『言いにくいことをハッキリ言うTV』(テレビ朝日)はそのタイトル通り、ゲストが主張する「言いにくい極論」を発表し、太田光率いる論客と対決する番組である。
元々は、太田光が珍しくピンでやっていた『侃侃諤諤』がもとになっており、それがリニューアルされたことで、レギュラーに田中裕二も加わった。
その初回放送では映画監督の園子温が出演し、「日本映画に未来はない」と主張した。
最初の観客の反応は賛成=「0」票、反対=「30」票という完全アウェー。
園子温に相対するのは太田の他、有村昆、川島明だった。
園はまず「主役にアーティスト(歌手、アイドル)を使うな」と提言。企画や脚本が甘いのをキャストで補っている、と。要は有名人を使うな、ということだ。
実際、園が監督した代表作『愛のむきだし』の主演は満島ひかり。今でこそトップ女優のひとりだが、当時はほぼ無名の存在。『紀子の食卓』の吉高由里子もそうだ。
お茶の間に人気のキャストで固めるから、どうしても内輪向けになってしまうから、海外では無視されてしまうと言うのだ。
さらに「泣かせばいいと思うな」と主張。映画館に行ったら予告編の5本すべてが「余命もの」だったと実例を挙げ、「全米は泣いたことがない!」と言い切った。
あるときなどは、最初に「怖い」映画を作ってくれと言われ作り始めたら、「泣ける」要素も入れてくれ、「恋愛」も「友情」も......と様々な要素を加える事を要求されたという。そんな「幕の内映画」ばかりでは日本映画に未来はない、と。
そして最後に「女優は全員すぐに脱げ!」と息巻く。「昔の女優は脱いでいない人を探すのが大変なくらい」だと。
「日本映画はもっと敷居低くして料金も安くして、『たかが映画』ってことでもっともっと面白くなっていったらいいと思うんですね。もっと下品でいいし、もっと下世話でいい。だってサービスじゃん! しょせん。映画ってサービス業だからアクションあり、脱ぎありでいいと思うんだよね」
そんな園子温の"極論"に最初賛成が「0」だった観客も半数近くが賛成に回った。
「通ぶってたら映画が閉じちゃう」という園。園子温は一貫して、内輪に閉じてしまっていると日本映画に未来はないと主張しているのだ。それに対し「でも通ぶらないと園さんの映画なんていいって言われないよ。アンタの映画こそいかにも通ぶった映画!」と太田は笑った。
文=てれびのスキマ(http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/)
【参照リンク】
・『言いにくいことをハッキリ言うTV』公式サイト
http://www.tv-asahi.co.jp/hakkiri/
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