!!!
    (杉山すぴ豊)

    【参照リンク】
    ・『ウルヴァリン:SAMURAI』公式サイト
    http://www.foxmovies.jp/wolverine-samurai/

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