漫画家:井上三太が「東京」という街のストリートを虚々実々をない交ぜにしながら描き、フィクションでありながらも強いリアリティを感じさせる作品として、90~00年代のコミック・シーン/ストリート・シーンに大きな影響を与えた「TOKYO TRIBE」シリーズ。そのコミックを元にしながら、『愛のむきだし』『希望の国』『地獄でなぜ悪い』『冷たい熱帯魚』などの異色作/意欲作を手がける奇才:園子温がメガホンをとった映画『TOKYO TRIBE』が8月30日(土曜日)より、新宿バルト9ほか全国でロードショーされる。
現在出演中の朝ドラ『花子とアン』での村岡英治役とは全く役所の違う、凶暴な悪役:メラを演じる鈴木亮介とダブル主演という形で、メラと対立する、対照的なピースな役柄を演じるのが、映画初出演にして主演を務めるYOUNG DAIS。彼は北海道を代表するヒップホップ・グループ:N.C.B.Bのメンバーとしての活動をはじめ、ソロとしても「PLAYLIST」「Accent」をリリースし、今年に入ってからは、日本を代表するアーティスト:DJ PMXとのコラボ・アルバム「THE MOMENT」をリリースするなど、活発な動きを見せるラッパーである。
「演技の経験は......学芸会ぐらい?(笑)っていう定番の答えですけど、ミュージック・ビデオとかではちょっと経験はあるけど、ちゃんと演技っていうのは今まで全く無くて。でも、オーディションを受けて、主人公として出演が決まった時は、高揚感がありましたね。映画の主演をラッパーが務める事になったっていう事実は、それが自分じゃなくても嬉しかったと思うし、そこに自分がそう抜擢されたのは、すごく光栄だと思いましたね。ただ、少なからず不安は勿論ありましたけど、でも、ラッパーの出演者も多いし、例えば『PENNY'S』で仲間と集まるシーンなんかは、N.C.B.B.の仲間と過ごしてる時だったりと感覚としては同じだったりするんで、そういう部分も含めて自然に、リアルに演じる事が出来たなって思いますね」。
今作は「ラップ・ミュージカル」とアピールされている通り、台詞や会話のほとんどがラップで表現されているのも大きな特徴だ。その為、YOUNG DAISをはじめ、MC漢(MSC)やD.O、ANARCHY、SIMON、EGO、十影といった数多くのラッパーが映画に参戦している。
「アクションと共に、台詞がラップになってるっていうのは最初から聞かされていて。それは『どんなことになるの!?』っていうのが最初に感想であり驚きでしたね。やっぱり普通にラップするのと、映画の中でラップするっていうのは手応えが全然違って、やっていても『これはどうなるんだろう......』って。ラップをしてるんだけど、それでも演技だっていう、その合間の絶妙なポイントを探さなくちゃいけなくて。でも完成品を見て、やっぱりスゲえな園監督はって思いましたね。こちらの想像を超えるモノになってて。感覚としては、園監督は科学者で、この映画は、スゴい実験結果が出たなって感じですね」
そして、MC SHOWとして映画のストーリー・テラー的な存在を演じる染谷翔太や、可憐なビジュアルと相反するようなアクション女優としての才能を爆発させた清野菜名、レゲエ・アーティスト:卍ラインとして活動し、劇中でもスムーズなラップを聴かせた窪塚洋介、いろんな意味で異次元のレベルに達した竹内力など、俳優陣とラッパー陣の化学反応も興味深い本作。ストリート・ムービーとしても、ミュージカル映画としても、そして石井輝男や内藤誠のような昭和プログラム・ピクチャーの系譜をも感じる娯楽作品だ。
「オープニングから、色や画像から感じる匂い、空気感で一気に観てる人を惹き付ける内容だと思うんで、是非観に来て欲しいですね」。
文:高木"JET"晋一郎
『TOKYO TRIBE』は8月30日(土)新宿バルト9ほか全国ロードショー!
■参照リンク
『TOKYO TRIBE』公式サイト
http://tokyotribe-movie.com/
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