研究が進んだおかげで、これまで多くの海の生物の正体が明かされてきたが、まだまだ私たちの知らない生物は存在する。特に水深数百メートルの深海生物は生で見る機会がほとんどないため、謎の多い領域だ。
その1つがトックリイカ(学名:グリマルディテウシス・ボンプランディ(Grimalditeuthis bonplandi)なる、深海に生息するイカ。学名の由来はモナコ公家・グリマルディ家(Grimaldi)とフランス科学者エメ・ボンプラン(Bonpland)から来ているという。
トックリイカはこれまで、自然の中で観察されたことのない生物だった。そのため、このイカを目にするのは巨大な魚やクジラの腹を裂いた結果(つまり死んで消化途中の状態)であることが多かったのだ。だがついに、完全な状態でその姿をとらえることに成功した。
【動画】神秘的! 深海を漂うトックリイカ(音声なし)
ネット上でも「とても美しく、魅惑的な生物だ」と感嘆の声が
ほとんどのイカには通常、食べ物をつかむための吸盤付きの触腕が2本あるのだが、トックリイカのそれはか細く、本来の役目を果たしているのか疑問視されているという。
ドイツ、キールにあるヘルムホルツ海洋研究センターでイカの研究をしているヘンク・ヤン・ホビング氏は、「トックリイカが何かを捕食しているのを実際に見た人はいません。そのため、その行動形態を断定することもできないのです」と語る。「しかしながら、トックリイカの動きはとても印象的で、小さな海洋生物のそれに良く似ています」
水深1,000メートルか、さらに深い深海に生息すると言われるトックリイカ。今回完全な姿が明らかになったものの、その生態にはまだまだ謎が多い。
【参照リンク】
・Deep-Sea Squid's Tentacles Help Animal Attract Prey, New Research Shows (VIDEO)
http://www.huffingtonpost.com/2013/08/29/deep-sea-squid-tentacles-attract-prey_n_3830898.html?utm_hp_ref=weird-science
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