長年多くの日本人の心を掴み続ける「ジャニーズソング」において行われてきた"サンプリング"や"オマージュ"を紹介するシリーズの第2弾。本記事で紹介するのは、2002年に発売された嵐の7枚目のシングル『a Day in Our Life』だ。
この『a Day in Our Life』は、デビュー曲の『A・RA・SHI』(1999年)以来、曲の一部に櫻井翔によるラップパートを取り入れてきた嵐のディスコグラフィーの中で、初めて全編ラップメインで制作された楽曲だ。作詞・作曲・編曲を担当したのは、当時若者に人気のあったミクスチャーバンド「スケボーキング」のメンバーである。
スケボーキングは、『a Day in Our Life』が発売される前年の2001年5月、小田和正の『ラブ・ストーリーは突然に』を大胆にサンプリング(過去の曲の一部を引用し再構築すること)したシングル『TOKIO LV』をリリースしヒット。サンプリングの有効活用はお手の物だったわけだが、『a Day in Our Life』においてサンプリングの元にしたのは、嵐にとってジャニーズの大先輩である少年隊が1987年にリリースしたヒット曲『ABC』だったのである。
『ABC』において全編で流れている美しいリフのメロディー。これが、15年という時を経て当時最先端だったミクスチャーラップの『a Day in Our Life』に受け継がれ、櫻井によるラップが乗ったというわけだ。ヒップホップが、同じ黒人音楽というジャンルの"先輩"であるソウルミュージックをサンプリング元にしたのと同じく、"ジャニーズ"というジャンルの中で先輩・少年隊を後輩・嵐がサンプリングした。『a Day in Our Life』は、そんな正統派サンプリングソングであり、"ジャニーズ"というのが最早日本の音楽業界の中でひとつの大きなジャンルとして確立していることを証明した曲だといっても過言ではないかもしれない。
『ABC』が発売された1987年当時に青春時代をおくっていた世代の人たちが30代を迎えた頃、『a Day in Our Life』を耳にして、「あれ? これって...」と懐かしい記憶を蘇らせ、ニヤリとする。第1弾記事で紹介したSMAPの『がんばりましょう』と同じく、ジャニーズは楽曲制作において、そのような幅広い世代に向けての楽しみ方を提示しているのだ。
そして、そんな姿勢の集大成になっていると"思われる"のが、山下智久のソロデビューシングル『愛、テキサス』である。
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