今年ももうすぐ終わってしまうということで、2013年テレビで披露された"ネタ"の中で最も僕が心踊ったネタを選んでみたいと思います。勝手に。
もちろんネタ番組を全部見ているわけじゃないし、ネタという定義も曖昧なので完全なる独断と偏見です。
というわけで僕が2013年一番好きだったネタは『バカソウル』(テレビ東京)で披露された佐久間一行の「セミ2013」です。
僕はこのネタを見て何故か、タモリの小沢健二評を思い出しました。
かつて小沢健二の名曲『さよならなんて云えないよ』の歌詞をタモリが絶賛した、というエピソードは、樋口毅宏が自身の小説『さらば雑司ヶ谷』の中で登場人物の口を借りて紹介されたことで再び脚光を浴びました。正確にはタモリはこう評しています。
「道を行くと、向こうに海が見えて、きれいな風景がある。そこまでは普通の人も書くんだけれども。それが『永遠に続くと思う』というところがね。それ凄いよ、凄いことなんだよ、あれ」「あれでずいぶん、やっぱり考えさせられたよ。あれは、つまり"生命の最大の肯定"ですね」
「左へカーブを曲がると光る海がみえてくる 僕は思う この瞬間が続くと いつまでも」という小沢健二とはまったく違う歌詞・アプローチながら、「セミ2013」はそんな"生命の最大の肯定"を思わせてくれるのです。
それはあるセミの一生を歌ったもの。
「♪セミの一生は一週間 ここにもまた7日目をむかえた セミがいた 『早かったなー』
8日目 生きてる! 奇跡の一日いただきました セミの中ではカリスマ
でもそんな予定なかったから 何していいかわからない♪」
7日間で死ぬとされるセミが寿命を迎えても「もちこたえる」。なかなか死なない。それが1ヶ月、1年、10年......と続いていく。死ねない。生きてる。
それはまさに"生命の最大の肯定"というしかないような生命の賛歌で幸福感に満ちあふれたものでした。
※ちなみにこのネタは12月25日に発売されるDVD『佐久間一行SHOW2013 GOLD10』の「特別盤」(通常版には入ってません)に特典として収録されてます。
文=てれびのスキマ(http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/)
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