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インドからイマジネーションの限界を超えた映画が海を渡ってやってきた。その名も『マッキー』。マッキーとは、ヒンディー語で"ハエ"を意味する。

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物語は猪突猛進ロマンティック野郎ジャニとツンツンツンデレヒロイン、ビンドゥの恋から始まる。ジャニは2年間片思いしており、ビンドゥに危ないくらいの猛アプローチ。ビンドゥもまんざらでもなさそうなのだが、とにかくジャニの想いを引っ張りまくる。観ているこっちはじれったいことこの上ない。そこに現れるのが建設会社の社長スディープだ。ビンドゥは恵まれない子どもたちを支援するNGO団体で活動をしていて、資金集めに奔走していたところだった。社長は多額の寄付をするのだが、その動機はもちろん下心。スディープは世の中の女は全員金で転がせると思っている、ザ・悪い社長だったのである。しかも、場合によっては手段を択ばない残忍な性格のオプション付き。

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スディープは金にものを言わせ、ビンドゥを取り込もうと必死になるが、いかんせんなびかない。おかしいぞ、原因は一体なんなんだ。...ジャニだ。彼女はジャニを疎ましく思いながらも、好意は持っている。本来ならば好きにやってくれ、そう思うはずだが、もう自分のものにならないと気が済まないジャイアン社長。ということでジャニは殺してしまおう、嬉しいくらいの過激派だ。

すんでのところでビンドゥと結ばれるはずだったが、社長に拉致られ、殺されるジャニ。死ぬ直前にビンドゥからは「I Love you.」のメール。これはもう死んでも死にきれないよ!ということで彼は執念で輪廻転生(ここがインドっぽい)。彼の生まれ変わった姿、それこそが"マッキー"=ハエだったのだ。ハエになっても人間のときの記憶が蘇り、失意のビンドゥに忍び寄るスディープ。ハエは思う、自分を殺したこいつに復讐してやる!かくして、ハエによる倍返し、いや、バエ返しが始まるのである。

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ハエがどうやって人間に復讐するのか、想像するのは難しいが、観るとああ、なるほど!というアイディア満載の攻撃が始まる。メインとなるのが"羽音"。あの「ブンブン」と文字通り五月"蠅"い音だ。この羽音が耳元でブンブンブンブン。結果、何が起こるのかは劇場で観てほしいのだが、例えるなら『ホーム・アローン』のトラップや『ファイナル・デスティネーション』の死にざまを観ているようなコミカルな感覚が楽しめる。

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ハエによる攻撃以外にも面白い画がふんだんに盛り込まれている。ハエの筋トレ、ハエのダンス、ハエ目線の攻防戦。しかしこの映画のすごいところは画的な面白さに終わらないところ。とにかくお話が面白い!復讐譚だけあって最後はスカっと!それでいて純愛にもう泣ける泣ける。ハエにここまで感情移入させる手腕は恐るべしインド映画。インドではもちろん、ここ日本でも嫌われるハエだが、多分この秋から皆さんの接する態度は変わるかもしれません。日本語吹き替え版も上映で悪役スディープを俳優の中村獅童が務めており、これもまた堂に入っていて面白いので、こちらも楽しんでいただきたい。

私的お気に入りは最後の炎×ハエ。美しいまでの観バエ(映え)が最高!御後がよろしいようで。

映画『マッキー』は10月26日(土)よりTOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国公開

【参照リンク】
・『マッキー』公式サイト
http://masala-movie.com/makkhi/

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