『ロード・オブ・セイラム』ホラー界カリスマ、ロブ・ゾンビ、ホラー映画はもう撮らない？
メタルロックの帝王であると同時に、『ハロウィン』シリーズなどの監督としても知られるホラー映画界のカリスマ、ロブ・ゾンビ。彼が2009年の『ハロウィンⅡ』以来、3年ぶりに監督＆脚本を務めた完全オリジナル映画が現在絶賛公開中の『ロード・オブ・セイラム』だ。魔女狩り、悪魔崇拝、宗教冒涜をロブ・ゾンビ節満載で描いた本作について、監督本人に緊急インタビューを敢行。たっぷり語っていただいた！
ロブ・ゾンビ監督
1692年、アメリカのマサチューセッツ州にある片田舎セイラムで、実際に200人近い女性が魔女として告発され、25人の死者を出したという黒歴史"セイラム魔女裁判"をベースにした本作。極彩色でサイケなビジュアルに耳に焼きつくノイズ、トリップ度ぶっちぎりのまさにロブ・ゾンビ真骨頂となったわけだが、そもそもなぜセイラムの魔女裁判をテーマにしたのか、彼はこう明かしている。
「前から興味があったんだよ。僕がマサチューセッツ育ちってのもあったしね。あそこは魔女裁判を演じる芝居や博物館があったりするくらい身近なものなんだ。そういうのが子どもの頃の記憶として残っていたのは確かだ。ただ、しばらく忘れていて、地元で結婚式があったときに魔女裁判の本を手にして読んだことがきっかけで、興味をもち始めてリサーチし、映画になるかもしれないと思ったんだ」。彼の生い立ちにまで遡る深い背景があった模様。
さて、既にこの作品をご覧になったロブ・ゾンビファンはお気づきかと思うが、『ロード・オブ・セイラム』はこれまでの彼の作品とはちょっと作風が違う。これについてゾンビ監督いわく「とにかく誰も撮ってないホラー映画を撮りたかった」そう。イメージしたのは70年代のシュールなホラー映画で、「こんなに自由に作れる映画はもう一生ないかもしれない」と言うほどやりたいことが実現できたようだ。
もはやアートの域
主人公ハイジ役はロブ・ゾンビ監督の妻シェリ・ムーン・ゾンビ！
なんだか大変そうです・・・
ちなみにそんなロブ・ゾンビが好きなホラー映画はなんなのだろうか。この質問には、「30年代のジェームズ・ホエール監督！」と即答が。「『フランケンシュタイン』や『フランケンシュタインの花嫁』、『透明人間』なんかも最高だね。一時期のロメロ監督も好きだった。『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』とか。あとトビー・フーパーの『悪魔のいけにえ』も大好きだ。キューブリックやポランスキーなんかも好きだね」。
さて、気になる次回作についてもしっかり聞いたのだが、なんと次は実在のアイスホッケーチームを描いたスポーツものになる予定だとか！
「フィラデルフィア・フライヤーズというチームの話で、アメリカのホッケーで一番有名なスタンリーカップという試合があるんだけど、屈強なロクでもないプレイヤーばかりを集めて暴力的な形で勝ち上がったという実話を撮るつもりさ」とさわやかに教えてくれたが、まさかちらほら聞こえていた"ホラー映画はもう撮らない"という噂は本当・・・？
「しばらくはホラー映画は撮らないと思うよ。ホラー映画しか撮れない映画作家と思われたくないんだ。僕はホラーに限らず、コメディもドラマもスポーツものも大好きだし、実際自分ではホラー以外の作品に向いてるんじゃないかと思っているんだよ。これまで作ったホラー映画でも、ドラマやキャラクターのシーンを撮っているほうが好きだったしね」。
ゾンビ監督のホラー作品が好きだったファンにはちょっと残念かもしれないが、しばらくロブ・ゾンビホラーが観れなくなるなら尚更この最新作『ロード・オブ・セイラム』は観ておくべき！これまでロブ・ゾンビを知らなかった人も、このサイケでトリップ感覚満載の未体験ホラーワールドは体験する価値絶対ありだ。
映画『ロード・オブ・セイラム』は大ヒット上映中！
【参照リンク】
・『ロード・オブ・セイラム』公式サイト
http://www.salem.jp/
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