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【体当たり取材】 接近戦闘術「クラヴマガ」を体験して、ジェイソン・ボーンになる
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【体当たり取材】 接近戦闘術「クラヴマガ」を体験して、ジェイソン・ボーンになる

2013-11-25 13:30
    Filed under: 国内, スポーツ, 暮らし・車, アフター5, トピックス, 連載

    皆さん、格闘技好きですかー!
    見るのは好きだけどやるのはちょっとなー、なんて言っているあなた。
    そういわずに一度体験してみませんか?

    やってみたいけどどこへ行けばいいのか分からない、なんて言っているあなた。
    都内近郊では世界各地の様々な格闘技が体験出来ますよ!

    寒い冬は熱くなるため格闘技。暑い夏は汗をかいてスッキリするため格闘技。春夏秋冬、格闘技。格闘技をやらずにいる人生なんて、気の抜けたビールを飲むがごとし!甘くて、苦くて、残念で。それでいいのか!いや、よくない!いつやるの!いま・・・

    さてと、面倒な感じの前置きはこれぐらいにして。

    こちらでは都内近郊で体験可能な様々な格闘技をライター自ら体験し、その魅力を紹介していきます。


    第1回目はこちらの格闘技。


    イスラエル軍兵士の為に編み出された接近戦闘術「クラヴマガ」です。

    1930年代後半に創立者イミ・リヒテンフェルドによりもたらされたクラヴマガ。今も戦火の絶えないイスラエルで開発されたこの戦闘術は、イスラエル軍やFBI、SWAT、アメリカ海軍特殊部隊、空軍特殊部隊など世界各国の特殊部隊で正式に採用されています。正にスペシャリストの技。格闘技体験と言っておきながら、いきなり実践物の体験です。

    『ボーン・アイデンティティ』トレーラー


    ちなみに、映画『ボーン・アイデンティティ』の中でマット・デイモンが演じるジェイソン・ボーンが使っていた技もこのクラヴマガ。映画内で使われているものは映画用に若干派手に演出されているものの、概ねクラヴマガの動きとなっているようです。

    クラヴマガを習得すれば、夜の公園で警官に突然警棒を向けられたり、窓から銃を持った人間が突然飛び込んできたりしても、ああして、こうして脱出して・・・と、映画見た方はどのシーンか分かりますね。





    今回クラヴマガを体験させていただくのは、2004年に日本初のクラヴマガ専用トレーニング施設としてオープンしたクラヴマガ・ジャパンの市ヶ谷スタジオ。クラヴマガ・ジャパンのスタジオは都内だと、市ヶ谷、青山にあります。あと、大阪、名古屋にもあります。軍隊の戦闘術が会社帰りに体験できてしまうというわけです。

    スタジオ内は白と赤を基調とした明るく落ち着いた感じの作り。男女別のロッカールームやシャワーも完備しています。格闘技道場というとちょっと薄暗く汗臭いというイメージを持つ方もいるかもしれませんが、それとは対極にあるような清潔感あるスタジオです。





    そうはいうものの、やはりそこは格闘技のスタジオ。隅にはサンドバックやキックミットが置いてある。ガラス越しに見えるクラスの様子はかなりの迫力です。



    そして、今回の取材の対応していただいたのは左からインストラクターの布川さんと、トレーナーの藤原さん。布川さんはクラヴマガ・ジャパン公式認定インストラクターでクラヴマガ・ワールドワイド公式認定インストラクターでもあります。そして、藤原さんは海上保安庁に長年勤務していた方で、制圧術の指導教官をしていたそうです。海上保安庁全国逮捕術大会で3回連続優勝したという経歴の持ち主。

    多分、今この二人に飛びかかっても一瞬で目の前が暗くなり、地面か壁に押し付けられて身動きとれない状態にされていることは間違いないでしょう。何がどうあっても戦ってはいけないタイプの方々です。勝てないと思う相手とは戦わない。これ大事。



