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「一番スゲぇのはプロレス」中邑真輔から学ぶ、日々仕事を「ボマイェ」する重要性
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「一番スゲぇのはプロレス」中邑真輔から学ぶ、日々仕事を「ボマイェ」する重要性

2014-09-01 17:30
    Filed under: チームブルー

    全国のエッグベネディクトよりもハードワークが大好きなハードワーカーの皆様に贈る、職場で役に立つプロレスラー・格闘家の名言を紹介するこのコラム。今日は、今一番たぎっているプロレスラー、中邑真輔選手の若かりし頃の名言を皆様に贈ります。



    遡ること2004年、10年前、プロレス業界はたいへんな逆風に晒されていました。
    それはPRIDE、K‐1に代表される総合格闘技の人気が頂点に達し、まさに豪華絢爛なバブルを迎えていたときのことです。
    ボブサップや桜庭がスターとして華やかにテレビで活躍しており、プロレスは古臭いもの、底の浅いもの、うさんくさいものとして敬遠されていました。
    そんな逆境のなか、若手の注目株だった中邑選手がボブサップに対してつっかかり、叫んだのがこのことばです。

    「K-1とかPRIDEとかよく分かんねえけど...一番スゲエのはプロレスなんだよ」

    プロレス業界、プロレスというジャンルを背負って、ボブサップに象徴される総合格闘技ブームに沸く世間そのものに対して挑戦状を叩きつけた、中邑選手の気位の高さに今思い返しても、背筋を伸ばしたくなる名言です。このとき中邑選手は若干24歳。日本の大企業と同じく、年功序列を重んじる気風のプロレス業界においてこの若さの中邑選手がジャンルを背負う覚悟を示すアピールを行ったことは大変大きな話題になりました。

    この発言のポイントは、プロレスについて『一番スゲぇ』と言っていることです。『一番強ぇ』と言っているわけではないのです。つまり、単純な競技としての技術について比較すればプロレスより強いものはいくらでもあるかもしれない。それでも、格闘技の強さ、リアリティ、そういったものを飲み込んでなお、一番面白い、一番人間のすごみを惹き出せる、感動できるエンターティメントが「プロレス」なのだということです。

    これは、正に昨今のハードワーカー各位にも通じることなのではないでしょうか。
    周囲を見渡せばイグジット、IPOあるいはバイラルメディアとかキュレーションメディアとか、さまざまな景気の良さそうな単語、スマートそうなニュービジネスが飛び交います。もちろん新しい効率的なビジネスモデルに学ぶことはたくさんありますし、ユーザーとして楽しむこともたくさんあると思います。
    しかし、それでも忘れてはいけないのは、そういったものをすべてひっくるめて日本社会の基盤を作っているのはいわゆる企業の、いわゆる普通の仕事の数々です。
    もしかしたら、転職したかつての同僚が、もしかしたらパワーモーニングをご一緒した知人が、SNSで意識と収入の高さを示すフィードを日々呟かれているかもしれません。
    そういった日々のささいなところで感じる経済のスピーディな移ろいのなかで自分の仕事の意味を忘れそうになってしまったら、中邑選手のこの言葉を思い出してください。目の前にあるハードワークの一つ一つをきっちりボマイェしていくことこそが未来を創っていることは間違いありません。

    10年前、客足が遠のき、ジャンルごとなくなってしまうのではないか?と懸念されたプロレスは紆余曲折の末に、中邑選手のいる新日本プロレスを中心に人気を取り戻し、今では史上空前の盛り上がりを見せています。一方、PRIDE、K-1は今では団体はなくなってしまいました。ボブサップは韓国で催眠術師になり、桜庭選手は新日本プロレスのリングで闘っています

    2003年の大晦日にK-1選手アレクセイイグナショフにひざ蹴りで片目をつぶされて、24時間もたたない2004年の元旦に高山選手にエベレストジャーマンで意識を吹っ飛ばされた中邑選手。10年経った今では毎回ドームなど大きな大会で華々しく身体をクネクネさせながら己のテンションの高ぶるままにイヤァオッと叫び会場を埋め尽くす観客をたぎらせています。あの頃の苦悩の末にジャンルを背負い『一番スゲぇのはプロレスなんだよ』と叫んだ24歳の若者は、今は立派なスター選手として明るく奔放にその言葉を証明し続けてるのです。

    全国のハードワーカー各位、あなたの一番スゲぇ仕事をやり遂げて、イヤァオッ!!と叫ぶ準備はできていますか?あなたの心はデスクの前でたぎっていますか?

    文・三浦ボマイェ崇宏

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