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2013年の秋冬、おそらくは出版界の最大に"景気がいい"ニュース。それは、2013年11月21日発売の『Neo Hills Japan(ネオヒルズジャパン)』(双葉社)の創刊に違いない。表紙は、「秒速で1億円稼ぐ」らしい与沢翼。「我稼ぐ、ゆえに我あり。」のキャッチフレーズの下、圧倒的な存在感で表紙モデルとしての風格も抜群だ。

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そんな与沢氏のパートナーであり、「彼女に5000万円出資したら、10億の会社が50億になった」と経営のセンスも賞賛される山田るり子は、著書『「お金持ちになる彼」を見つけて、育ちました』の中で、二人の交際中の実体験からお金持ちをゲットするのではなく、お金持ちになる素質のある「彼」を見つけて、育てて、一緒に成長していくことこそが女性の真の幸せであると説いている。

表舞台で活躍する男性を影で支えるという、いわゆる「内助の功」から進化して、私も彼と一緒に成長(活躍)するのよ!という奥ゆかしくも実は野心的な主張がそこにはある。しかし、そんな「ガンガン行こうぜ」的幸せを維持するために、彼女が日々心がけていることは、「彼が話したいことのすべてを聞く」「彼の好きな料理をおさえる」「こまめなメールがふたりの時間をはぐくむ」「もめごとはひとつもいいことなし」と、実に古風で"いじらしい"と言ってもいいぐらい。

なかでも特に"いじらしい"のが、彼女が「魔法の紙」と呼ぶ幅7.5センチほどの正方形の「付箋」。これに、「タワーマンションでひとり暮らしをしたい」「オープンカーに乗りたい」「親孝行をしたい」等々と将来の夢を書いて持ち歩いて、自分の潜在意識に刷り込んでいくのだとか。こうすると、自分が今何をすべきかが明確になり、「美容院に出かける」「ダイエットする」「より素敵な笑顔の練習をする」という具体的な行動につながるのだという。壮大な理想と、そのためのファンシーな具体目標とのアンバランスさに面食らうが、実際にその夢を実現してしまっているのだから侮れない。

この、夢や理想を紙に書くという行為自体は、「思考は現実化する」という文脈で、自己啓発書でもしばしば取り上げられることだが、これが最近女子高生の間でも流行っているのをご存知だろうか? 日本のギャルの愛読誌『Popteen』(角川春樹事務所)では、しばし読者モデルによる「自分磨きノート」という特集が掲載され、人気を博している。これも、例えば「モデルとして有名になる」という目標を書いて、「1ヵ月で3kg痩せる」という物理的なことから、「周りの人に優しくする」という精神的なものまで、そのためにやるべきことを書いていくという。

安易なものと一笑に付す人もいるかもしれないが、元『Popteen』読者モデル出身の益若つばさ、小森純、鈴木奈々などは、タレント活動はもちろん商品開発やプロデュース業でビジネスウーマンとしても成功している。山田自身も、10代の頃から読者モデルとして活動していたというし、ギャルの成功と自己啓発は意外と親和性が高いのかもしれない。

【書籍データ】
・『Neo Hills Japan (ネオヒルズジャパン)』 双葉社

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