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日産の常識を破壊するアツすぎる男に直撃、「目標未達なら坊主ですね!」
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日産の常識を破壊するアツすぎる男に直撃、「目標未達なら坊主ですね!」

2013-11-11 17:30
    Filed under: 国内, 暮らし・車, トピックス

    日産自動車といえば「技術の日産」というフレーズが示すように、マジメでお堅いイメージがある。
    ところが最近、日産はそんな印象をひっくり返すようなイベントを、Facebookなどのソーシャルメディアを通して展開しているのだ。


    たとえば、クルマを持っていないイケメンと、日産ノートに乗るモテないクン、どっちが女の子のハートを射止めるかを競う「検証!クルマで人はモテるのか?」という企画を行ったり、読者から企画を募集し、いいものがあったら買い上げる「『2.3万円』で、あなたの企画をお買い上げします。」というキャンペーンを開催したりと、ネットベンチャーでも手を付けないような過激でオモシロな企画に次々とチャレンジしている。



    この企画は「日産」が「本気のチャレンジ」をすることから「にっちゃん」と名付けられているのだが、その名の通り、本気でガチの企画なので、例えば「検証!クルマで人はモテるのか?」の企画では、結局クルマを持っていないイケメンが勝ってしまったりと、これでマーケティングに役立っているのだろうかと心配になってしまう結末を迎えることもある。

    「にっちゃん」の編集長を務めるのは、放送作家の鈴木おさむ氏であり、鈴木氏ならではのオモシロ企画が次々と放たれているのだが、そもそもこの企画を取り仕切っているのが、日産マーケティング本部の柳信秀氏。そしてこの男、ものすごくアツいのだ。



    インタビューの冒頭、写真撮影を依頼したところ「人前に出るのが苦手なので」と恥ずかしそうにドアのすき間からポーズをとった。


    <「恥ずかしがり屋なもんで、写真はこれを使ってください」と語る柳氏>

    いやいや、奥ゆかしすぎて逆に悪目立ちしてないか、と思わなくもないが、そんな奥ゆかしさからは想像もできないような、アツい闘志を秘めているのだ。

    柳氏は1992年の入社後、2年間の販売店研修を経て、その後は20年近く広告宣伝畑一筋に歩んできた。
    そんなマーケティングのプロフェッショナルが目をつけたのは、ソーシャルメディアである。
    もちろん今の時代、企業がソーシャルメディアに目をつけるのはめずらしいことではない。
    ただ、柳氏の目指すところは、一般的な「企業のソーシャルメディア活用」とは違っていた。

    「やるんなら、本気で、しかもおもしろいことをやりましょう」

    社員が片手間でSNSにトピックを投稿するような、ありきたりのソーシャルメディア活用ではなく、プロジェクトチームを組み、「本気でチャレンジ」したのだ。
    その第一歩として、鈴木おさむ氏を「編集長」という立場に据え、これまでの日産の常識にとらわれない、面白くて本気の企画を次々に打ち出してきたのだ。



    もちろん、「本気でチャレンジ」するからには、それ相応の予算が必要になってくる。

    「企画提案の際、目標の『いいね!』数を設定し、そこから推定されるディーラーへの来店者数、クルマの購入者数を上司に提示して説得しました」

    そのかいあって、例えば日産の公式Facebookページでは、現時点で740万いいねを越えている。これはものすごい数字だ。

    「おかげさまで、目標を大きく上回っています。でも、今の企画がちょっと大変なんです」

    ここで、今までにこやかだった柳氏が、表情を曇らせた。
    「今の企画」とは、現在進行中の「30DAYS with DAYZ」のことである。
    一般公募した7人の女性に、30日間日産の軽自動車「DAYZ」に乗ってもらい、そのうち何人がDAYZを購入するかを当てる、という企画だ。



    「『30DAYS with DAYZ』は、企画段階で購入者数の目標を上司に報告しているんです。その目標を達成できないと『クビ』だと言われていて......」
    「まあ、いきなり解雇って事はないと思いますが、プロジェクトチーム解散なんてことにもなるかもしれません。それは避けたいので、なんとか丸坊主くらいで勘弁してもらうつもりです」

    その目標購入者数は「企画のキモ」ということで教えてもらえなかったが、どうやら結構高いハードルらしい。

    「あー! なんでこんな大変な企画始めちゃったんだろう。」

    この企画、モニターとなっている7人の女性は、あくまで一般の消費者としてDAYZを買うかどうか決めることになっており、30日間車両が貸与される以外は、たとえば大幅な値引きとか極端な金利の優遇とか、「買わせる」ための特別なことはできない。
    なので、プロジェクトメンバーが自らモニターの元に足を運んで、DAYZの魅力を説得しているというのだ。
    まるでディーラーの営業マンである。
    ところが柳氏は、
    「大変ですけど、われわれのような仕事をしていると、直接お客さまの声を聞くという機会がほとんどないんです。今回の企画で、お客さまの生の声に触れることができたのは、大きな収穫です」
    と語る。
    やばい、アツい。

    「『30DAYS with DAYZ』では、7人のモニターから集めた意見をまとめて『ガチカタログ』を作ろうと思っています。お客さまの声だけで作ったカタログなんて、いままでなかったですから」
    「そしてその声を次のクルマに生かしたいんです。自動車の開発って時間がかかるので、すぐにとはいきませんが、次々モデルくらいには反映させたいですね」

    ソーシャルメディアを使って話題を提供し、そこから顧客の声を拾い、自社の製品開発につなげる。企業のソーシャルメディア施策としてはある意味理想の展開であり、言葉にすると簡単だ。しかし多くの企業はそれを実現できずにいるのではないだろうか。
    柳氏がこれを成し遂げようとする源には、入社6年目のある経験が影響している。



    「入社して初めて、新車のカタログ作りをまるごと担当したんです。新車発表会で、お客さまに自分が想いを込めて製作したカタログを手渡したときに、ものすごく感動したんです。お客さまが、カタログを熱心に眺めてくださっている姿を見て。いいもんだな、想いがお客さんに届くって......」
    と語る柳氏の目は、今にもこぼれ落ちそうな涙で潤んでいる。
    「ダメなんすよ、あの時の気持ちを思い出すと、今でも感動しちゃって......」
    やばい、アツい。


    <「あの感動が忘れられません」>

    なるほど、自らの想いを顧客に伝え、その反応を仕事にフィードバックさせることは、この時の喜びから一貫してつながっているのかもしれない。

    最後に、柳氏がこれまで取り組んできた仕事の中で一番の自信作は何か質問したところ、
    「それは『次の企画』です」
    という答えが返ってきた。
    これまでの仕事すべての集大成こそが、次のプロジェクトだというのだ。
    「いつもそんな気持ちで仕事に取り組んでいます」
    やばい、アツい。アツすぎる!
    このアツい男、柳信秀が丸坊主になるかどうか、その行方は「30DAYS with DAYZ」の結果に懸かっている。
    生中継で、アツい男の未来を見届けよう。

    (工藤考浩)

    【参照リンク】
    ・「日産:30DAYS with DAYZ」
    http://social.nissan.co.jp/CAMP/30DAYZ/

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