性欲を満たしたいだけの男女がマンションの一室に集まって事に及ぶ裏風俗――。その一夜を剥き出しにして描いた三浦大輔監督による話題の映画が『愛の渦』(3月1日公開)だ。
この作品で、地味に見えて実は誰よりも性欲が強い女子大生(女1)を演じ、まさに体当たりで新境地を開拓、今最も注目される若手女優・門脇麦に直撃インタビューを慣行した。
「やりたい人たちだけが集まるマンションの一室が舞台」「全編ほぼ裸」「全裸でふつうにセックス」さらには「8人同時セックスシーン」など、製作段階からセンセーショナルな設定ばかりが聞こえてきたこの『愛の渦』だが、門脇は、風俗は入口にしただけで、真に描かれているのは現代社会とそこに生きる人々の心理と言い切る。
「性描写がしっかり描かれているものは映画でも本でも苦手だったので、今回乱交パーティの話と聞いて、うーん・・・みたいな前印象だったんですが、台本を読み終わったときはまったく別の感情があって。嫌悪感はもちろんなかったし、とにかく面白いと思ったんです。まったく"エロ"じゃない、その裏切り方が凄いなと」。
それもそのはず、この映画、元は三浦監督が演出・主宰していた劇団「ポツドール」で上演した2005年の同名芝居『愛の渦』。三浦監督はこの作品で"演劇界の芥川賞"とも呼ばれる第50回岸田戯曲賞を受賞しているのだ。
映画では三浦自らメガホンをとったわけだが、そんな三浦との出会いを聞いてみると、オーディション会場で会ったのが初めてだったそう。
「もともとの出演のきっかけは、マネージャーさんから台本を渡されたんです。『まっさらな気持ちで読んでみて、面白かったか面白くなかったか教えて?』と言われて。で、読んだらすごく面白くて。そうしたら、『じゃあオーディション受けてみる?』ということになり・・・(笑)。どうせ落ちるだろうと軽いきもちで行ったんですが(笑)、三浦さんとはその時に初めてお会いしました」。
「オーディションでは、かなりプライベートまで突っ込んだ質疑応答と、実際バスタオル一枚になった芝居をしました。すぐに直感的に三浦さんのことを好きだな、一緒に仕事したいなと思いましたね。なので、オーディション会場でようやく腹を括ったかんじでした(笑)」。
二次面接まで進んだのは門脇だけだったと、後で監督から聞かされたそう。三浦監督は後に、「彼女と心中するつもりで作品を撮ると決めた」とコメントしていたが、お互いに最初からびびっとくるものがあったのだろう。
そんな三浦監督の期待に応え、難役を見事に体現した門脇。彼女に、映画の"最後のシーン"について、もし自分が「女1」だったらどうするか聞いてみた。すると「私も『女1』と同じ選択をしたと思う」との答えが。果たしてその選択とはいったい何なのかは、ぜひ劇場で確かめていただきたい。芝居版『愛の渦』では描かれなかった映画オリジナルのシーンでもあり、観た人それぞれの感情が去来する場面であること間違いない。
思えば東京ガス「ガスの仮面」CMで一気に注目されたのが昨年。今年はこの『愛の渦』に続き、映画『闇金ウシジマくん Part2』(5月16日公開)、『シャンティ・デイズ 365日、幸せな呼吸』と出演作の公開が立て続けの門脇。インタビューで「オフの日は料理をする。女優という仕事は、評価はされるけど、終わりも正解もない。料理は作って完成して、おいしければ喜ばれるのがすっきりしていて好き」と語っていた言葉が印象的だった。
『愛の渦』は3月1日(土)、テアトル新宿にて公開
【参照リンク】
・『愛の渦』公式サイト
http://ai-no-uzu.com/
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