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大ヒット『凶悪』の原作者、宮本太一「確かに取材を楽しいと感じている自分がいた」
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大ヒット『凶悪』の原作者、宮本太一「確かに取材を楽しいと感じている自分がいた」

2013-10-04 10:30
    Filed under: 国内, カルチャー, 映画, デイタイム, トピックス

    公開中の『凶悪』の原作「凶悪-ある死刑囚の告発-」を手がけ、山田孝之演じるジャーナリスト、藤井修一のモデルである宮本太一氏に、映画の感想を直撃! 俳優たちの凶悪演技は「実物以上!」と太鼓判を押す一方、当時、藤井に近い心境だったことも激白した。

    映画『凶悪』より
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    (C)2013「凶悪」製作委員会
    ある死刑囚の告発を受け、世に出ていない殺人事件の調査を始めたジャーナリストが、取材を進めるうちに告発に信憑性があることを確信。取り憑かれたように取材に没頭して行く姿を描く。宮本氏は「わたしの原作は参考文献で、映画は、あくまでも別の作品」とした上で、「長い話を非常に上手く、効果的にまとめていると感心しました」と好意的な感想を抱いたことを明かす。
    「わたしは普段活字の世界で生きている人間ですが、俳優が演技で躍動し、セリフを言い、効果音も入った本作を観た時、改めて映画は総合芸術だと感じました。率直に面白かったです」と太鼓判も押す。凶悪演技が話題のリリー・フランキー、ピエール瀧についても、「実物以上に邪悪さが出ていましたね(笑)」と評した。

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    また、自身がモデルになっている藤井を観た感想は、「彼のようにあそこまで狂気に取り憑かれていることはなかったですよ。映画的な誇張でしょう(笑)」と他人事のように言いながらも、「ただ、自分も正常じゃない側面はあったかもしれないですね」と衝撃の告白も!
    実は今にして思えば取材中、妙なアドレナリンが出ていたと明かす。最初に脚本を読んだ際、実在した連続殺人鬼を追った記者を描いた映画『ゾディアック』(06)を連想したともいう。
    「まさしくおっしゃる通りで、記者は裏が取れれば記事化に向けてコトが進み、そこにカタルシスを感じて歓喜するものです。それが殺人事件なのに、です(苦笑)。そういう僕の裏面を監督(白石和彌)は見抜いていて、あえて誇張することで観客にわかりやすく伝えようという演出をなされたのだと思います」。

    インタビューに答えてくれた宮本太一氏
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    それでも藤井のように、「編集長の命令を無視して、勝手に動くことはなかったですが(苦笑)」と淡々と地味に取材活動を行っていたことを強調する。ただ、映画を観ていて途中までは客観的に娯楽作品として堪能していたが、すべてを見透かすような強烈なセリフに直面し、思わず言葉を失ったと、宮本氏は最後に告白した。
    「被害者がいるので不謹慎ですが、確かにこの取材を楽しいと感じている自分がいたなと思い起こされたわけですね。藤井の妻を演じる池脇千鶴さんが、"あなた、こんな狂った事件、追っかけて、楽しかったんでしょう?"と言うシーンがありますが、あれはまさしくスクリーンを通して僕に現実を突きつけていると思いました(笑)」。

    この宮本氏の想いを汲み、その上で映画『凶悪』を観れば、また一味違う印象を抱くはず。事件が人々の関心を集め、好奇心を煽る理由は何か? 映画を観て肌で感じてほしい。

    映画『凶悪』は、大ヒット上映中!

    【参照リンク】
    ・『凶悪』公式サイト
    http://www.kyouaku.com/

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