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キム・ギドク監督最新作にして超問題作『メビウス』は、その過激な性描写から本国でも上映制限が敷かれ、ここ日本でも審議の紆余曲折を経てギリギリのR18で公開が許された映画史上最も壮絶なヒューマンドラマになっている。そして全編にわたりセリフがなく、「笑う」、「泣く」、「叫ぶ」の感情表現だけで構成されることが話題となっている。このほど、本作の予告編が解禁となった。


冒頭から息子の性器を切断する母。いきなりで愕然とするが、そこから負のスパイラルは止まらない。不貞の父、嫉妬に憑かれた母、そして切り取られた息子。それぞれの欲望が交錯する中、性器をなくした息子は快楽に達する衝撃の方法を見いだす。それは自分の皮膚を石でひたすら擦り続けるというものだ。痛い!痛すぎる!すでに男にとって痛いシチュエーションなのにそこに加わる擦過傷!しかし、痛みが極限に達したとき、快楽へと変わっていき、息子の苦悶の表情は、いつしか恍惚の表情へと変わっていく。痛みと快楽は、タイトル"メビウス"が指し示している表裏一体のひとつなのであろう。







なお、この息子役のソ・ヨンジュは撮影当時15歳ということで超難役に挑んでいる末恐ろしい才能なのだ。



キム・ギドク監督の言葉がこう締めくくる。
「家族は、まるでメビウスの輪のように一つに繋がれている。だからこそ羨み、忌み嫌い、そして愛するのである。」

【動画】http://youtu.be/gCAFBy1KnuM


果たして、この家族のたどる運命とは一体どのようなものなのか。痛いけど観たい、否が応でも気になってしまう作品には違いない。

映画『メビウス』は12月6日(土)より新宿シネマカリテほか全国公開

(C)2013 KIM Ki-duk Film. All Rights Reserved.

【参照リンク】
・『メビウス』公式サイト
http://moebius-movie.jp/ 

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