    それでは実際に体験していきます。

    クラヴマガは兵士の訓練に用いられていたものなので、性別や体力、体格などに関係なく、システム化された方法で短期間に習熟できるように作られているそうです。スタジオではレベル毎に分けられたクラスで練習していきます。体験は一番下のレベル1で行います。

    いきなり性格の悪そうな先輩練習生が出てきて、無理やり道着を着せられ、殴る蹴るの激しい練習をさせられたあげく、簡単には辞められないなんてことは有りません。いや、そんな所は漫画の世界ぐらいで普通ないです。格闘技の世界は結構フレンドリー。



    練習ではまず柔軟体操やジャンプで体をほぐしていきます。多少体が硬くても、普段運動はあまりやっていないという方でも、レベルに従い各自の能力に合わせて練習していくので大丈夫です。

    ちなみに、スタジオに来ている人の男女比は6:4ぐらい。結構女性が多いです。映画「イナフ」のジェニファー・ロペスや「トゥームレイダー2」のアンジェリーナ・ジョリー、ドラマ「交渉人」の米倉涼子もこのクラヴマガのトレーニングを受けたそうなので、女性の多さにはそういう所も影響しているかもしれません。強い女性というのはいいですね。個人的には強い女性というと子供の頃に見た記憶のある志穂美悦子さんの「女必殺拳」を思い出しますね。



    体をほぐした後は基本的な立ち方や、基本的なパンチ、キック、ひじ打ちなどの攻撃を練習していきます。
    クラヴマガには「パッシブ」「ニュートラル」「ファイティング」という基本の立ち方があって、写真はファイティングスタンス。攻撃体勢の構え。この両手を開いて相手に向けたような状態で、踵を少し浮かせた足を平行にもってくるとパッシブスタンス。相手が何か仕掛けてきてもいつでも対応出来て、相手をなだめるような構え。戦闘術はいつでも臨戦態勢です。



    一通り基本的な動きを終えたら休憩を挟み、いよいよ本格的な練習に入っていきます。



    いよいよ実戦的な技術の練習に入っていきます。今回の体験では、前方や側方、後方から敵が接近して来た際のひじ打ちによる攻撃を練習していきます。まずはインストラクターの説明と実演。

    ひじは太く硬い骨で出来ているので、あまり鍛錬してなくても敵に強い衝撃を与えることが出来る部位です。拳は細い骨が多数集まって出来ているので、相手のアゴや額など硬い場所に当ってしまうと鍛錬していない拳は簡単に折れてしまうことがあります。そこでひじなのですが、ひじでは距離が稼げないので相手と接近して戦うことになる。

    このように、クラヴマガの練習は軍隊式の戦闘術なので全て実践ありき。その為、攻撃する場所は目やのど、股間など急所ばかり。かなり物騒です。そして、練習は靴を履いて行います。道場での1対1ではなく、多数に囲まれることもあるストリートファイトが基本です。



    インストラクターの説明の後は2人1組になって実戦。まずはパッシブスタンスから前方方向へのひじ打ち。



    アゴを上から斜め下に打ち抜くようにひじで打ち込んでいきます。続いて側方へのひじ打ち。インストラクターの説明と実演から。



    続いて実践。



    このぐらいまでは割とすんなり出来ます。柔らかいミットとは言え慣れてないと打ち損じや、擦れて痛いこともあるので、一回ごとに確実に打ち込みます。



    そして攻撃は徐々にレベルが上がっていく。続いて側方、前方と連続してひじ打ちをします。慣れない動きに戸惑います。



    更に、ミットを大きくして、ひじ打ちを連続で入れてから相手の肩をつかんでの連続ひざ蹴り。クラヴマガ、敵に対して容赦無し。



    実戦に合わせた状況はまだ上がります。続いては目を閉じた状態で自然に立ち、後方や側方から突然ミットで押されます。そこへ同じように連続攻撃。暗闇や不意をつかれて襲われた時に気持ちを切り替えて対処する訓練も兼ねています。



