「『300 <スリーハンドレッド> ~帝国の進撃~』を観て、すぐに自分がやりたいアイデアをいくつか思いついたよ」と語るのは、同作のサウンドトラックを手がけた"ジャンキーXL"ことトム・ホーケンバーグ。1990年代にファットボーイ・スリムらと共にビッグ・ビートという新たなムーブメントを作り上げた、エレクトロ・ミュージック界の大御所である。
前作よりもバラエティに富んだシチュエーションや、細部まで迫力を感じさせる戦闘シーン、さらに各キャラクターの個性を掘り下げることによりドラマ性もぐっとアップした『帝国の進撃』。激しくも美しい、もうほとんど神話の世界のような映像の数々に命を吹き込むのが、ジャンキーXLの手がけるスコアだ。
例えば、初登場のくせに男性陣よりも活躍しまくるペルシアの女提督・アルテミシア(エヴァ・グリーン)のシーンについて、「純粋な音色で、とても力強くセクシーなグルーヴが出せる楽器を使いたかった」と語るJXLは、なんと自身のピアノを魔改造。弦をドラムスティックで叩いて絶妙な音色を生み出しているのだが、ピアノの弦1本につき22300ポンド(約10kg)もの重量がかかっているため、もし弦が切れて飛んできたら"首チョンパ"してしまう危険性が...。その結果、身を守るために警察の機動隊のようなヘルメットを装着しながら演奏するという、非常にシュールなレコーディング風景となったようだ。
また、バグパイプのような音色をもつ古代ギリシャの伝統的な笛"Aulos"を現代の素材で製作し、当時とほとんど同じ(と思われる)音色を再現。どこかエキゾチックな雰囲気を醸し出すことに成功しているほか、特殊な楽器を様々に組み合わせるなど、本人いわく「新しい音楽を作るのは面白かったね」という、挑戦的なスコアが完成した。
いまやサントラ界の重鎮といった風格のJXLはキャリアの初期から映画音楽に携わっていたが、転機になったのは2011年の『リセット』(ミラ・ジョヴォヴィッチ主演)あたりだろうか。2013年にはゲイリー・オールドマン&ハリソン・フォード主演の『Paranoia(原題)』を手がけ、最近では日本でも公開間近のSF大作『ダイバージェント』や、ファン待望の続編『マッドマックス/フューリーロード』でも音楽を手がけている。
ジャンル問わず重厚なサウンドで映画を盛り上げる手腕を買われてか、メイン作曲家として以外にも名匠ハンス・ジマーによる『マン・オブ・スティール』(2013年)や、現在公開中の『アメイジング・スパイダーマン2』といったビッグバジェット作品に参加しているJXL。今後さらに多くの作品を手がけることになるであろう彼のスコアを、まずは『300 <スリーハンドレッド> ~帝国の進撃~』で堪能しよう。
【動画】http://youtu.be/z3anA-MpYDA
『300<スリーハンドレッド> ~帝国の進撃~』は大ヒット上映中!
【参照リンク】
・『300 <スリーハンドレッド> ~帝国の進撃~』公式サイト
http://wwws.warnerbros.co.jp/300movie2/
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