ブルース・リーの唯一の師匠と呼ばれた中国の伝説的武術家・葉問(イップ・マン)。彼の晩年の姿を、人間ドラマと、もちろん武術アクションたっぷりに描いた映画『イップ・マン 最終章』がいよいよ9月28日より公開される。イップ・マンを演じたのは、香港を代表する名俳優アンソニー・ウォン。彼に突撃インタビューを行った。
現在最強のアクションスター、ドニー・イエンが演じ世界的に注目されたイップマン。今年公開されたウォン・カーウァイ監督『グランド・マスター』ではトニー・レオンが演じていたりと、これまで数多く作られてきたイップ・マン映画だが、そんな現状にともすればプレッシャーを感じてしまいそうだが、そこはさすが香港の名優、「ストーリーも違えば内容や撮影の方向性も違うし」とまったくプレッシャーに感じなかったそうだ。その上でイップ・マンの役作りについて、こう明かしてくれた。
「彼と直接お会いしたことはないが、写真と彼の弟子の話からその"凄さ"が分かりました。当時のイップ・マンさんの写真は、見るだけで大御所のオーラが漂っていますからね。この役は自分にとって相当難しいと覚悟しましたよ」。
外見の違いは明らかなので、仕草などから役作りを始めたというウォン。「彼と肩を並べるのは恐縮。彼の落ち着いていて紳士的なところは、私が一生かけても追いつけない」と謙遜していたが、本編を観たらおわかりのとおり、その存在感、オーラは本物のイップ・マンに負けず劣らずだ。
本作で、香港映画ファンにとって見逃せないポイントのひとつが、『インファナル・アフェア』でも火花を散らしたあのエリック・ツァンとの共演だ。予告編にも出てきたが、ツァン演じる白鶴派宗師のン・チョンと、ウォン演じるイップ・マンの闘いのシーンはまさにこの映画の見所。
「エリックはカンフー殺陣師出身なのでカンフーの基礎が備わっており、動きのある場面での経験もありました。それに彼は小柄だけど、動作の大きいカンフーを演じる時は迫力がありましたよ。撮影中、意図せず彼のおしりを殴ってしまったんですが、とても柔らかくて驚きました(笑)」と貴重な撮影裏話も。
一方、本作のクライマックスともいえるラスト暗闇の雨の中の闘いシーンは、撮るのにとにかく苦労したそうだ。
「大型扇風機の風に吹かれビショビショになりながら、狭い場所で格闘シーンを撮らなくてはならなかったからとにかく大変でしたね。でも大雨の中で本気で闘うのは、子供の頃、暴風雨のさなか外で遊んでいるような感覚を思い出しました」。
撮影の1年も前からカンフー用の丸太を担いであちこち赴き役作りに励んでいたウォンが問答無用の入魂演技を見せた映画『イップ・マン 最終章』。壮絶なアクションと深い人間ドラマをぜひ劇場で堪能してほしい。
『イップ・マン 最終章』は9月28日(土)より新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー!
【参照リンク】
・『イップ・マン 最終章』公式サイト
http://www.ipman-final.com/
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