近年、インターネット上などで多用される「ブラック企業」というキーワードについて、「差別だ」と指摘したある特派員が寄稿した記事が、現在、波紋を呼んでいる。
問題となったのは、ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリー東京特派員を務める高橋 浩祐氏が、『東洋経済ONLINE』上に発表した『「ブラック企業」は、人種差別用語である 言葉の使い方に鈍感すぎる国内メディア』という記事(同サイト9月1日付)。
この記事の中で同氏は、「ネットでは連日のごとく「ブラック企業」絡みの記事が報じられている。 しかし、私はこの「ブラック企業」という言葉を以前からずっと「人種差別用語」、あるいはそれに類する言葉だと思ってきた」とし、「この言葉を耳にする度に、「ああまた、人種差別用語が使われている」と心を痛めてきた。使ってはいけない言葉だと思っている。」と、自らの見解を明らかにした。しかしこれに対し、ネット上のユーザーたちからいきなりの集中砲火。
「それを差別というんだよ 」
「黒人が言い出すならまだしもお前が勝手に問題作って煽るなマスゴミ」
「何か無理やり煙り出して煽ってるようにしか見えねえ」
「自分の差別意識をごまかすために言葉狩りすんな。」
「勝手に問題つくるな 人種のことをいってんじゃねーだろが、アホ 」
「この記事を考え付いた人間が一番の差別主義者だろ。「ブラック=黒人の意」 とか、想像もしたことが無いわ。」
「差別用語狩りの典型 単なる言葉を「差別だ」とこじつけてわめく事で 相手の言論を封じて本質から目をそらさせるお粗末な方法。 」
「そもそも「白人」とか「黒人」とか肌の色の見た目で 人を区別して呼ぶこと自体が人種差別的なのでやめるべきだろ そっちだろ問題にするなら 」
...と、「差別だ」と指摘する同氏の感覚こそが、「差別だ」と指摘する声が相次いだ。
たしかに、人種差別の根絶は世界的な命題の1つであるという側面もあるが、多くのユーザーが既に指摘しているとおり、こじつけじみたクレームを乱発し、声高に「問題だ」と叫ぶことは、別の被害を生みかねず、結果として、差別問題の本質から遠ざかり、解決方法を模索することすら難しい状況を生み出しがちだ。そうした意味でこの問題、当面の間、多くの人々の間で議論を呼びそうな気配である。
文・島田克彦
■参照リンク
「ブラック企業」は、人種差別用語である (東洋経済ONLINE)
http://toyokeizai.net/articles/-/46755?display=b
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