    体は熱くなり、気分も上がってきました。そして練習は命の危機をより感じるような場面を想定しての練習へ。



    後ろから突然首を絞められた時の防御から攻撃の練習です。

    クラヴマガは人間の本能的な条件反射を利用した技の組み立てになっていて、このような場合にもそれが生かされていました。人間は首を絞められると、反射的に締められている手を外そうと自分の手を相手の手に持っていきます。その動作を利用して、慌てることなく相手の手に大きく自分の手をかけ締める力の弱い方向に引く。それにより締めている手をゆるめて脱出。ただちに反撃してその場を離れるのです。

    こんな感じです。



    後ろから突然・・・



    首を絞められて!



    持って行った手をカギにして大きくかけて手前下方向へ引く!



    手をゆるめたらひねって脱出しつつ後ろへひじ打ち、股間打ち!



    肩をつかんでひざ蹴りで相手の動きを止める!



    トレーナーから色々と指導が入ります。本来ならば鬼軍曹に罵倒されながらやることになるのでしょうが、ここではもちろんそんなことはなく、丁寧に教えてもらえます。

    そして、本日の練習もいよいよ大詰め。最後は目をつぶった状態で突然締められ、そこから同じことを行います。更に室内の電気も消される。実戦の雰囲気を高めた練習で〆ます。



    これにてクラヴマガ体験は終了!約60分のクラスは結構盛り沢山な内容でした。ありがとうございました!

    体験を終えて

    私自身、今まで少林寺拳法やボクシングの経験があり、どの格闘技に関しても割と抵抗は無い方ではありますが、ストリートファイトを基本とした戦闘術というのは経験が無く、なかなか興味深いものでした。どちらかと言えば格闘技は目の前の相手に打撃を与えて倒すことを考えていますが、クラヴマガでは倒すというよりも自分の命を守る事を主に考えているように感じました。実際、相手に打撃を与えて制圧するだけでなく、その場から安全に離れるという技術もあるそうです。

    治安のいい日本といえども、いつどこで何が起こるか分からない不穏な世の中。この技術を学んでおいて助かったという事態も十分考えられます。また、常に状況を冷静に判断して生き抜く為に対処していくという姿勢は、暴漢に襲われるような場面以外でも色々なところで役にたつでしょう。とりあえず、ボコボコにミットへひじ打ち、ひざ蹴りを入れるのは普段ない体験で色々スッキリします。それだけでもこの体験、アリです。

    ついでですが、例えば会社内で、過酷な残業を命じようと憎い上司が後方から突然近づき、あなたの肩に手を乗せ「残業頼むよ!」と言ってきたとします。クラヴマガを学んだあなたは「残業頼むよ!」が「死にたいか!」に聞こえて、その手に反射的に手をかけて外してから流れるようにひじ打ち、ひざ蹴りを連続で決めてしまうようなことが無いようにしましょう。多分、当分脱出出来ないようなところに入ることになります。そこは早目に危険回避。頼まれる前に現場離脱!がいいです。

    そして、今後もこちらでは様々な世界の格闘技を体験していく予定です。都内近郊で体験出来る世界の格闘技情報お待ちしています。ライター自ら体験しに行きます!もちろん、日本国内の格闘技もOK! やれるものならなんでもやります!

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    ここまでメールお待ちしています。
    Inform@teamaol.com
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    【取材協力】
    クラヴマガ・ジャパン株式会社

    本社所在地
    〒102-0074 千代田区九段南4-4-7 中川ビル4F
    TEL: 03-3263-4555 FAX: 03-3263-4777

    市ヶ谷スタジオ
    〒102-0074 東京都千代田区九段南4-3-13 麹町秀永ビル B1F
    http://www.kravmaga.co.jp/index.htm





    (馬場吉成)

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