旧友に一度は言い放ちたい素敵フレーズがタイトルの『友よ、さらばと言おう』のフレッド・カヴァイエ監督が、「シンプルな映画こそイイ映画になる!」という持論を展開した上で、それがゆえにブルース・ウィリスと仲が悪くなった(?)という秘密事情を説明した。
まるでリュック・ベッソンの映画に出て来そうな、濃ゆいビジュアルのカヴァイエ監督。親友だった刑事"相棒"コンビが数年の時を経て再会、家族を守るためマフィアに立ち向かっていくというストーリーは実にシンプルだが、硬派&骨太な演出でラストまで一気に駆け抜け、観る者に強烈な印象を残す。カヴァイエ監督は言う。
「たとえば、この映画には特急列車TGVのシーンが出てくるけれど、自分が列車に乗ったとして、いろいろなことを想像する。突発的な事件とかね。その想像上のレベルを、映画に反映する。誰もが知っている交通手段にとても怖いことが起きていると、感情移入がしやすいからだ。地下鉄とかね。要は創った日常の中で、物語を展開することに意義がある。たとえば昔のジェームズ・ボンドの映画を観ていて、面白いけれど、我がごとのように引き寄せられはしないよね?」。
シンプルでリアリティーを重視するために、実は『ダイ・ハード/ラスト・デイ』(12)の監督オファーを断っている。「シリーズの大ファンだが、面白かった作品は最初だけだ。限定的な空間で、ハダシで撃ち合うみたいな『ダイ・ハード』が好みだから、今の『ダイ・ハード』は規模が大きくなっていて、そもそも僕は大げさな武器や悪党が登場することに関心がない。だからオファーの時にシナリオを一読したけれど、まったく惹かれなかったな(笑)」とバサーリ。
ただ、『ダイ・ハード/ラスト・デイ』(12)は原点回帰しようと奮闘した形跡と意思はあったが、ちょっと成功はしなかった。「観た? 僕は観てないよ。まあ、観る機会がなかったからだけれど、仮に観て監督しておけばよかったと後悔することのほうが嫌だよ。だから観ることはないね(笑)」。なるほど。その点は、ご安心くださいませ。
実はカヴァイエ監督、ハリウッドでは引く手あまたの人気監督だが、「ほかのアメリカ映画でもオファーがあった」と言い、すなわち現状、全部オファーを断っている。「『LOOPER/ルーパー』(12)って映画、知っている? あれは本当にいい映画で、ヒットもしたので、監督しておけばよかったよ(笑)」。そら、知っていますがな。第一、それもブルース・ウィリスの映画じゃんよ! 「そうだよ(笑)。僕は彼の映画のオファーが来るたびに断っているので、ブルースには嫌われている自信があるね(笑)。ま、僕のせいじゃないけれどね!」。
母国フランスでは、同じくフランス出身でハリウッドでも活躍する巨匠リュック・ベッソンの後継者とまで言われ、間違いなく今後のフランス映画界を牽引する存在となっているカヴァイエ監督! 近くハリウッド進出予定があるそうなので、とっても楽しみです!
映画『友よ、さらばと言おう』は、公開中
【参照リンク】
・『友よ、さらばと言おう』公式サイト
http://www.tomoyo-saraba.com/
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